|
ジェームズ 16日に死んだロシアの反プーチン派の運動家アレクセイ・ナワリヌイの死について語らなければいけません。 |
|
――たぶん殺されたんですよね? |
|
ジェームズ もちろんです。すでに欧米では英雄扱いで、早速バイデンが夫人のユリア・ナワルナヤに会って今後も支援も続けると言っています。しかし、これはナワリヌイを誤解しています。 |
|
――誤解? ということはナワリヌイは反プーチン派ではないということですか? |
|
ジェームズ そうです。ナワリヌイは正真正銘の反体制家ではありません。実際、私の知り合いのクレムリンの役人は以前、彼についてこう言っていました。「ナワリヌイはありがたい野党キラーだ」と。その役人はFSBの人間でしたから、FSBからすると超優秀な反体制派狩りのエージェントだったんです。 |
|
――つまり、クレムリンはナワリヌイという人間をゴキブリホイホイ的に上手に使っていたってことですか? |
|
ジェームズ その通りです。まさにクレムリンにとって反体制派はゴキブリです(苦笑)。ナワリヌイの周りに寄ってくる人たちを抹殺していたのです。 |
|
――ナワリヌイはそれに気づかなかったんですかね? |
|
ジェームズ もちろん、気づいていました。というか、気づかないはずがないじゃないですか。彼はわかって、その役割をやっていたのです。 |
|
――んっ! ということは、ナワリヌイは体制側、プーチン派だったってことですか!? |
|
ジェームズ そうです。FSBからそういう任務を与えられてフェイクな反対運動をずっとやってきた、いわゆる「コントロールされた反対勢力」です。でなければ、なぜ、反プーチン派として20年以上も生きていられたのですか? 絶対に不可能です。 |
|
そもそもプーチンが大統領になったばかりの約20年前、反プーチン派はたくさんいたのです。有名なのがアンナ・ポリトコフスカヤという女性のジャーナリストで、彼女はチェチェン紛争の裏側やプーチンとロシアン・マフィア(ユダヤ・マフィア)との黒い関係を暴露していました。これはプーチンにとって致命傷になりかねないもので、彼女は自宅アパートのエレベーター内で散弾銃で撃たれて殺されています。この散弾銃で蜂の巣のように撃ち抜く暗殺法はチェチェン・マフィアの特有のやり方です。チェチェン・マフィアはFSBやGRUと協力関係にあり、「プーチンの命令」で殺されたのはほぼ間違いありません。これが本当の反体制家です。そもそもプーチン・ロシアではリアルな反体制家はだいたい死んでいます。死ぬか、亡命しています。 |
|
一方、ナワリヌイがやっていたのは非暴力による改革で、デモをやったり、欧米が好むようなレトリックを使ってのロシア民主化です。あとはロシアの国営企業の汚職を暴露したりですが、ロシア国営企業の汚職の暴露は結局プーチンを利する結果になってしまっています。第一、国営企業の汚職の情報はどこから得たのでしょうか? ナワリヌイがやっているのはロシア人の経済的不満のガス抜きレベルです。 |
|
――プーチンにとってみればデモなんかやりたければやればいい、ってところなんでしょうね。 |
|
ジェームズ 市民が2万人3万人集まったところで何も変わりません。しかも、ナワリヌイは個人資産を約10億円ほど持っています。(続く) |
|
|
|
*** |
無料版はここまでです。ぜひ有料版をご覧ください。 |
登録する |
|
|
過去記事は以下のURLからご覧ください。 |
|
|