小学生の子どもは先週まで、図工の時間に「版

画」をやりました。


子どもは、あともう少しのところで刷る時間が来

てしまい(先週の金曜日)、未完成のまま刷らざる

を得ませんでした。


その日の授業開始前に先生が、「今日みんなイン

クをつけちゃうで」彫る時間が終了する間際には

、「他の学年も版画をしているから、また借りる

のが大変だからみんないっぺんにやっちゃおう」

と言ったそうです。


間に合いそうにない子は、早く終わった子や教育

実習生に手伝ってもらっていた子もいたそうで

す。


子どもは自分の力で完成させたくて、友達や教育

実習生に手伝ってもらいませんでした。


早く終わった子からは「早く!急いで!」と急か

され、最後は落ち着いて作業が出来なかったよう

です。

結局あと2、3分で完成するというところで、刷る

時間が来てしまいました。


その日の給食の時間、「版画が全部出来ない状態

で刷らされて、悲しかった」としょんぼりしなが

ら話してくれました。


彫刻刀は使わずカッターで彫るのですが、危険な

為、休み時間はやらせてもらえなかったそうで

す。


私は「残念だったね。でも、限られた時間の中で

完成させることも大切だよ」と話しました。


さらに子どもは「○○ちゃん(仲のいいお友達)は

ほとんど出来ていない状態で無理に刷って、真っ

黒になっちゃってかわいそうだった」とも言って

いました。

どうやら、4分の1出来たか出来なかったかの状態

で、刷る時間になってしまったようです。
(その子は、いつも何でも丁寧に慎重にやる子で、特に学校を休んだりして時間がなかったわけではないようです)


今週の月曜日に学校に行くと、版画を刷ったもの

が廊下に掲示されていました。


しかしそこには、ほとんど出来ていない状態で刷

らざるを得なかったお友達の作品はありませんで

した。


子どもはそのことにすぐに気付き、心配していま

した。


ところが、火曜日の祝日を挟んで水曜日に学校に

行くと、そのお友達の完成した作品がみんなと一

緒に掲示されていて、子どもは驚いていました。


お友達に、いつ版画の続きをやったのか聞いてみ

たところ、「先生が土日にやった」「自分のだけ

飾られないよりかはいい」と悲しそうな表情でボ

ソッと返事があったそうです。


それを聞いて私は驚き、正直、信じられませんで

した。でも、ウソをつくような子ではありません


その子の気持ちを考えると胸が痛み、気になって

仕方がありませんでした。


数日悩んだ末、担任の先生に確認をしてみまし

た。「版画ですが、そんなに急ぐ必要があったの

ですか?」と。


すると、学内の締め切りが10日(廊下に掲示され

た日)までだったこと、版画は準備から片付けまで

時間がかかること、版画を刷ったあと、完全に乾

かすのに2、3日かかることを話されました。

また、予定していた時間より数時間余計に時間を

とったこと、丁寧にやる子が多いのできりがない

といったことも話していました。


他のクラスは欠席者が多かったりして、まだ出来

ていないクラスも何クラスかあるようでした。


話の流れで、お友達の作品を土日に先生が続きを

やって完成させたこともわかりました。

月曜日になって、お友達が自力でやったほとんど

出来ていない状態で刷ったものと、担任の先生が

続きをやって完成させて刷ったものをその子に見

せ、どちらをみんなと一緒に飾るか確認して、そ

の後先生が完成させた作品を掲示したとのことで

した。


私は「そのお子さんの気持ちを考えて欲しかった

こと」「出来るものなら配慮して、そのお子さん

に自分で続きをやらせてあげて欲しかったこと」

「それが無理でも、本人が知らないうちに勝手に

先生がやって完成させてしまうのではなく、せめ

て事前に本人に意思確認をして欲しかったこと」

など話しました。


先生は、ほとんど黒くなってしまった作品を掲示

するのが忍びなくて、そのような行動をとられた

ようです。「運良く、(インク越しに)下書きが残

っていたので」ともおっしゃっていました。




先生はよかれと思ってやられたのだと思いますが

、それはどうかと今でも思います。

子ども達の気持ちが置き去りにされて、体裁だけ

整えられているように思えてなりません。


版画が何かと手間がかかるのはわかりますが、他

の先生もこのような状況の時、このような対応を

されるのでしょうか?


ここ数年、あまりにもあり得ないことばかりがあ

って、何が何だかわからなくなって来ました・・

・。