怪談を蒐集しているとよく耳にする言葉だが、
私も忌み地に纏わる話を聞いた事がある。
話してくれたのは怖い話には
興味がなさそうな50代女性だった。
名古屋市の南東にある閑静な住宅街にお住いのその女性。
そこは、庭付きの新しい戸建てが立ち並び、
住宅を優しく包み込む街の緑が調和した良い場所である。
「近所にね、何故かポツンと一軒分だけ空いた土地があるのよ。
ご近所さん達だけは知っているのよね、
何故そこが空いているのか。。。
ちょっと前にね、事情を知らない(であろう)家族がその土地に
新しく家を建てたんだけど。。。
3か月もしない間にご夫婦は離婚されてねぇぇ、
いつの間にか引っ越しちゃったのよ。
ご近所さん達は。。。『やっぱり』なんて噂したわ。
良い場所だからね、すぐに新しい家族が
移り住んで来たのよ。新築だしねぇぇ。
もう分かるでしょっ。
正解!
その家のご夫婦も早々に離婚されて
出て行っちゃった。
結局、どの家族が住んでもすぐに引っ越して行くから
家は建て壊されて、また更地になっているのよ」
「一体、ご近所さん達は何を知っているんですか?」
聞いてみると、こんな内容だった。
その女性がこの場所に嫁いで来た35年ほど前には
すでに空き地だったというその土地に
ある日、家を建てた家族がいた。
ご夫婦と男女1人づつの子どもの4人家族だったそうだ。
半年ほど経った頃、
その家で父親が息子を道連れにして無理心中を図ったという。
残された奥さんと娘さんは出て行き
家はすぐに取り壊されたそうだ。
以来、その土地には人が根付かないらしい。
というか、人を拒んでいるのだろうか。
事故物件。。。家で起こった事を
告知しなくてはいけないというが、
土地の場合はどうなのだろう。
長い歴史から鑑みて、人が亡くなっていない土地など
ないと思うので、
ひょっとしたら土地に関しては告知義務などは
ないのかもしれない。
話を聞いて怖いと思ったのは、
近所の人は知っているのに、
当の住人だけが知らないという事だ。
これは怖い。
土地は負のエネルギーや念を溜め込みやすく
その負のエネルギーや念が、
さらに強力な負のエネルギーを呼び込むという。
そして、土地が生き返るまでには長い時問が
必要となるというので厄介だ。
たまたま移り住んだ土地が忌み地だった、
運が悪かった、というよりは、
すでに負のエネルギーを纏った人間が!
忌み地に引き寄せられているのかもしれない。
負の連鎖は必然なのだ。
負の念を持たない様にするという
シンプルな策しかない。
今月に入って駅のホームの待合室で
女性が刃物で刺されて死亡し、
同時間帯に男性が通過列車に接触して死亡する事件が発生した。
現在の所、どうも男性が女性を殺害した直後に
自らの命を絶ったらしい。
悲しい事件である。
近所で起こった事件だったので
現場近くを通る度に身につまされる思いである。
そんな事があってすぐに、今度は隣の駅で飛び込みがあった。
隣の駅と言っても自転車で3分もこげば着く場所である。
さすがにこの負の連鎖には背筋が冷たくなった。
ネットではこの一帯は最早心霊スポットだと
囁かれている。
どちらの駅も旧東海道という事が共通している。
(実際には少しずれているらしいが)
遠い過去の因縁が、いまだに何かを呼び寄せているのか?
いつも読んでくれて、ありがとうございます。
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