夏休みに入り、なかなか時間がとれず、だいぶあいてしまいました。。
問題は宿泊先。
ご家族は、
おじさん、その奥さん、おばあちゃん、成人した娘、大学1年生の息子の5人で来ていて、
一部屋に泊まる予定でしたが、
私が加わることで、女性部屋と男性部屋に別けることになりました。
同じ宿には部屋がなく、、
おじさんと息子が探しに出掛けましたが、
なかなかない様子で、時間がかかっていました。
息子は超機嫌悪いし、
おばあちゃんとおばさんは鼻タバコ吸ってて、
あまり話さないし、
お姉さんは無口だし、
居心地の悪いこと!
しばらくして、なんとか宿は見つかり、ホッ。
ご飯食べに行こう!となりました。
聞き間違いか、聞き飛ばしたのか、
ご飯ではなく、お寺へ。
ご飯と思って、カメラ持っていってませんでした。
残念に思ったのも束の間。
本気のお詣りに同行しているので、とても写真をとる雰囲気ではありませんでした。
サキャのお寺は、チベット仏教よりも古い、梵教の影響が色濃く、骸骨とか鬼とかおどろおどろしいものも多い。
魔除けに、狼の剥製が何体も吊り下げられていて、それに惹かれて、サキャに行こうと思ったのだ。
そして、文化大革命のときの破壊された痕が生々しいものから、それほどでもないものまで、沢山そのままになっていた。
見るとつらくなる。
でもなぜか、それを美しいと思った。
朽ちていくもの。
そこに、華やかだった残像が見え、それが早回しのフィルムみたいに、今の姿に変わる。
とても美しく見えた。
それも、私が外国人だから無責任にそう感じるのかなぁ、とか、色々考えながらまわりました。
不機嫌で怖かった息子が、
次第に話しかけてくれるようになり、
色々説明してくれる。
長く細い木の梯子を一息で登りきると願いが叶うと教えてくれて、やってみたけど、ただでさえ高山地帯。とても上までは無理。
あの時私は何を願ったんだっけな…?
その後、ご飯をたべ、宿でみんなとワイワイ。
なんだかフワフワ暖かい心地でとても楽しい。
さぁ、寝ようかとなったとき、宿の中に水道が当然あると思い込んでいた私が、歯を磨きに行くというと、みんなが、えーーー!!!となる。
私は、??
宿の中にはないと言われ、まぁいいや、と諦めようとしたら、
おじさんが娘と息子にどこらやに連れて行ってやれと。
てっきり近いのかと思いきや、歩く、歩く。
15分くらい歩くと、サーーーッという音が。
ま、まさか…!?
予感的中。
そこは川でした。
真っ暗で、きれいなのか汚いのかもわからない。
連れてきてもらって何もしないのも申し訳ないので、顔をちょんちょんと洗い、とりあえず目的は果たせた…ということで。
それにしても、チベットは、標高が高いからか、空がとっても近くて、星も近い。
びっくりするくらいきれいな星空を眺めながら、3人で歩く暗闇の道も楽しかった。
二人がチベット語をアレコレ教えてくれる。
私がリピートしては、下手だとか今回はまあまあだとか、笑いあう。
自分の魂が震えるのがわかる。
こうして、前日までの、自分の身は自分で守らねば!と気を張りつめていた旅が一転、
思わぬワイワイ楽しい旅になったのでした。