Z乳腺科からの紹介状を手にY病院を訪れたのは2023年9月上旬。

意外と早く初診日が決まり、大病院でもそんなに遅くないな、

と安心していた。当時は。

 

朝一番の受付で問診票を書いて、

渡されたポケベルで診察室への入室指示を待つ。

ポケベルのアラームが鳴ったのは、予約時間の5分過ぎ。

時間もきっちりしてるじゃん、と安心。

時間通りなの、この日だけだったけど。

 

診察室に入ると、30代後半くらいのB医師(女性)。

にこやかでテキパキした雰囲気。

問診票の内容についていくつか確認したあと、

「分かりました。じゃあ触診しますね」

両胸を触診。

「はい。いいですよ。

このあと、今後の検査日程について担当者と相談してください。

今日は血液検査とマンモ撮って帰ってくださいね」

 

あっさり終了。

所要時間1~2分か。

 

問診票に記載した自覚症状について一切言及が無かったので、聞いてみた。

「あの、寝起きにいつも右腕とか右肩だけが痺れるんです。

袖をまくったりして圧迫したときも。それって関係ありますか?」

 

B医師は鼻で笑って、「ないない」という感じで手を振る。

 

右側の腕や肩が痺れる症状は、しこりに気付く前から気になっていた体の変調。

それが細胞診を受けた頃から悪化してきていた。

でも、医者が関係ないというなら無いんだろう。

また私の心配しすぎだ、きっと。

 

「慌ただしくてごめんなさいねー、ちょっと今日は混み合ってるので」

との言葉を後に診察室を出る。

 

ほとんど話せなかったけど、B医師の初対面の印象としては、

この先生ならまぁ大丈夫かな、と思った。

 

その後、医療コンサルタントとかいう方と、今後の検査日程について話す。

 

まずはじめに乳房のMRIを撮るけど、

生理前の胸が張っている時期だと、造影剤の効果が薄れてしまうとのことで、

最速で受けられるのが9月下旬。

MRIの結果次第で、10月上旬に針生検。

針生検の結果次第で、10月下旬にCT。

CTの結果を見て、11月上旬に腋窩リンパ節細胞診。

 

検査の過程で良性の腫瘍と判明すれば、

途中で残りの検査をキャンセルして終了となる。

 

え?最終結果出るの2か月後って遅くない?

と頭の隅っこで思いつつ、

でも多分良性だからでしょ、と思う。

 

悪性なら、もっと検査も治療の開始も早めてもらえるはず。

そう思ったが、間違いだった。

この日程を提示された時点で、

Y病院にとっとと見切りをつけるべきだったのだ。

 

帰宅後、夫に検査予定日を伝える。

「こんなにのんびりしていて大丈夫なのかねーって感じだけど」

「大丈夫?X病院じゃなくていいの?」

「大丈夫だよ、多分良性だし。それに悪性なら検査とか早めてもらえるでしょ、当然」

ああ時間よ戻ってくれ・・・。