いでんしだんす その2 | 水星文様

いでんしだんす その2

(※その1の続きです。
 ネタばれ含みますので
 これから本を読む方、映画を観る方はご了承くださいませ★)



最初はとにかく重い (笑)
産婦人科医療をとりまく現状だとか
人はどのようにして生まれるのかっていう
細胞レベルの発生学の話だとか
行政による大学病院の改革と
地域医療の破綻だとか
出産・堕胎・異常児とか・・・

なんかもうとにかく
重い (笑)

早く話を進めたいのに
こんなにたった一枚のページをめくるのが
重く感じる本も珍しいなあと思ったくらい。



それでもなんとか峠を越えて
前半に随所にちりばめられていた
ミステリーのかけらたちが
そろりそろりと形を表し始めたら

今度は怒濤の展開でした (笑)


これでもかこれでもかと
展開が二転三転して
専門的な話になってくると
何度も同じところを読まないと理解できなかったり
イメージが湧いてこなかったりで

今度は読み進めたいのに
もどかしい感じ (笑)


前も感じたのだけれど海堂さんのお話は
やっぱりどこか作り込みすぎている感を
わたしは感じてしまいます。

そんなことって起きるの?? みたいなさ
起きないとは言わないけど
まれだろうよ・・・
やっぱりフィクションだね っていう感じ。


それでも
最後にはやられたなー って思う (笑)


この本でわたしがいちばん
やられた!って思ったのは
全体の4分の3あたり
ユミちゃんと茉莉亜先生のふたりのところ。
ああいうのに弱いんだよなあ・・・(笑)
海堂さんのこと、作り込み過ぎとか言えないくらい
わかりやすいところでやられてしまう (笑)


映画の宣伝は何度も観ていたので
主人公の曾根崎理恵は菅野美穂ちゃんにしか思えなくて
最初のほうはイメージの構築に困難を感じたけど
物語に入ってしまえばこっちのもの。
わたしなりの菅野ちゃんが演じる理恵が
イメージできました。


読み終わったあとに
映画は一体どんなつくりになっているだろうかと
公式HPに行ってみたら

監督さん・・・
NANAをつくった人なのね・・・(笑)
わたしは原作のNANAが好きなので
どうしても映画のほうは内容スカスカに感じてしまって
がっかりしたから

うーん (笑)
どうなんだろうなあ・・・。
理恵の冷淡だけど秘めたる情熱を抱えているところとか
用意周到に理想を追い求めるところとか
慎重なくせして大胆かつ強引にものごとを進めちゃうところとか

どんだけ描けているのかなって思ってしまいました (笑)
清川と理恵の関係だってそうだよね。
どんなふうに脚色・演出しているんだろう。