さて、前回の投稿から丸一年が経ってしまいました。

 

世の中の情勢も昨年からあまり変化なく、仕事も引き続き在宅での対応が大半を占めていることもあり、以前はあんなに頻繁に巡っていたカードショップからも随分足が遠のいている状況です。

って前回も同じようなことを書いた気がしますね。

 

最近は家にいる時間が多いからか、興味がカードからお酒に移ってきたり…

特に元々好きだったウイスキーに更にどハマりし、近所の酒屋を巡る日々。

近頃のウイスキーブームもあり、人気や希少性の高いものを探し出会う時の感覚は、どこかレアカードを探す感覚に近いものを感じます。

 

とはいえカードへの興味が全く無くなったわけではなく、遊戯王や旧裏ポケモンカード以外にも、過去の中途半端になっていた古のカードシリーズのフルコンプに向けて再収集を開始したりと、何だかんだでコレクションが前進しています。

とまあ、最近の私自身の話は置いといて…

 

この記事自体は前回の投稿からあまり間を開けずに書き始めたのですが、ネタの肝となる部分の情報を探すのに随分時間が掛かり、しかも結局その情報は見つからず…

なら前回の続きということで、またこの日に合わせて投稿しようかと。

 

今日でちょうど23年前になるあの時の想い出と記憶の全てを、この記事で補完することを目的に書き上げました。

思い入れが強い分、前回よりもかな~り長文になりましたが、もし興味がある方がいらっしゃれば、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

前置きが長くなりましたが、以下、前回の続きです。

 

 

東京ドーム大会から数ヶ月、再試合の案内がコナミから送られてきました。

 

再試合は元々参加していた決闘者12,000人が一堂に会して行うのではなく、都道府県別で集まる地区大会として実施されました。

その中で各地区大会の参加者数に応じて入賞者(=千年原人獲得)、代表者(=千年原人とエビルナイトドラゴンを獲得&決勝大会参加権獲得)を数名選出するというもの。

 

再試合参加に向けてまず考えたのは一緒に参加する友人。

東京ドーム大会で一緒に参加したA君はすでにDM2に飽きており、元々遊戯王という共通の話題だけで仲が良かった間柄だったので却下(笑)

そもそも今思うとDM2発売当初はクラスの男子ほとんどが買ってプレイしていたほどブームが凄かったですが、1ヶ月もしないうちに飽きてしまう人が大半でした。

まあ、ゲーム性も単調ですし、全クリもすぐ出来てしまいますし、何より当時通信ケーブルを持っている人が少なくて対人戦で遊べる環境が稀でしたからね。

 

そこで一緒に参加する決闘者に白羽の矢が立ったのが、小学生から仲の良かった近所のB君。

B君とは家が近いこともあって当時良く遊んでいたり、DM発売前からお互い遊戯王が好きという共通点もあった友人でした。

本当は東京ドーム大会もB君と参加するつもりでしたが、開催が平日ということもあり親御さんの同伴ができず泣く泣く不参加となった経緯がありました。

そんな理由で、A君には再試合の連絡が来たことすら伝えずにB君を誘い、代表者目指して大会まで色々と試行錯誤することに。

 

次に考えたのは東京ドーム大会参加時の反省点。

東京ドーム大会では惜しいことなど何もなく、平凡に1回戦敗退を喫してしまいました。

ではそもそも何がいけなかったのか。

 

子供なりに考えた結果、敗因は2つ。

「対人戦の経験不足」

「根本的にデッキの組み方が間違っている」

 

前者ですが、先述したように日常で対人戦を行うこと自体が結構ハードルが高い行為であり、おもちゃ屋さんでのイベント等に参加でもしない限りは中々満足に対人戦を行う機会がありませんでした。

当時の私はそんなイベントに参加するほどアクティブでもなかったので、たまに学校にいる少し熱心にプレイしている友人と機会が合えば数戦だけ、くらいしか対人戦の経験が無い程度。

当たり前ですがCPU戦と対人戦では雲泥の差があり、相手も人である以上常に相手が嫌がるプレイングをお互いが繰り返す、という至極当然な意識が抜けていたのだと思います。

 

そして後者。

これは前者にも繋がる話ですが、予選で利用できるデッキのコスト(デッキキャパシティというものですね)が500という最少の中で構成しないといけないため、それに合わせデッキの構成もコストが少ないモンスターカードを選ぶのが前提だと思い込んでいました。

当時はジャンプの遊戯王コーナーなどでデッキキャパシティ500の構成サンプル等が載っており、それを参考に組んでいたのを覚えています。

その中でよくフィーチャーされていたのがドラゴンゾンビ。

攻撃力1600、防御力0のためコストが低いカードの中でも攻撃力が抜群に高く、こういったカードを主軸に融合を展開し上級カードを場に揃える、というのが王道の戦法だと雑誌の情報を鵜呑みにしていました。

(DM2のシステムや大会のルール等の詳細は後述します。)

 

で、ドーム大会に参加した時の感想ですが…

 

無理!!!

想定通りの流れになるわけがない!!

 

そもそも融合素材が都合よく揃って引けるわけないし、素材の片方をフィールドに出したところで融合する前にすぐ倒されてしまう…

ここがまさに対人経験の差だったのだと思います。

 

そして、東京ドームでの私の最終戦、デッキのコストが500という最少制限の中、ブルーアイズというデッキコストと割に合わない高コストのモンスターカードを出してきた対戦相手…

これが本当にずっと自分の中で引っかかってました。

 

そもそもブルーアイズは融合召喚できないし、無理矢理切り札として入れていたのだろうか…

だとすると、他にまともなモンスターカードをデッキに入れられないアンバランスな構成になってしまうし…

 

そんなモヤモヤをB君と話している中で、あることに気がつきました。

 

「あれ?てかこれってとりあえず強いモンスターカード数枚をコスト制限ギリギリまで入れて、あとは魔法罠カードとかのコスト0に近いやつを入れまくって帳尻合わせした方が強いんじゃね?」

 

ここへ自力の閃きで辿り着いた時、自分の中で大きな衝撃が走りました。

この閃きこそが、後の試合結果に繋がった大きな分岐点です。

そしてこの閃きのきっかけをくれた対戦相手にドーム最終戦で当たれたことが、本当に奇跡だったと思います。

 

DM2の仕様を一部簡単に説明すると、魔法及び罠カードは1ターン中に何枚でも使用できる、さらに手札が何枚でターン終了しても次のターンで5枚必ず補充される、というものがあります。

これを利用して、そもそも融合なんて不確定要素に頼らず、デッキの中の数少ないモンスターカードを早い段階で引いて圧殺する、モンスターカードが1枚も引けない場合は引けるまで罠カードで耐える、の戦法が最も単純で最も強力なんじゃないか、と。

 

早速B君とそれらしいデッキを作ってシミュレーションすることに。

その中でデーモンの召喚と、特に地雷蜘蛛が攻撃力の割にコストパフォーマンスが良く、それぞれ3枚投入し、あとは残ったコストでブルーアイズレベルのモンスターカードを数枚入れ、残りを魔法罠カードで調整し、大会用のデッキが完成しました。

 

 

再試合当日。

 

会場は地元から車で小一時間の場所にあるホテル。

そこに向かう際に、B君に「今日はお前はオレの弟(の設定)だからな」なんて言いながら最終調整の対戦をしていたのを今でも覚えています。

 

会場に着くと通されたのは、よく表彰式等で使われそうな、そこまで広くないイベントホール。

下にはふかふかの絨毯が一面に敷いてある場所でした。

 

再試合の連絡時に案内されていた通り、会場での物販は一切なく、会場を盛り上げるイベンターもおらず、コナミ社員と思われる審判が数名と地区予選参加者のみ。

開始時間になったら審判が淡々とルール説明を始め、すぐに試合開始の流れに。

東京ドームで感じたお祭り感のようなものは皆無で、ただただ入賞者と地区代表者を決めるための場という感じでした。

 

そんなわけで早速試合開始。

一次予選は東京ドームの時と同様、試合時間1時間。

受付時に大会用スターチップが3枚配布され、これを1試合につき最大2枚賭け、試合終了後にスターチップの所持数が多い順から特定の人数まで勝ち抜け。

ここでいう特定の人数は、東京ドームの時と同様に明確にはされていなかったので、勝ち抜けボーダー不明のまま試合に臨まなければいけませんでした。

 

試合開始と同時に緊張感も最高潮でしたが、とにかく思い切って行動しないと。

ということで事前に考えていた2つの作戦に沿って動くことに。

 

まず1つは、

「なるべく年下の小学生を狙う」

 

まあセコい。セコいけどそんなこと言ってられない。

小学生を狙う理由としては、そもそも自分と似たようなデッキ構成の人と当たりたくない、ということ。

オーソドックスなデッキ構成が相手なら負ける可能性は低いと思っていたし、お子ちゃまなら自分が辿り着いた勝ち筋のロジックに気づいてない可能性が高いと踏んでました。

何度も書くようですが我ながらセコい(笑)

 

そして2つ目は、

「スターチップは必ず毎回上限の2個賭ける」

 

中々にリスクを伴う戦法ですが、東京ドームでの経験上、制限時間の都合で2個ずつスターチップを増やしていかないと、例え全勝したとしてもそもそもボーダーに入らない可能性があるためです。

 

さらにこのデッキのメリットですが、勝とうが負けようが「試合内容は0か100か」みたいな極端な流れになるため、数ターンで決着がつき、制限時間内の対戦回数自体も増やすことができ、仮に2枚賭けで負けたとしてもリカバーのチャンスがある、ということに試合中に気付きました。

(実際にカードの引きが悪く、1体もモンスターを召喚できないまま負けてしまった試合がありましたが、あまり焦ることもなく直後の試合でリカバーできてました。)

 

その後負けることもあまりなくスターチップの数を着々と増やし、試合時間終了。

獲得したスターチップの数は忘れましたが、余裕を持って一次予選を勝ち抜けた記憶があります。

 

が、ここで大きな勘違いをしていたことが発覚。

地区大会では一次予選と最終予選があり、一次予選を勝ち抜ければ千年原人を獲得できると思い込んでました。

ですが実際は、一次予選勝ち抜け者で最終予選を行い、その中での上位数名が代表者・入賞者になるという流れでした。

(当時コナミから送られてきた資料を今見返すと、ちゃんとその旨が書いてありました(笑))

 

一次予選の勝ち抜けが決定し、ものすごく喜んだ次の瞬間には落胆するという悲劇…

と、そんなことも言ってられないので、とにかく最終予選を勝ち抜くためにデッキを組み直すことに。

 

最終予選はデッキキャパシティ700。

この追加されたコスト200でどのカードをデッキに組み込むか。

 

選択肢は2つありました。

・強力な除去魔法1枚追加+強力なモンスターカードを1枚追加

・強力なモンスターカードを3~4枚追加

 

強力な除去魔法は、DM2ではサンダーボルトがコスト255(最大)、ブラックホールやウイルスカード(死のデッキ破壊ウイルスがゲーム上ではこの名前でした)、タイプ別除去魔法がコスト150でした。

 

そもそもデッキのモンスター数が少ないので、手札に引いてこれる確率を少しでも上げるためにモンスターを複数投入するか…

それともピンチの際に場をリセットさせるコスト150の切り札を投入するか…

 

勝ち抜けた決闘者の顔色と雰囲気をよ~く伺いながら(笑)後者を選択しました。

結局勝ち抜けた決闘者は同じようなデッキ構成になるだろうなと踏んだからです。

 

デッキ組み換えの時間も終わり最終予選開始。

最終予選の試合時間は30分。

とにかく時間がないので、他の決闘者とスターチップの差をつけるためには一次予選同様2枚賭けして試合数をこなすしかない。

 

試合が始まってすぐ感じましたが、予想通り似たようなデッキ構成の決闘者ばかり。

一次予選のようには行かず、思ったより勝率も伸ばせないことに終始焦っていました。

実際に、スターチップ1枚賭けを望む相手はオーソドックスなデッキ構成、2枚賭けで挑んでくれる相手は私と同じようなデッキ構成の確率が高いと感じ、途中で1枚賭けを望む相手に絞って対戦を受ける作戦に変えようと思いましたが、結局最終的にスターチップ所持数が多い順に入賞することを考えると、リスクを背負って2枚賭けの相手と戦うしかないという結論に。

デッキ構成の方向性が合っていることが大前提、最終的には引きの強さに任せるしかない。

 

そんな中で最終予選用に投入したウイルスカードが活躍する機会が結構ありました。

あの時後者を選んで本当によかった。

 

結果、最終的なスターチップの所持枚数は9枚。

地区代表者にはなれませんでしたが、入賞者になることができました。

(ちなみにこの時のスターチップは今でも大事に持っています。本当は会場退場時に返却しなくてはいけなかったのですが、しれっと持って帰りました(笑))

 

そして一緒に参加したB君も無事入賞。

まさかのスターチップ所持枚数は10枚で、私より良い成績でした(笑)

 

余談ですが、この記事を書くにあたり当時の再試合案内の資料をとあるコレクター様からいただいたのですが、地区予選の案内は都道府県ごとに行われるためそれぞれ案内の内容が異なります。

が、まさかのいただいた資料がまさに私が参加した県のもので、会場近辺の地図にはもうすっかり昔に無くなった建物やお店が記載してあり、なんともエモい感覚になりました(笑)

 

で、その案内に書いてあった、私が参加した地区予選の代表者は2名、入賞者は9名。

晴れてこの9名の中に私とB君が入り、千年原人を獲得できました。

 

と千年原人が自力入手できたことに喜ぶところですが、当時の私は地区代表者になれなかった悔しさの方がとにかく大きかった。

 

大会終了後、B君の親御さんが迎えにきたため、別々に帰ることに。

親が運転する帰りの車の中で、もう少しのところでエビルナイトドラゴンが貰えなかったことに悔しすぎて泣いたこと、そしてその時の外の景色を今でもはっきりと覚えています。

中学生にもなって恥ずかしい話ですが(笑)

 

 

さて。

かなり長くなりましたが、私が体験したDM2大会の想い出は以上となります。

今回も記憶をそのまま書いたので、余計な脚色は無いかと思いますが、記憶違いがもしあったらごめんなさい。

 

後日談として、大会の翌日、B君との大反省会が行われました(笑)

そこで気づいた最強デッキの構築の話も書こうと思いましたが、この記事が既にあまりにも長くなってしまっているので、大会考察記事として近々別で投稿しようと思います。

 

 

数週間後、入賞商品の千年原人が郵送で送られてきました。

この時、カードが白封筒に入っていたか、等は全く覚えていません。

入っていたとしても現在所持していないので、捨てちゃったのかな…

 

その日のうちにB君に渡しに行って、改めて2人で喜びを噛み締めながら鑑賞会をし、このカードを持っていることはお互い絶対に秘密にしようということになりました。

(当時のカードを取り巻く治安を考えると当然のことでした(笑))

 

そして中学卒業時、遊戯王のコレクションを卒業することにしたB君。

それまで集めていたカードを1000円で買い取ってくれないかと提案され、快諾。

その中には千年原人もありました。

 

ということで、私の手元にやってきた千年原人、もとい千円原人。

今も仲良く2人の原人が私の元にいます。

 

 

最後になりますが、物凄い長文をここまで読んでくださった方がいらっしゃれば、本当に嬉しいです。

心からありがとうございます。

 

上にも少し書いた通り、大会考察の記事は別で書き始めているので、次回更新がまた1年後とならないように、なるべく早めに投稿したいと思います(笑)

 

 

それでは。