「先生、私たちはこれから未来を生きていくのに、どうして歴史を勉強しなきゃいけないんですか?」
社会(歴史)の学習が苦手な中学生によく聞かれる質問ですね。
そんな中学生にぜひオススメしたいのが本書。

本書の著者、出口治明氏(立命館アジア大学学長=当時、2024年1月からは学長特命補佐に就任)は、「人類が不測の事態に直面した時、過去の事例を参考にするしかない」を断言します。例えば、本書が刊行されたときはコロナ禍の最中だったわけですが、人類が過去に同じような状態に陥ったのは第一次世界大戦中のスペイン風邪(インフルエンザ)だということです。このときの対応を参考にしながら人類は難題に向かって進んでいくべきだと訴えます。なるほど。

本書は、世界史上の素朴な疑問をQ&Aの形式で解説していきます。一つのクエスチョンに対して2~3ページほどの出口氏の見解が述べられており、その分量が適切で非常に読みやすいものとなっています。歴史が苦手な人でもどんどん読み進められる、秀逸な構成と感じます。
世界史の入門書としても一押しできる一冊です!