医療的ケア児さん??

まだまだ耳慣れない言葉ですね。医療的ケアとは、経管栄養(鼻や胃ろうなど管を通して、食事を直接胃に送り込むこと)、気管切開(呼吸のための器具を喉に取り付けること)などです。

これらを含む何らかの医療的ケアとともに生きる子どもが、医療的ケア児さんです。

 

 

医療的ケア児さんは増えている??

10年前の約2倍で毎年増加傾向、2016年統計では全国で18,272人というデータがあります。

では、京都市に医療的ケア児さんは何人いるのでしょうか?単純に人口比で考えると147万人の京都市には、おおよそ150人の医ケア児さんがいる計算になります。

 

ですが、市役所の担当者に聞いても「分かりません」と言われてしまうのが現状。実は正確な数は現時点では把握できていません。今後は役所と園と医療機関で連携をとって行けたらと考えています。

 

 

 

医療的ケア児さんが増えている背景・・・

その一方で出生数は減少が続いており、2016年、2017年とその数は100万人を割り込んでいます。

生まれる子どもの数は減っている一方、医療的ケア児さんの数は増えている。

つまり、生まれる子どもの数に対しての医療的ケア児さんの割合が増えているということです。

 

この背景には、新生児医療技術の向上が挙げられます。

今までだったら助からなかった命が、助かるようになった、ということです。

ママ友でもあるNICUにいた助産師さんが言っていました、

「妊娠中からの管理もだいぶしっかりしてきたのよ、それに子どもたちの生きる力ってすごいのよ」と。

 

 

2016年に障害者総合支援法が改正され、法律に「医療的ケア児」という文言が

医療的ケア児は、長らくの間光が当たってこなかった新しいカテゴリーの障がいです。

既存の障害児者支援の法制度では医療的ケアを考慮していなかったため、この枠組みに入ることができなかった場合は、国や自治体の支援を受けることができなかったのです。

ですが、あきらめない小さな声やロビイング活動が功を奏しました。

 

2016年の障害者総合支援法に、医療的ケア児という文言が加えられたのです。

ようやく医療的ケア児を支援することが、自治体の努力義務になりました。

これは医ケア児元年と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

ともに育ち、ともに遊ぶインクルーシブ保育が、京都・二条城北ではじまる。

この医ケア児元年から3年後の2019年4月に、にじのうた保育園は産声をあげます。

でも課題は、前が見えないくらい山積み。

看護師さん保育士さんの確保。保育や遊びの研修に情報収集、周知や関連機関との連携、

 

そして・・・私たちみんなの意識も。

 何かあってはどうしようと接してしまう、

 意識しすぎてしまう、

 どうしていいかわからない、

これはちゃんと知らないから、不安だから、こわいからではないでしょうか。

 

 

不安でもこわくても、知ることならできます。

私もHPSの方や看護師さん保育士さんと話をして、

「その子、一人ひとりにとって」という視点を持つ大切さを学びました。

 

 

そして知ることだけではなくぜひ、インクルーシブ保育の空間を体感してほしいと思っています。

きっとバサバサっと目からウロコが落ちてくることでしょう。

可能なら文化祭のように園開放デーのような機会を設けることはできないかなぁと考えています。

そこで、ご家族の方や応援していただける方と、ともに過ごしたいのです。

(もちろん状態観察や感染症などには配慮した上で)

 

 

一番避けたいのは、無関心ではないでしょうか。

知らないから、自分には関係ないからと考えないこと。

このことが一番こわいことだと思います。

ちゃんと知ってもらうキッカケを作るためにも、にじのうた保育園からも小さな声を上げ続けていきます。