黄金の簒奪者たち：その77

　日本の借金は国債や借入金、政府短期証券などを合計して、2024年12月末時点で1317兆6365億円としているが、地方の借金も合わせると2500兆円以上ある。だが、借金も国の財産であり、貸主は日本人であるため、そもそも“借金”という表現自体が財務省による嘘なのである。そして、国民を「日本は借金だらけです」と言って脅すのだが、国を会社として考えれば、表向きには「この会社は破産状態です」と社員には言っておきながら、実態は経営者たちが裏金を溜め込んでいるための見せかけの借金ということになる。

　しかし、なぜそんなインチキが罷り通っているのかといえば、「表の会計」と「裏の会計」というインチキな国家経営手法があるからだ。それこそが萩藩（長州）が作り出した「特別会計」と呼ぶ二重帳簿システムである。日本以外の国は全て一般会計のみだが、日本だけが一般会計以外に特別会計という名の二重帳簿システムが存在するのである。しかも、国民の代表である議員が国会で審議する一般会計は100兆円だが、国民の代表でもない官僚が国会の議論を経ずに自由に使える特別会計は400兆円。我々が収めた税金や社会保険料の80%は、官僚が自分たちのために使い、残りの20%しか民のために使っていないのである。

　「特別会計は撫育資金そのもの」ということが分かると、なんで特別会計が一般会計と別なのか、常に一般会計よりも潤沢な資金で溢れているのかも理解できる。すべては「民よりも藩」＝「国民よりも政府」を優先しているためで、この「特別会計の闇」に触ろうとすると、ある日突然病死したり、飛び降り自殺をしたり、殺されたりする。良くても薬を盛られ突然「がん」になったり、性犯罪者として社会的に抹殺されるする。もちろんやっているのは財務省と極東CIA本部で、闇を暴こうとするメディアも叩き潰される。そのやり方は「国税庁による強制捜査」、もしくは「メインバンクからの圧力」という形だ。

　筆者の知り合いにも国税庁の人間がいる。まだ30代だ。当然「マルサ」として内偵調査を進め、完全に「クロ」と認定した時点で強制捜査に入る。詳しくは書けないが、強制捜査が入られた人間は、パソコン、携帯、みんな持っていかれてしまって、返却される場合でも1年くらいはかかるらしい。強制捜査は一網打尽にするため、関係先全て同時に捜査が入る。出勤前の自宅に朝8:00にやってくる。会社、関係先は会社が開始した時刻にやってくる。会社の人間たちも業務はできなくなり、徹底的に紙からデータまで、根こそぎ資料を調べまくる。これを表沙汰にされてやられたら、もう「犯罪者」の烙印を押されたに等しい。

　こういう国税庁の捜査が入る場合、脱税の規模は”億”の単位である。それ以下は、所轄の税務署となる。筆者の友人の父親で歯医者をやっていた人がいるのだが、その方は国税庁の査察にストップをかけてもらった。要は億単位の脱税をしていたということだが、この方は運が良かった。同じクラスの友人の父親が、当時の大蔵省主計局の局長だったからだ。いくら積んだのかは訊かなかったが、かなりの金額のお礼をしたに違いない。なにせ日本の国家予算を決める大蔵省主計局の局長だ。数百万というわけにはいかなかっただろうと想像する。この両者とは今も仲良しだだ（笑）。

　国家の意向に逆らうと、テレビ番組ならMC交代、プロデューサーは左遷か自殺、番組終了というケースもある。雑誌でいえば突然の廃刊、もしくは広告が入らなくなって終了！という形になる。とにかくあの手この手で脅してくるのだ。過去のテレビ番組で、物言うキャスターやMCが降板させられたり、みのもんたのように、誰がセクハラされか分からないのに「セクハラで降板」というヤラセの場合もある。また、危険な発言をするタレントたちも、大概がセクハラ案件が露呈して退場！となるが、それをずっと繰り返してきたため、もはや財務省に逆らうメディアは存在しない。

◆財務と司法を掌握する長州閥

　特別会計の闇を暴こうとする者を抹殺し、財務省（大蔵省）に逆らう者を全て封じ込める。これを誰が作ったのかといえば、明治維新以来の長州閥である。日本の茶番は彼らが作ったのであり、それは「お金」の問題だけではない。長州閥だけが支配する日本という国家を作り上げたのである。明治の元勲たちによって作られた制度や思想は、現在も行き続け、場合によっては知らず知らずのうちに我々は縛られているのである。財務とともに彼らが支配したものは「司法」である。裁判官というのは基本的に長州閥（及びそれに与する在日）しかなれない。

　「裁判」という言葉は、もともと萩藩の行政区分である「宰判」(さいばん)が語源になっているからだ。萩藩の所領地を18に区分して管轄したものが「宰判」で、熊毛宰判、三田尻宰判などと呼ばれていたのである。本来は単なる地方の藩の行政区分であり、行政官の呼び名であったものが、現在は、法律を司る裁判所の名に転じていることに長州閥の影響力の大きさを感じざるを得ないし、「国策裁判」に勝てない理由もここにあるのだ!!

宰判の区分と「宰判本控」

　明治新政府の「司法大輔」(しほうのたいふ)には元萩藩志士で松下村塾出身の山田顕義(やまだあきよし)が任命されており、内閣制度が発足したばかりの第一次伊藤博文内閣で初代司法大臣となっている。また、現在の最高裁の前身である大審院の初代、二代、四代の院長はこれまた萩藩出身の玉乃世履(たまのよふみ)が就任している。そして、裁判所と裁判官というのは長州閥が支配してきたのであり、明治に作られた官僚制度、政治制度は、現在においても大きな影響力を持っているのだ。

　一方、警察組織といえば、これはずっと薩摩閥である。初代の大警視（現在の警視総監）川路利良(かわじとしよし)から22代目の安楽兼通まで薩摩藩がほぼ独占状態であり、薩摩以外の7代目、11代目、16代目、18代目にしても土佐か肥前、肥後で、薩長土肥の長を抜いた人々が、この国の警察権力を握ってきたもである。しかし、警察よりも司法の方が上にあることに、長州閥による国家支配体制を垣間見ることができる。そのためか、たびたび警察と司法が争うことが起きるが、要は薩長土肥の中の権力争いなのである。

　今ではあまり使われなくなったが、昔は若者言葉というか俗称で、警察官のことを「マッポ」と呼んでいた時期があった。警察官の俗称には「さつ」「ポリ」「ポリ公」があるが、警察の「さつ」やポリスの「ポリ」だと分かるが。「マッポ」はどこからきた言葉なのかといえば、これは江戸っ子は薩摩人だらけの警察をバカにした呼び方なのである。中央政権も警官も明治維新の中心となった薩摩藩出身者は多かったが、東京に邏卒（らそつ：現在の巡査）が3000人配置されることになったのだが、なんと薩摩藩士が3人に2人だったのである!! このことから民衆が警官に対して「さつまっぽう」と呼ぶようになり、これが略されて「まっぽう」、更に縮んで「まっぽ」となった。

川路利良と警察組織

　われわれは、未だに明治政府の影響下で暮らしているのである。だからこそ、NHKの番組や御用学者の言説というのは、全て長州閥による言説だと思わないとダメだ。「もしも維新の時に内戦が勃発していたら、外国勢の植民地になっていた」「もしも第二次長州征伐で幕府が負けていなかったら、維新は50年遅れていた」などといった与太話が未だにまかり通っているのは、「勝てば官軍」ということなのであり、勝った官軍たちによりメディアコントロールが今なおしっかりと効いているということだ。

　なんでこんな状況になっているのかと言えば、日本ではまともな歴史教育、特に近代史をスルーすることが原因である。小学校から高校に至るまで、我々が近代史に触れる時、それはどんなメディアを媒介にしているのか。答えは小説とテレビである。恐ろしいことに、現代の日本人は司馬遼太郎の小説やNHKの大河ドラマ、朝ドラを通じて近代史を学ばさせられているのである。特に最近の朝ドラは酷い。2024年度前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』では、「朝鮮半島からの留学生が直面した困難な状況が描かれ、戦時下の日本の「加害」の歴史に光が当てられました」などと言っている。

　なにせこのドラマ、原作は存在せしない。日本で初めて女性として弁護士、判事、裁判所長それぞれを務めた三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリーのフィクションであるが、そこにも「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人や社会主義者が暴動を起こした」「放火したのは朝鮮人だ」などといったデマが流れた話が出てくる。「朝からなんで？」と思った視聴者も多かったが、同じ在日支配の中でも争いがあるということだ。

　メディアやX上では、在日韓国人による在日の小池百合子叩きが盛んだ。朝日新聞は社説で「東京都の小池百合子知事は、関東大震災の直後に虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する9月1日の式典に、追悼文を送らない考えだ。1974年に追悼式典が始まって以来、歴代知事は送ってきた。だが小池氏は知事就任年に送ったものの翌年取りやめた。見送りは9年連続となる」とした上で、「自治体の長として誓いを新たにすべき時に、目を背ける姿勢は全く納得できない」と叩いている。要は「なんでお前は同胞なのに、仲間の追悼をしないんだ」と怒っているのだが、その裏には巨大な利権装置である「東京都」の予算が絡んでいる。

　なにせ東京都は韓国より予算を持っている”国”なのだ。1000万人以上の都民に、1人当たり毎月10万円を交付してたとして、2年間ずっと交付してもまだまだカネは残っているのだという。1000万人で計算しても、2年間で24兆円である。それでもまだまだ潤沢な予算が残されているにも関わらず、様々な税金で都民からカネをむしりとる。そして、そのカネに卑しい日本人も在日韓国人も群がるのである。だからそのカネを差配できる都知事はやめられない美味しい商売なのである。

　だから朝からNHKの朝ドラを見て、それがいかにも史実だと勘違いするのは、何も考えない暇人であり、それは大河ドラマで描かれる人物像を史実のように思い込むことも同様で、幕末が舞台となった大河ドラマはこれまで14作あり、そのうち10作に坂本龍馬が登場している。ドラマを見ると坂本龍馬が輝いて見え、船中八策や薩長同盟が素晴らしいものだと思ってしまう。そして、主人公に感情移入し、それが歴史だと思い込む。まるで、歴史映画やドラマの内容がそのまま教科書に反映されてしまう韓国のような状態に陥っているが、実はそれこそが狙いなのである。

　その証拠こそが「長州藩」という言葉だ。本連載でも指摘してきたが、「長州藩」という名の藩が日本の歴史に存在したことはない。正しくは「萩藩」であり、長州という呼び方は薩摩の薩州、広島の芸州と同じで、長門、周防のあたりの律令制区分で呼んだ時の名残りなのである。明治天皇の外祖父中山忠能の『中山忠能日記』でも薩摩を薩州、土佐を土州、萩藩のことを長州と書いている。だからこそ萩藩の人間たちのことを「長州人」と呼び、自分たちの藩のことを通称「長藩」と呼んでいた。だが、誰も「長州藩」とは言っていないのである。

　なにせ高杉晋作や勝海舟の日記でも「長州藩」なる表現は出てこない。公式文書はあくまでも「萩藩」である、普段は「長藩」とするのが正しいのである。それでもNHKを筆頭に歴史番組では全て「長州藩」と呼び、歴史学者までもが「長州藩」などというタイトルの本を出版しているのだ。嘘もいい加減にしろである。「たかが呼び方じゃないか」などと思う輩も多いが、「正式名称が変わってしまっている」ということこそが重大な問題なのである。それは”歴史の改竄”だからだ。つまり、彼らは「歴史を曲げることができる」という証なのである。

　しかも、ほとんどの日本人がこの事実に気づいておらず、改竄されたものの方が正しいとすら思い込んでいるのだ。これこそが「洗脳」というものなのであり、わずか150年前の近代史すら捻じ曲げる力が「明治維新」というものの本質なのである。

＜つづく＞