病院の駐車場に着く頃には、もう日が沈みかけている。

今日は車で、行きも帰りも夫が運転してくれる。

 

とにかく、抗癌剤の成分が手足の末端に回る量を、

可能な限り減らしたい。

ACでは爪の障害予防のため、パクリタキセルでは

しびれ予防のためだ。

 

そのため、足はなるべく上げておく。

助手席のダッシュボードの上にクッションを置いて、

足を乗せて、シートはかなり倒す。

お腹にジーラスタが装着されていて、ビミョーに

シートベルトが引っ掛かりそうな位置で困る、笑。

左腕には抗癌剤開始前から着圧スリーブを装着していたが、

点滴した右腕にも着圧スリーブを着ける。

手には綿混の着圧手袋(キツめのニトリル手袋は点滴中だけ)。

 

前回電車で帰った時と比べれば、ものすごく楽だ。

〇〇〇〇薬局のせいで帰宅が遅れたのもあるけど、

電車だから横になったり足を上げたりできなくて、辛かった。

 

とはいえ、胃腸が活動停止してる感は時間が経つほどに

悪化して、お腹の中に石が詰まっているような感覚だ。

これやっぱり制吐剤のせいだろうな。

またひどい便秘になりそうだなぁ、泣。

 

なるべく早く抗癌剤を排出したいので、水分を積極的に摂る。

飲み物はポカリスエットと緑茶だ。

高速使うとSAまでトイレに行けないので、

途中まで幹線道路で帰る。

トイレに行きたくなったらコンビニに入る。

帰宅まで時間はかかるけど、トイレは我慢しない方が良い。

 

なるべく楽な姿勢でいるようにしたけど、

やはり途中から吐き気は強まってくる。

前回と違って、からえずきは出ないのでマシだ。

 

帰宅後はやはり猛烈に体調が悪い。

私の場合はAC4クールを通じて、点滴後4~5時間の

このタイミングが、1クールの中で一番体調が悪かった。

もう寝よう、あれ飲んで・・・って、

オランザピン、半分に割って掌に載せてみたけど、

やっぱりどうしても飲む気が起きない、笑。

また正体不明になるの怖すぎ。

 

メトクロプラミドだけで乗り切ることにする。

・・・って、先生こっちは追加で出してくれてない!

どうしよう、もうあと2粒しか残ってない。

そうだ、明日、丸山ワクチンを打ちに行けたら、

W先生に出してもらおう。

 

体調が少しはマシになってくれることを願って、

とにかく寝ることにする。吐き気はかなり強いものの、

「食べなきゃいーんでしょ!!」

「寝てりゃいーんでしょ!!」

フテ寝状態、笑。

 

翌朝目覚めると、なぜか滅茶苦茶元気で、

普通にいつも通りの朝食を食べる。

起きていられるので、いつもどおり日経も読めちゃう。

えーなんでなんで?めちゃ元気じゃん、私!

まさかの第2ラウンドで対ddAC戦、制しちゃったわけ?

ddAC恐るるに足らず!ふっふっふ♪

 

かなりウキウキモードで、昼食も普通に食べて、

アプレピタント飲む。

午後は一人でヨユーで丸山ワクチンを打ちに行く。

メトクロプラミドも二週間分ゲットだぜ!

前回の体調の悪さは一体何だったんだ・・・。

初回だから体がびっくりした?

もしくは、オランザピン飲んだせいとしか思えない。

 

夜ジーラスタが終わって、シャワーを浴びてたら、

髪の毛が凄まじい勢いで抜けてくる。

指で梳くと、引っ掛かった髪の毛がほとんど全部

抜けてくる感じだ。

ハゲることに関して大して抵抗がないため、

「ああ、私の髪が・・・泣」みたいな哀惜の念は皆無。

シャワー出てから髪の毛抜けると、掃除するの面倒だから、

今できるだけ取っちゃえ。

シャワーで流しながら、ガンガン手で梳いていく。

がしかし、どれだけ梳いても抜け続ける髪の毛。

浴室の鏡に映る私の髪型は見る見るうちに変化し、

何だかモヒカンみたいになった。

これはこれでイケてるじゃん、パンクロックだぜ!

と開き直って、シャワー終了。

 

「見て見てー。モヒカン状態になったよ♪」

夫に報告すると、一瞬ギョッとした顔をした後、

「輝さんの髪、すごい抜けちゃった・・・」

めっちゃどんより&しょんぼりモードになったかと思うと、

やにわに浴室に入り、排水溝にモズクの養殖場のごとく

溜まった髪の毛を掃除し始める。

・・・何だか、一刻も早く片付けて、見なかったことに

したいかのようだ、笑。

なぜか本人じゃない方が格段にショックを受けていて謎。

 

このままddACを振り切れるかと思いきや、

そんなに甘い相手じゃなかった、笑。