池田呉服座 夜の部
今月ゲスト出演のなおと様が主演、
「播磨とお菊」のお外題を見て、ワクワクしました
丞弥座長となおと様、どちらが播磨で、どちらがお菊❓
播磨がなおと様で、丞弥座長がお菊さん❓
イヤ、その反対もあるんじゃない❓
いえ、いえ、まだ静華姫という
お菊さんにピッタシの女優さんもいてるやないの~❓
イヤ、イヤ、天海翼さんという、
女形のキレイ✨可愛いゲストさんも
お菊をやれるし…
なんて思うと、俄然、観たくなって
友人と観て参りました~
その日は運悪く雨で、ひとり観劇だったら、「次でいいか〜」と観劇をあきらめるところ、予約もして友人と約束もしてだったので、気合いが入って
そうなると「播磨とお菊」は
どっちの皿屋敷をやるのかしら❓と
ワクワクしだし、
「どんなお芝居をしてくれるのかな」
「怪談物の方の皿屋敷」
「悲恋物の方の皿屋敷」
「まさか、落語の皿屋敷ではないよね~」
なんて思いながら、雨降りの中
行って来たのであります
「皿屋敷」っていうお芝居は、
色々なパターンがあって、
江戸番町が舞台になる
「番町皿屋敷」と
播州姫路が舞台の
「播州皿屋敷」があるのはご存知ですか❓
ストーリーも少し違っています。
他にも日本各地に皿屋敷の類話があるそうで、落語にも「皿屋敷」があり、こちらの落ちは「お笑い」になっています
怪談物の「番町皿屋敷」は、
腰元のお菊が、旗本の青山播磨家の家宝のお皿を割り、それも播磨の
愛を確かめる為に(自分が大事か、皿が大事か)割ったというので、
愛を疑われたことに対して播磨が
立腹して、お菊を殺めて井戸に投げ捨て、亡霊になったお菊が夜な夜な
お皿を「1枚〜2枚〜」と数えて、播磨が発狂するというお芝居になっています
(怖いよ~
)
今回、なおと様がされたのは、
悲恋物の方でした
なおと様が青山播磨
静華姫がお菊で、
もうこれだけ聞けば、どんなだったか想像がつくのではありませんか❓
まずオープニングのお二人の登場の、
「美しいこと!!」✨✨
美男美女の言葉通り、
お綺麗✨な「播磨とお菊」
もう、私の目がハート🩷になって
ましたわ
並んで立っているそのお姿を、
写真に撮れないのが残念でなりません(どの劇団さんも、お芝居は写真が撮れないのです)
ホントに「播磨とお菊」がお似合いのお二人で、見つめあうお姿を見ているだけで、二人は相思相愛なんだとわかります
播磨はお菊を愛しているので、
播磨のおじさん(丞弥座長)が政権争いの為に持って来た、水野家ご息女の縁談を断ってしまいます。
これに怒ったこのおじさんは相当の
悪(ワル)で、自分が家宝のお皿を割っていたにもかかわらず、知らぬ存ぜぬで、亡き家康公から頂いた大事なお皿を1枚でも割ったらお家断絶、
切腹なので、播磨に「切腹せよ」とせまります。
それを知ったお菊が、皿を割ったのは自分で、「皿が大事か、自分が大事か」播磨の心を試す為に割ったと
言い、手打ちにしてくださいと願い出ます。
播磨を守る為のウソの狂言、
このあたり、泣けますよねぇ~
播磨もウソと分かっていながら、
お菊の言葉を受け入れ、残っている家宝のお皿を刀の先ですべて割ってしまいます。
お皿よりもお菊が大事と、男の純愛を見せたのです
ホントにお皿を割るシーン、迫力があって、ドキドキしました
なおと様と静華姫の演技が、
素晴らしいのです
そして、「自分の心を試した行為が許せない」とお菊を手打ちにするのですが、その時、すでに播磨もこのあとの自分の始末も考えていたように思えました
悪いおじさんが(丞弥座長がワル役に徹していました)、家来を連れて
播磨を召し捕りに来るのですが、
なおと様の槍を使った立ち回りの
美しいこと!!
様式美と言うのでしょうか
槍を振り回す型のキレイ✨な事
突く、刺す、クルクル回す
刃先で切る、
背中から足にかけての姿の華麗さ
それを観ているだけで、ため息が出る美しさ✨でした
それだけで、雨の中来たカイがあり、「観に来て良かったねぇ~♥」
と友人と語り合いました。
天海翼さんはお菊のお兄さん役、
(泣くシーンでは、ホントに涙を流され)
椿千春さんはその奥さん
(魚屋の奥さん役が板についてました)
その他のゲストさんたちも、しっかり脇をかためられて、
怪談物ではなかったけれど、見応えのある悲恋物の
「番町皿屋敷、播磨とお菊」
胸の熱さが残る、よいお芝居でした
―続く―