12月のある日のこと


ノーブル・ミッシェル城が主催するクリスマスイルミネーションの点灯イベントが開かれ、私はイベントで配布するスイーツの準備に携わっていた


ヨーゼフ「さて、これで準備は整ったかな」


りょう「そうですね。大勢の人が来ていますが、これだけあれば全員に配れると思います」


ヨーゼフ「後は点灯式を待つばかりだね」


りょう「はい!」


ヨーゼフさんと微笑み合っていると、広場の真ん中からアナウンスが聞こえてきた


ゼン3世「それではこれより、王子様方にご登場いただきます」


パチパチ!


人々からの大きな拍手を浴びながら現れる6人の王子様


(あ…彼もいる…)


彼の姿を見つけて、私の胸はドキンと跳ねた


ヘンリー「今日は寒い中、お集まりいただきありがとう」


アスラン「代表として、点灯の役目を務められることを大変光栄に思っています」


クオン「皆が待ち焦がれている聖なるクリスマス…」


ジーク「ここにいる皆さん、そして世界中の人々が、穏やかで平和にその日を迎えられること…」


オリバー「また、これから灯すイルミネーションの光のように温かく輝いた聖夜になることを祈って」


イヴァン「では…」



王子たちがロウソクに見立てたトーチを、クリスマスツリーの根元に当てる


するとそこから光が広がり…ツリーを始め、広場中のイルミネーションが輝き始めた


りょう「わぁ!きれい…ヨーゼフさん、すごく素敵ですね!」


ヨーゼフ「ああ、とても幻想的なイルミネーションだね」


私は周りにいる大勢の人たちと一緒に、しばし夢のような光景に酔いしれるのだった…



子供1「ぼく、そのツリーの形をしたチョコレートにする!」


子供2「お姉ちゃん、これはどうやって食べればいいの?」


りょう「えっと、これはね…」


点灯式が終わると同時に、広場に来ていた人々が、お菓子を振る舞うパティシエたちの所に集まってきた


りょう「スプーンの先にチョコレートがついているでしょ?それをホットミルクの中に入れてかき回すの。しばらく回したら…ほら、ホットチョコレートの出来上がり!」


子供2「わぁ!すごい!お姉ちゃん、ありがとう」


りょう「ふふ、どういたしまして」


ヘンリー「へー、ホットチョコレートか…いいアイディアだ」


りょう「あ…」


6人の王子たちがこちらに寄ってきてくれた


オリバー「お疲れ様。かわいい子がいるなと思ったら、君だったんだね」


りょう「オリバー様、またそんなことを言って…」


ジーク「…わざとらしいぞ、オリバー。彼女がここにいると気がついて小走りになったのは、どこの誰だ…」


オリバー「あー…それ、言っちゃうの…」


りょう「こ、小走り、ですか…?」


オリバー「いいじゃない。かわいい子がいたら、小走りにもなるでしょ」


ジーク「…お前と一緒にするな」


ヘンリー「ホットチョコレート、俺にも一つもらえるかな?」


二人のやり取りを苦笑しながら見ていると、ヘンリー王子に声をかけられた


りょう「はい。ご用意いたします」


ヘンリー「へえ。チョコレートはツリーや星の形をしているのか」


りょう「ええ、そうなんです。クリスマスにちなんだものにしてみました」


アスラン「子供たちは喜んでいるし、体も温まる…何よりのデザートだ」


りょう「そう言っていただけますと…とても嬉しいです」


イヴァン「…酒が入ったものはないのか?」


りょう「お酒ですか?ミルクにブランデーを足すことはできるかと思いますが…バックヤードからお持ちしましょうか?」


オリバー「ははは。りょうちゃん、大丈夫だよ」


オリバー王子が、イヴァン王子の肩を軽く叩く


オリバー「君の仕事を増やすなんてことは、イヴァンもしないよ。な、イヴァン?」


イヴァン「…」


イヴァン王子は何も言わず、手にしていたホットチョコレートを口にする


イヴァン「まあ、このままでも悪くない…」


りょう「あ…」


(満足してもらえてるんだよね?よかった…)


ホッとしていると、オリバー王子が目を輝かせながら私を見つめる


オリバー「ところでりょうちゃん、こんな風に素晴らしいイルミネーションに囲まれながら、クリスマスを過ごしたい人…それはりょうちゃんの心の中にいるのかな?」


りょう「そ、それは…」


思わず彼の顔を見つめそうになるが、我慢して微笑む


りょう「こうして皆さんと、このイルミネーションを見ることができただけで、幸せです」



(ふぅ…オリバー様ったら、みんなの前であんな質問をするからドキッとしちゃった…)


イベントが終わった後、片付けをしながら先ほどの会話を思い出す


(でも…あの人と一緒にクリスマスを過ごせたら素敵だな…)


頭の中で想像を膨らませていると、後ろからポンと肩を叩かれる


りょう「あ…!」


振り返るとそこには、思い浮かべていた彼が立っていた


その人とは…



A:ヘンリー王子
B:クオン王子
C:ジーク王子
D:オリバー王子
E:イヴァン王子
F:アスラン王子




~各ルートへ~