「努力を積み重ねれば、平凡は非凡に変わる」 稲盛和夫

JALの再生以降、稲盛さん関連の書籍が増えている。

書店のビジネスコーナーに行くと、必ず平積みになっていたり、関連書物が何冊も置かれている。なぜ、稲盛和夫という人はこんなに人気があるのだろうかと考えると、それは稲盛さんが説く「利他の心」に他ならない。

「自分の利益になることよりも、他人の利益になることをしなさい」ということだ。
冷静に考えれば、昔から言われる至極まっとうな教えで、特段新しい発想ではない。だが、この25年間で日本のは自分の利益を優先させる社会的な風潮が蔓延している。企業も人もメディアも政治も、はたまた教育の現場までもが、他人のことを考えない「自分さえ良けりゃ」という思想に支配された空気だ。
その空気への反発であり、本来の日本人的な発想に戻ろう、まっとうな会社にしよう、といった日本人の良心が稲盛ワールドを求めるのだ。

自分の周りを見渡すと、音楽や広告、美術の世界には非凡な才能を持つ人間たちがいる。だが、そうした世界でも、ほとんどの人は非凡さを持ち合わせていないし、非凡なんてめったにお目にかかれないものだ。

志を大きくもつことは大切だ。だがそれを実現するには、自分の目標に向かって、一歩づつ努力を積み重ねることが大事だ。要は「努力し続ける習慣」を持てれば、自分を平凡な人間だと思っている人でも、いつか非凡になることができるのだ。

あえて非凡な才能とは言わない。才能は生まれ持っているものだ。たとえ大人になってから会得したものだとしても、その才能自体は生まれた時から備わっていたものだからだ。ただ使わなかっただけだったり、磨くことをしなかっただけなのだ。だからこそ、「磨き続ける」という「努力を積み重ねる」ことができた人が、才能を開花させることができるのだ。

2106年4月20日記述