新型コロナの支援策 3月末ですべて終了へ
“最大9000円で処方の治療薬 4月から高額自己負担に”
新型コロナウイルスの患者などへの支援策のうちコロナ治療薬については、これまで自己負担額は最大9000円で処方されていましたが、厚生労働省はこれまで治療薬の公費負担など一部で継続していた支援策を今月末(3月)で終了されました。
それに先んじて、それまで、投与するにあたって必要だった患者さんからの同意書取得は不要となり、通常の薬剤として処方可能になりました。
また、自己負担金について、最大9000円(3割負担の場合)でしたが、4月からは通常の負担金に変更となりました。
たとえば、治療薬の「ゾコーバ」が5日間処方された場合、薬の価格がおよそ5万2000円!のため、医療費の窓口負担が3割の人は、およそ1万5500円を自己負担することになります。
「ゾコーバ」 約5万2千円
1割負担 5200円
2割負担 10400円
3割負担 15600円
「ラブゲリオ」 約9万4千円
1割負担 9400円
2割負担 18800円
3割負担 28200円
「パキロビット」(腎機能が正常の場合) 約9万9千円
1割負担 9900円
かたや、適応外承認されたストロメクトールの場合は、
大村智先生が2021.5.7日本感染症学会の講演で引用された方法
- 早期には0.2~0.4mg/kg1日1回5日間、
- 遅れた時は0.4~0.6mg/kg1日1回5日間、
- 予防内服では0.2mg/kg週1回
とのことですので、
60Kgの人だと12㎎~36㎎/日を5日間ということになります。
イベルメクチン3㎎錠 615.9円 (3mg1錠)
ですので、4~12錠×5日=12308~36954円
となり、
1割負担 1230円~ 3695円
2割負担 2616円~ 7390円
3割負担 3924円~11086円
となります。
厚労省の適応外処方認可の通達もありながらも、最もRCTでの有効性報告が厚く、全世界での使用経験が長く安全性の高いストロメクトールが日本の病院で使用されることはほとんどなく、ゾコーバ、ラゲブリオ等の新規開発薬が、通達のあったプロトコールに沿いほぼルーチンでバンバン使われました。
患者負担は最大9000円で、毎回、残りの4万円以上は、これまた患者さん、患者さん家族を含めた私たち国民の税金から補助されました。それが3月いっぱいまで行われていました。
薬と効果という点でもこれだけの研究報告と実績のある薬剤は珍しいですが、この時期、イベルメクチンは新型コロナ感染症に無効であるとの研究報告が相次ぎました。それでも、それ以前の多数の報告が既に存在しており、メタ解析をするとその有効性は劣らず、また安全性においても、臨床実績においても、新規開発薬よりはるかに優れていることがわかります。
日本では2020年5月18日に通達した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き第2版」から、イベルメクチンをCOVID-19治療に使用することを認めています。世界でも、日本はイベルメクチンの使用国に区分けされています。
「日本では以前から皮膚病の 疥癬かいせん などに、『ストロメクトール』という商品名でイベルメクチンが適応薬として承認されており、改定手引きでは、『適応外』として新型コロナの治療にも承認する通達を出しています(適応外とは、医師と患者の判断で使用してもいいということです)。
通達を出したころまでに、世界では27か国、36件の臨床試験が行われており、イベルメクチンが予防・治療に効果が出ていると報告されていました。だから厚生労働省も適応外を認めたのでした。