飛鷹は10月誕生日で12歳、奏江春生まれ(仮定)で18歳スタートです。
蓮×キョ有りの飛×奏メイン小説。

原作通りにしたかったけどパラレル要素若干有り。

目立たない程度にオリキャラ登場有り。

 

飛鷹・12歳・春(1)  恋の依頼
飛鷹・12歳・夏(2)  学校生活

飛鷹・13歳・秋(3)  誕生日プレゼント
飛鷹・13歳・冬(4)  ハッピーグレイトフルパーティ

飛鷹・13歳・春(5)  小悪魔って?

飛鷹・13歳・夏(6)  CM共演
飛鷹・14歳・秋(7)  次の一手
飛鷹・14歳・冬(8)  奏江のバイト
飛鷹・14歳・春(9)  『加奈子』初対面
飛鷹・14歳・夏(10)  アメンバー限定・初×××
飛鷹・15歳・秋(11)  特技発覚

奏江・20歳・秋(12)  失敗は成功の元
飛鷹・15歳・冬(13)  ターゲット・キョーコ
奏江・20歳・冬(14)  ターゲット・蓮
キョーコ・20歳・冬(15)  決死の言葉

蓮・24歳・冬(16)  想いの交差

飛鷹・15歳・春(17)  卒業
飛鷹・15歳・夏(18)   『加奈子』とデート

飛鷹・16歳・秋(19)   密談につき

飛鷹・16歳・冬(20)   アメンバー限定・人間観察

飛鷹・16歳・春(21)  映画出演
奏江・22歳・夏(22)  インタビュー記事
飛鷹・17歳・秋(23)  アプローチ最終段階
奏江・22歳・秋(24)  可愛いは私?
飛鷹・17歳・冬(25)  上杉家にて
奏江・23歳・春(26)  代マネ社さん
社・31歳・春(27)  泥酔の末に
飛鷹・17歳・春(28)  宣戦布告
奏江・23歳・夏(29)  告白・side社
飛鷹・18歳・秋(30)  告白・side飛鷹
蓮・26歳・秋(31)  アメンバー限定・キョーコの秘密
キョーコ・23歳・冬(32)  モー子さんの相談
蓮・27歳・冬(33)  クオンとキョーコのクリスマス
社・31歳・冬(34)   キョーコ人形
奏江・23歳・冬(35)  バレンタインデー前日
飛鷹・18歳・冬(36)  告白の返事
飛鷹・18歳・春(37END)  アメンバー限定・独り暮らし

  

外伝

NEW蓮・21歳・春(0)  アメンバー限定・カイン兄さんの悶絶

奏江・19歳・春(4.5)  好きなタイプ

奏江・21歳・春(17.5)  ラブミー部解散

 

アメンバー記事は読まなくても支障無いものばかりです。
自分がヘタレのせいでエロくしたくても上手く出来ませんでした。
微妙なエロでも良いよって方は、お気軽にアメンバー申請どうぞ!

ドドドドドドドド
 
ダダンッ
 
ダダダダダダダダダ
 
「も、モー子さんっ!」
 
「あ、あんたもっ…はぁはぁ…来たのねっ!」
 
―― 『只今よりラブミー部の卒業式を執り行う!!』
 
聞き捨てならない放送が事務所内に鳴り響き、頭に血が昇ったと同時に思わず駆け出していた。ラブミー部の仕事中だったが止めるスタッフは誰もいなかった。彼らは『またか…』とばかりに一つ溜め息を溢し、作業に戻っていた。
エレベーターも待てず階段を勢い良く最上階へ向けて登っていると、途中からキョーコが合流した。キョーコも放送を聞き、社長室へ目掛けて突っ走ってきた様子である。
 
「そっ、卒業式やるって、言ったわよね?」
 
「言ってたわねっ。あんの社長っ…突然過ぎんのよっ!何っ、考えてんのかしらっ。」
 
意外に長い階段に苦戦しながらも漸く社長室があるフロアに到着した。このフロアにはエレベーターは一基しか停まらないようになっている。それが丁度下へ降りて行くところだった。内心舌打ちをしつつ、キッと顔を目的の部屋に向ける。少し立ち止まった私を追い越したキョーコは重厚な扉に手をかけた。私も少し遅れて扉の前に立つ。
 
『ガチャ…!』
 
『パンパンパンッ!』
 
破裂音が盛大に鳴り響く。キョーコと私は物凄い量の紙テープを浴びて扉の前で呆然と立ち尽くした。
 
「はっはっは!来たな、ラブミー部っ!」
 
クラッカーを鳴らしたと思われる人達は、何故か学生服やセーラー服を身に纏っている。大の大人がコスプレをしながら台座まで腕でアーチを作ってる様はシュール過ぎるな…と思いながら部屋の奥を見遣った。扉から一直線上にある台座に社長は鎮座しており、マイクを片手に楽しそうに顔を綻ばせている。
 
「それでは卒業式を執り行う!」
 
♪ファ~ンファ~ンファ~ンファ~ン
 
卒業式に有りがちの曲が流れ始めた。
 
「最上キョーコ君!前へ!」
 
妙な顔付きで絶句していたキョーコは名前を呼ばれると、ハッとしていた。私はと言えば大体こんな事だろうと予想がついていたので、諦めて社長に付き合うか…と思い始めていた。
 
「呼ばれているわよ…。行きなさい。」
 
まだ呆けていたキョーコは私の声に「あ…うん。そうね…。」と呟くと歩を進める。彼女は不安そうにアーチを潜り抜け、社長の前に立った。彼は悪戯っぽく笑うと校長先生のように賞状を片手にマイクに向かって発した。
 
「卒業証書、最上キョーコ殿。今までの功績を称え、ラブミー部を卒業することをここに証します。はい、おめでとう。」
 
そう言うと社長は賞状を持った手をキョーコに向かって差し出した。
 
「あ…ありがとうございます…。」
 
左、右と手を伸ばし、学校ではきっと手本にされたであろう美しい所作で丁寧に受け取った。社長は満足そうにしている。
 
「琴南奏江君。」
 
「はい。」
 
アーチを足早に抜けて社長の前に立った。コスプレ軍団のアーチは全くぶれることなく綺麗に弧を描いている。
 
「卒業証書、琴南奏江殿。今までの功績を称え、ラブミー部を卒業することをここに証します。おめでとう!」
 
何が楽しいのか分からないが、満面の笑みを絶やさない社長。破天荒な彼の行動に関してはすで諦めているとは言え、これだけで済むとは思えずつい身構えてしまう。
 
「…ありがとうございます。」
 
受け取った賞状を眺めるとちゃんと今日の日付まで入っている。他は社長が読み上げた通りの普通の賞状だった。ふと後ろを見遣るとコスプレ軍団はすでに居なくなっており、私達3人だけになっていた。
 
「やっとなのかもしれんが寂しいなぁ~。もっと遊び…じゃなかった、やって貰いたい事はあったんだがなぁ。」
 
台座から降りながら社長は呟いた。だが表情はあまり残念そうでは無い気がする。彼はソファにドサっと腰を下ろし『君達もどうぞ』と薦めた。キョーコは素直に座ると当然の疑問を口にした。
 
「あの、何故卒業させてくれたんでしょうか…?突然だったので…。」
 
「君達がラブミー・ラブユー出来たから…だな。」
 
ニコニコと笑いながら答えにならないことを言う社長に、キョーコは疑問符を湛えている。
 
「詳しく聞きたいかね?」
 
「お願いします。」
 
「ふふん。蓮と漸く恋人同士になれただろう?いやぁ~。蓮の奴相当苦労してたぞぉ?あいつもヘタレ過ぎるから長い事ヤキモキさせられたな。な?琴南君。」
 
突然話を振られ、内心慌てながら『そうですね…』と答えた。
 
「ま。蓮は君の事を子供の頃から知ってるし、ヤツの長年の初恋が漸く実った訳だしな。俺も嬉しいぞっ!」
 
「えっ?子供の頃って?敦賀さんには子供の頃会った事なんてありませんよ。」
 
「詳しくは蓮に聞いてくれ。いつかは話さなくてはならんだろうしな…。我が社のトップシークレットでもある。」
 
社長の神妙な顔付きにキョーコも思わずグッと喉を詰まらせた。私も多少気になったがトップシークレットならば仕方がない。しかし…キョーコと敦賀さんが昔会った事があったなんて…。しかもキョーコは覚えていないところを見ると、もしかしたら敦賀さんの片想いは私が想像しているよりももっと長い年数を重ねてきているのかもしれない。
もしその事を知っていた社長にして見れば、本当に長い間ヤキモキしていたに違いない。
 
「…分かりました…。聞いてみます…。」
 
すっかり考え始めてしまったキョーコを横目に、私も一応社長に問い掛けた。
 
「私は何故ですか?」
 
「君は卒業に相応しいかギリギリだな。…だが、予言しよう。」
 
今日一番のニヤリ顔を向けて言い放った。
 
「今後君は2人の男から求愛をされる。どちらか受け入れてもいいし、どちらも断ってもいい。だが君はその時愛というものについて必ず向き合うだろう。はっはっは!楽しみだなっ!今後も頑張ってくれたまえっ!」
 
「んなっ。何でそんなこと分かるんですかっ!」
 
「アッラーがそう告げたのだよ!素晴らしいだろう!?」
 
「……真面目に答えて下さい。」
 
「ん?じゃあ卒業取り止めて良いのかな?それでもいいぞぅ~。」
 
「いえ、それは困りますが…。」
 
社長はもうこの話は終わりとばかりに執事に目配せした。すると執事は部屋に2人の女性を連れて戻ってきた。
 
「紹介しよう。君達のマネージャーだ。卒業したとは言え、君達はラブミー部の人間だったという事は忘れずに行動するように。」
 
キョーコは『はいっ』と元気良く返事をした。私も少し遅れて『はい』と返事をする。
 
「マネージャーに後の事は任せてある。頑張りたまえ。じゃ、解散!ハッハッハッハッ!!」
 
マントを翻し颯爽と去っていく社長に、4人は小さい溜め息を吐きながら見送った。

『好きな異性のタイプは?』
 
現在ラブミー部の部室では何故か恋話で溢れている。ラブミー部と言えば、そんな話に無縁の集まりだった筈なのだが…。
 
「お姉様は相当おモテになるのに全然気付いていないんですの?」
 
―― ああ…この子が居るからこんな不毛な話になってるのね…。

 

キョーコ、天宮さん、私のお馴染みラブミー部員の他に、マリアちゃんが遊びに来ている。私達は依頼された雑用をこなしながらマリアちゃんの語る恋愛論に耳を傾けている…のはきっとキョーコだけだろう。少なくとも私は全く聞いておらず、頭の中では台本の復唱しかしていない。
 
「兎に角、蓮様は本当に見た目だけじゃなくて中身も最高に格好良いんですの~!お姉様もそう思いますでしょう?」
 
「そうね。敦賀さんは誰から見ても格好良いわよね。」
 
キョーコは作業の手を全く緩めずマリアちゃんの話に合いの手を打っている。
 
「ん~っ。違いますわ~。一般的な意見では無くてお姉様の意見をお聞きしていますのに。あ、そうだわ。お姉様ってどんな殿方がお好みですの?」
 
「え………っ。」
 
キョーコはあからさまに顔を強張らせている。素直な性格故に戸惑いを隠せないらしい。

暫く無言で汗を一筋垂らしていたが、思い付いたように頭をこちらに向けて問い掛けてきた。
 
「天宮さん!!私、天宮さんの好きなタイプを聞きたいわ~っ!」
 
苦し紛れの切り返しだ。私も作業をしながら近くに座っている天宮さんをチラリと見た。
彼女は動きを止め、キョーコの方を見遣った。表情からは何も読み取れない。キョーコをじっと見詰めていた彼女はゆっくりと口を開いた。
 
「私……キョーコさんの事…結構タイプよ。」
 
そう呟くとはにかみながら微笑した。何処か決意を宿したような重みのある言葉。彼女の突然の演技をキョーコは本気に捉えてしまったのか、頬を赤らめてモジモジしている。
『上手く逃れたわね…』と内心感心しながら、聞こえない程度に溜息を零した。マリアちゃんも突っ込む事を忘れてポカンとしてしまっている。少し可哀相なので助け舟を出した。
 
「冗談を本気にするんじゃないわよ。」
 
「へっ…?あ、そうよね。やだ、天宮さんったら~!」
 
天宮さんは役目は終わったとばかりに目線を逸らすと、私を一瞥してサッサと手元の作業に戻って行った。
 
「ねぇ、モー子さんっ。モー子さんの好きな異性のタイプは?」
 
やはり矛先は私に向いた。面白い事に天宮さんの時とは違い、『異性の』と付け加えられている。ラブミー部員がまともな答えを持ち合わせていない事くらい分かるだろうに…と思いつつ、今度は聞こえるように小さく溜息を吐いた。
 
「自分の事は自分で出来る、精神的にも自立した男。」
「…さ、言ったわよ。マリアちゃんが聞いたのはアンタにでしょ?アンタも答えなさい。」
 
彼女は『うぐっ』と息を詰まらせた。しかし手の動きが先程から全く変わらないのは流石と言うべきだろうか。『モー子さんの意地悪っ!そんなの無いわよ~!』という声が聞こえてきそうな(実際何故か体が重い気がする…以前にもこんな事があったような…?)、すがるような表情をこちらに向けている。
マリアちゃんは興味津々といった様子で彼女の顔を覗き込んでいる。
 
「わ…私は…うーん…優しい人がいいわ…。」
 
「優しいって抽象的過ぎますわ。見た目は?どんな風に優しい人ですの?」
 
無難な答えを選び過ぎて、結局突っ込んだ事を聞かれる羽目になっている。その後も無難に答えて居たのだが、マリアちゃんからの何故何故攻撃を受けていた。
やがてキョーコは意を決したのかヤケクソなのか途端に饒舌になった。
 
「見た目はどんなのでもいいけど、兎に角優しい人がいいわ。女性を家政婦呼ばわりしたり、我儘し放題のバカも懲り懲りだし、誰にでも柔和で温厚と言われているのに、私にだけ意地悪してくる人も嫌だわ。まぁ、どうせ嫌われていたんでしょうけど。要するに自分勝手なのよね。皆がチヤホヤしてくれるからって何か勘違いしているんじゃないかしら。…と言う訳で、分け隔てなく平等に優しい人が一番よ。」
 
「ふぅん…。誰かモデルが居そうな口振りね?」
 
『誰の事を言っているのか何て、教えて貰わなくても分かるけど』と続けて言いそうになったが止めた。マリアちゃんは楽しそうに私達のやり取りを眺めている。天宮さんは変わらず無関心を決め込み、キョーコは図星を指されたからかまたもや言い淀んでしまっている。
ふと部屋の出入り口を見遣る。先程から人影がドアの擦りガラス越しにユラユラと見えている気がするが、入ってくる気配は無い。もしかしたら私達の話を立ち聞きしているのかもしれない。
 
―― 敦賀さんだと面白いかもしれないわね…。
 
「分け隔てなく優しい人はなかなか居ないけど…一人、アンタの周りで居るわね。」
 
「あらっ?その方がお姉様の好きな方かしら?教えて欲しいですわ~!」
 
案の定マリアちゃんが食い付いてきた。キョトンした眼で私を見詰めるキョーコ。
 
「社さんよ。」
 
「えぇぇぇぇーーー!?」
 
「きゃあ!まぁ~そうなの?そうなの?お姉様ぁ~!?」
 
「分け隔てなく優しい人なんて社さんくらいしか思い付かないわ。アンタの話を統合すると間違い無く社さんね。」
 
『そこで絶賛立ち聞き中かもしれないのは敦賀さんでは無く社さんという可能性もあるわね…』そう思いながらドアを見遣るが、磨りガラス越しでは男性か女性かも分からない。
 
「そうね…誰にでも優しくて頼りになって、そんな人は確かに社さんくらいよね…。」
 
考えながらブツブツと呟くキョーコ。彼女が敦賀さんを好きなのは分かっているが、どちらとくっつこうが私としては泣かせなければどちらでも構わない。彼女は気付いていないが、敦賀さんの牽制のせいで近寄る男があまり居ないのも事実だろう。選択肢が広がるのは良いのでは無いかと思う。
 
「満更でもない様子ね?」
 
「ホントですわね~!お姉様ったらヒントが分かりやすいですわっ。」
 
「へ…?えぇぇぇー?!ち、違うわっ!好きなタイプって言うから考えてみたらたまたま当てはまる人がいただけで!」
 
―― コンコンコン
 
ドアをノックする音がキョーコの台詞を遮った。『堪えきれなくなったのかしら?』と考えながら、どうぞと返事をする。
静かに入室してきたのは案の定敦賀さんだった。人の色恋沙汰にどうこう言うつもりは無いが、彼はのんびりとし過ぎなのではないか。好き合っているのは本人達以外気付いているのに。
 
「蓮様ぁ~~!」
 
「やぁ…マリアちゃん。こんにちは。」
 
優雅にマリアちゃんの目線まで屈みながらニコヤかに答えている。部屋に居た者はそれぞれ彼に挨拶をした。キョーコを見遣ると何故か顔を強張らせてガチガチに緊張している。天宮さんは自分の分の作業が終わったらしく、片付けを始めていた。私は白々しくマリアちゃんに声をかけた。
 
「マリアちゃん。敦賀さんもいらしたし、一緒にお昼でも買ってきましょうか。行きましょう?」
 
「え…でも蓮様もう行っちゃいますわよね…?折角お会い出来たのに…。」
 
「クスっ…。大丈夫だよ。俺もお昼休憩だからまだ居るよ。」
 
「では敦賀さんの昼食も買ってきます。キョーコも要るわよね。あ、天宮さんは?」
 
「私は終わったからもう出るわ。じゃ、お疲れ様です。」
 
天宮さんはサッサと退室したので、私達もドアへ向かった。マリアちゃんは敦賀さんとランチが出来る事が嬉しいらしく、『早く早く』と急かしている。
上手く二人を部屋に残すことが出来た。この後は敦賀さんがどうにかするのだろう。悲壮感漂う表情を浮かべ、私に助けを呼ぶように懸命に眼差しを送るキョーコを横目に扉を閉めた。

長かった小説も漸く終わりました。

最初の一年分くらいはホントつまんない序章なので、頑張って読んで頂けると嬉しいです^^;

 

自分でも気になってたんだけど、飛鷹君目線の文章の時、例えば奏江は敢えて『奏江』と書いてます。

なんとなく『彼』『彼女』ってしてしまうのがちょっと嫌だった…ってそれだけwww

他の人の時はちゃんと『彼』『彼女』みたいな書き方にしたんだけどね。

 

多分今後は書く事は無いかなと思います。

あ、著作権うんぬんは放棄しませんよ。

…とは言え、こんな文章に価値があるとは思いませんがw

 

最後までお付き合い下さった方、

こんなところまで読んで下さり本当にありがとうございました☆

す…すみません。

いつも通りコスプレ制作で……あわわ。

マギのジャーファル君作ってました。見た目より意外に難しいです、あれ。

 

あと1話で終わりってところで止まってます。

でもずっとどうしようか書いたり消したりして悩んでいるんですよ。

とりあえず仮の状態でアップして、後々修正しようかと思います。

他のもたまにこっそり修正してますwww

 

 

 

下記、本誌ネタバレにもなるか分からない感想

 

 

 

 

181読みました。

ファンの皆さんの妄想が現実に!!!って嬉しくなったですよ☆☆☆

 

だが、しかーし。

やっぱあのポーズ………蓮は変質者にしかごにょごにょ………

 

『へっへっへ、お嬢さん……ばっ!』 

ってやつにしか見えんwww

いや、皆そうに見える筈だ!

前回といい、何で気付かないふりしてるんだ!皆!

 

って言いたい。

「今晩は、奏江。」
 
「今晩は…。」
 
先に来ていた奏江とそう挨拶を交わしたのは、LMEプロダクションの屋上だった。ここへは初めて来たが、屋上への階段を上がってくると夜景を楽しめるよう全面ガラスの踊り場になっており、外へ出るとヘリポートがある。暖房は付いているようだがあまり効いておらず、外に比べればマシだが底冷えするような寒さだった。
 

この瞬間を長年待ち望んできた。告白の返事を受けるのは告白するよりも緊張するものだと、今初めて知った。
 
「この前の返事をしようと思って…。」
 
奏江の顔が少し険しい。告白した時に見せた戸惑いの表情は少しも変わっていないようだ。緊張はしているものの俺の頭は妙に冷静になっており、その様子を観察している。
 
「その前に、これ受け取って。」
 
「ん?何?」
 
「今日バレンタインデーでしょ?今までのお礼をしようと思って作ってきたの…。」
 
「『今までのお礼』…ね。」
 
奏江が何を想って作ったか…返事を遠回しに伝えられたと察した。
 
「お礼されるような事はしてねぇ。」
 
「…そんな事無いわ。」
 
「そうか?分からないから言ってみてよ。」
 
「……。キョーコと敦賀さんの事…取り持ってくれたわ。」
 
随分昔の事を切り出してきたな…と突っ込みたかったが堪えた。続きを聞きたい。
 
「社長から聞いたんだけど、私がラブミー部を卒業出来たのは飛鷹君のお蔭でもあるって。何かしてくれたの?」
 
「いや…。俺は何もしてないよ。全部奏江が頑張ったからだ。」
 
あの社長はまた面倒な事を言いやがる…。奏江がキョーコにした失態の事を、社長にほぼ言い中てられて渋々認めてしまったと吐露させたいのだろうか。
 
「でも社長は飛鷹君に感謝しろと言ってたわ。今更だけどありがとう。」
 
「………。」
 
「あと……告白してくれて…ありがとう…。」
 
暫く沈黙が続く。夜景の為に照明が落とされた室内ではイルミネーションが煌めいている。たまにそれらが奏江の俯いた顔を照らしていた。
 
「……それが返事?」
 
「………そうね…。」
 
「それじゃよく分からないよ…。ちゃんと返事して欲しい。」
 
「……。飛鷹君とは…付き合えないわ…。」
 
―― ああ……やっぱり奏江は断ってきた。
 
昨夜奏江の呼び出しとほぼ同時にキョーコから連絡があった為、そう告げられるのは何となく分かっていた。
キョーコ曰く、これが最後のラブミー部の仕事だと…。奏江が明日フってくるかもしれないが、本心では無いから頑張れと…。その他には何も教えてくれなかった。
昨夜は全然眠れなかった。奏江が考え抜いて導いたであろう答えに対し、どう頑張ったら良いか思い付かない。結局手立ては何も無いので単刀直入に聞いてみる。
 
「それは本心?」
 
「そうよ……。」
 
奏江の手にある、受け取らなかった宙ぶらりんの紙袋を眺める。これを作ってくれたのはお礼を言う為だけなのか?合わない視線を懸命に向けながら、一歩奏江に近付いた。
 
「それ…手作りなんだよな?もう一生涯無かったんじゃなかったっけ?何で作ろうと思ったんだ…?」
 
「だから…お礼をしたかったのよ…。」
 
「そっか…。ねぇ、俺の事嫌い?」
 
「そんな事無いわ。」
 
「じゃあ好き?」
 
「………。」
 
流石にこんな安易な流れでは言葉を零してくれる訳が無い。クックックと笑うと、奏江は伏せていた顔を上げ不思議そうに俺を見詰めた。
 
「ゴメンゴメン。無理矢理過ぎたなと思ったら可笑しくなっちゃった。」
 
「とりあえず…断る理由教えてよ。自分が年上で俺が未成年だからとか言うなよ?2年経てば未成年じゃなくなるし、こんなの納得できる理由じゃないからね。」
 
「………っ。」
 
「仕事が忙しいとか自信が無いとか言うのも無しだぜ?付き合っても無いのに。」
 
「………。」
 
やっぱり無理矢理になってしまったが、思い付きそうな言い訳は先に言葉を重ねて奏江の退路を断った。案の定考えていたらしく苦い顔をしている。また引き寄せられるように一歩近付き、手を伸ばせば抱きしめられそうな距離まで来た。
 
「ねえ……。俺は奏江に出会えた事を感謝しているんだ。初めて俺をガキ扱いしない人で…でも芝居中投げられたりして…馬鹿みたいな脅しをしたのに嫌わないでくれて…。キョーコにも俺のネジ曲がった性格矯正されたけど、やっぱり奏江が居たから…今の俺は昔に比べれば遥かにマシになったと思うんだ。本当にありがとう。」
 
「重たいキモチかもしれないけど…良かったら覚えてて。例え嫌われたとしても…ずっと、愛してるから…。」
 
胸が締め付けられるように苦しくて、立って居るのもやっとだった。俺の精一杯の気持ちは言葉にするとチープで幼稚で、全然上手く伝える事が出来ない。出来るなら目の前にいる奏江を抱き締めて、めちゃくちゃにしてしまいたい。どれだけ愛しているか体に教え込めたら楽なのに……だが、それは許されない。
目線を逸らしていた奏江の眼が俺を一瞥したかと思うと、次の瞬間驚いたように眼を見開いて俺の顔を凝視した。
 
「泣い…てるの……?」
 
「え………?」
 
手で頬を触ってみると、驚いた事に涙で濡れていた。涙を拭った掌を眺めながら、フられてみっともなく泣いてしまっているのだと気付く。
 
「…そう、みたいだな…。」
 
「………。」
 
「早く…言って…。どうして……ダメなのか………。」
 
「………っ!」
 
みっともなくて本当は逃げ出したいが、奏江の気持ちを聞きたくて我慢し続けている。
『別にチャンスは今日限りでは無いし、これからの人生ずっとアタックし続けていけばいいだけの事だ』…そう頭では分かっていた。だが体も口も全然言う事を聞かず、早く逃げ出したい俺は奏江に答えを急かしている。まだまだ幼稚で愚かな俺…。
視線は絡み合っているのに、奏江は一向に口を開かない。
  
「……ごめん。……じゃ、これ…貰ってく。またいつか返事聞かせて。」
 
何処までも狡い俺は返事を聞かなかった事にして去ろうと、奏江が握りしめている紙袋に手を伸ばした。
本当はこんなに重い雰囲気にするつもりは無かった。断られても諦めずにまたアタックし続けられるように、奏江が気にしないで済む方法で今日を終えたかった。泣いてしまうなんて…フォローのしようが無い。
紙袋に触れるが、奏江は手を離さなかった。
 
「…?くれないの?」
 
「………ち…がうの……。飛鷹君と……つ…付き合えないなんて思って無いわ……。」
 
「付き合えないと思って無いけど、付き合ってくれないって事?何で…?」
 
奏江は決意したかのように俺を見据えると語り出した。
 
「社さんを断ったのに飛鷹君とすぐ付き合うのは抵抗があるわ…。」
 
「社と付き合っていたのなら兎も角、そうじゃなければ全く関係無いと思う。そんなの理由にならないぜ。」
 
「いざ付き合ってみたら幻滅されてしまうんじゃないかって思って…。何でそんなに…6年間も想ってくれているの…?」
 
「そんなの大した時間じゃ無いよ…。人生80年もある中のたった6年だ。」
 
「飛鷹君に…き……嫌われてしまうのだけは……本当に…怖いの…。」
 
そう言うと奏江は更に苦しそうな表情を浮かべた。今にも泣き出しそうなのを堪えているように見える。漸く奏江の本心を聞かせてくれた事に安堵しながら答えた。
 
「嫌いになんか絶対にならないよ…。俺の事…信じられない?」
  
奏江はふるふると頭を横に振った。何時の間にか奏江は両手で紙袋を強く握り締めていた。それは胸の前でカサカサと音を立て、手の動きと共に震えている。胸の内を見せてくれた奏江に再び聞いてみた。
 
「そのチョコは本当にお礼だけの為に作ったのか?」
 
また頭を横に振った。
 
「そっか。じゃ、俺の事好きだから?」
 
頭をコクンと小さく縦に振った奏江は、見た事が無いくらい顔が真っ赤に染まっていた。これ以上俯けないというくらいに下を向いてしまっている。
 
「……俺と、付き合ってくれる?」
 
「…………っ。」
 
「ふぅ……言いたくないのか…?じゃあ…今から奏江にキスするから、嫌だったら逃げ出せ。付き合ってくれるなら受け入れろ。」
 
更に耳まで真っ赤になった奏江の両手から紙袋をゆっくりと取り上げる。近くにあった椅子にトンっと置くと、奏江はその小さな音に反応して肩をビクッと震わせた。焦らずそろそろと奏江の背中に手を回す。ぎゅっと抱き締めるが逃げ出す様子は無かった。久しぶりに嗅ぐ甘い髪の香りに混じった僅かな香水の香りと、細く柔らかな身体に耽った。
互いの心臓の鼓動は厚手の上着からでも分かってしまう程高鳴っている。今まで奏江に抱き付く時は、必ず横か後ろからと決めていた。前から抱き締めるのはこれが初めてだった。
 
「逃げないのか……?」
 
耳元に囁く。少し屈み込み、奏江の顔を覗き込んだ。俯いたままの顔を片手でそっと持ち上げると、奏江は眼を潤ませ頬を赤らめている。
 
「本当に可愛いな…奏江は…。」
 
あまりに可愛い表情の奏江に思わず顔が綻んだ俺は、そう言い放つとキスをした。俺も(性行為は経験があるがキスはしてない)、奏江も(多分)した事が無いので、互いにどうしていいのか分からない不器用なキスだった。
脳が溶けてしまいそうな程麻薬のように甘く痺れる感覚に酔いしれ、ゆっくりと唇を離す。互いに見詰め合うと、奏江は恥ずかしそうに目線を逸らした。
 
「俺の事、好きなくせに全然認めないんだから……。付き合ってくれるって事でいいんだろ…?」
 
「…………っ………はい……。」
 
「……っ!よっしゃーー!!」
 
力強く叫び、再び奏江に抱き付いた。幸せ過ぎて頭がおかしくなってしまいそうだ。漸く手に入れたこの想いを、誰でも彼でも自慢げに発表してしまいたい衝動に駆られる。ふと思い付き、やや上を向いて叫んだ。
 
「社長!!どーーーぉせ聞いてんだろ!?奏江は俺が貰い受けたぜ!ざまーみろ!!」
 
奏江はビク―っと身体を強張らせ、口をパクパクさせながら俺を見上げてきた。すると部屋の何処かに付いていると思われるスピーカーから社長の声が木霊する。
 
「はーーっはっはっは!!よくぞ分かったな!明智くん!!」
 
「明智じゃねぇよ。」
 
「君は有言実行の男だねぇ。一先ずおめでとうと言っておこう!!幸せになりたまえ!!はっはっはっはっは!  ブツン」
 
「一先ずって何だよ…なぁ?かな…え…?あれ?」
 
腕の中の奏江はぷくっと膨れっ面になって俺を睨みつけている。『こんな表情でも可愛いなんて罪だな…』と思いながら、俺は正反対にニコニコと笑いかけた。
 
「どうして社長がーーーー!!?もーー!知ってたの!?飛鷹君!!」
 
「いや…知らなかったけど、あの人なら聞いてそうだなと思ってカマかけてみただけ。案の定だったな…。」
 
「~~~っ!!は…離して~!」
 
「何で?奏江は俺のになったのに。離さなきゃならない理由が思い付かない。」
 
「だって、聞かれてるんでしょー!?帰る!もー帰るんだから!!こんなとこに居たくないわ!!」
 
ジタバタと俺の中でもがく奏江は愛おしくて、やっぱり離したくない。だからつい困らせるような事を言ってしまった。
 
「まだ俺の事どう思ってるのか聞いて無いんだけど…?」
 
「………っ!!」
 
ピキっと固まったように動きを止めた奏江の頭をよしよしと撫でながら、耳元に囁く。
 
「奏江からキスしてくれたら言わなくてもいいぜ…。」
 
目線を同じ高さにして顔を近くに寄せてみる。奏江はわなわなと口を動かすとポツリと零した。
 
「……好き…って言わなくても分かってるんでしょ……もーー…ホント……馬鹿っ……。」

どんだけパンツネタ引っ張ったんだ…私…www

と自嘲気味のにいなでございます、こんばんは。

基本中身おっさんの変態なので。キモイは褒め言葉です。もっと言って。

 

衣装作っててまだ続き書けてません。

ゲームとマンガが趣味なのに、コスプレ制作で時間が取れない…^^;

 

蓮キョは簡単に書けたのに、いざ本命のクライマックスになると手が震えて書けませんw

頑張ってって言ってくれた方がいらしたので頑張ります。

読んで下さってありがとうございます☆

キョーコから遠回しに『飛鷹君が好きなんでしょう?』と言われた。
 
昔CM撮影が終わった際、飛鷹君から告げられた言葉は今でも鮮明に覚えている。未だに信じ難いが、それが私の恋の前兆だったと気付かされた。
その後も気付けばまだ子供だった彼から様々なアプローチを受けた気がする。全て18歳になった時の為にしてきたのだと思うと、正直…一途を通り越して少し怖い。勿論、気持ち悪いとかそういう意味ではなく。
キョーコへの依頼…。社長からプレゼントされたというLME通行証…。私のマネージャーが彼に甘いのも……そこまでは考え過ぎか…。
 
フフっと思わず苦笑を漏らした。
悩み過ぎてキョーコに相談した直後は仕事に支障をきたす程だった。今では冷静になって昔を反芻している。正月も仕事が忙しかったので、実家にも顔を出さなかった。最近は社さんにも飛鷹君にも会っていない。返事をするまではケジメとして会わない方がいいと思ったのだ。2人もわざわざ私に会いに来る様な事はしていない。
 
「最近、飛鷹君顔出さないわね~。寂しいわぁ。」
 
「…そうですね。」
 
「目の保養が無いとやる気も起きないって言うかね~。」
 
「…そうですね。」
 
「ちょっと~!タモさんとこの観客みたいな事言わないでよっ。聞いてるの~?」
 
「…フフフ。聞いてますよ。ホントに飛鷹君の事好きですね。」
 
「まあね~。私からしたら一回りも違うお子様だけど、それを凌駕する男の色気を持ってるわよね。敦賀蓮には負けるけど。」
 
「あら?敦賀さんもファンだったんですか?」
 
「うふ。イイ男は皆好きよぉ~。飛鷹君って、分かっててやってるのか知らないけど…とにかく相当頭の切れる子よね。」
 
「何でそう思うんですか?」
 
「あらっ?うふふっ。あんまり言うと怒られそうだから止めとくわ。奏江も分かってるんじゃないの~?」
 
楽しそうに同意を求めてくるマネージャーは、もしかしたら全てお見通しなのかもしれない。思えば飛鷹君の告白の時も良いタイミングで寝始めた。2人きりにするように松田さんと示し合わせたのだろうか。
 
「分かるような……分からないような…。」
 
「分からないならトコトン考えなきゃね。あの子は計算高いけど素直でいい子よ。だから皆協力しちゃうの。」
 
やはり…この人も飛鷹君の気持ちを最初から知っていたようだ。『…そうですね。』とまた零すと『煮え切らないのは何故?』と聞き返されてしまった。本当に勘の鋭い人だ。社さんの事を話す訳に行かないので、適当に濁す。
 
「そんな事無いですよ。私も飛鷹君の事……。」
 
言いかけて思わず口を噤む。『それなりに好きですよ』と軽く言おうとしたのだが、口に出そうとした瞬間何故か言葉が出なかった。マネージャーは黙り込んだ私を見て何か察したのか、肩をポンポンと軽く叩いて微笑んだ。
 
「さ、仕事仕事!稼ぐわよ~っ。」
 
  
人生でこんなに頭をフル回転させた事は無かっただろう。小学生の頃クラスメイト相手に淡い恋心を抱いた事はあったが、女優への道を考え始めてからは恋愛というものにパタリと興味を失っていた。こんなに考えるようになるなんて…と自嘲する。
どちらかを選ぶとすれば、どちらかとは今までの関係では居られなくなる。どちらとも居心地が良かったのに…男女の友情は無いという話は本当なのだなと実感した。
 
本当はもうすでに自分の中で誰が好きかなんて答えは出ている。社さんに告白された時も、飛鷹君に告白された時も、キョーコに相談した時も…。
ただ気付かないフリをして自分自身も騙し、ズルズルと答えを先延ばしにしていた。なんて狡い人間なのだろう…。しかしもう決心しなくてはならない。先延ばしにして得をする人は誰も居ないのだから。
 
 
※※※※※
 
 
「漸く答えが出たみたいだね。」
 
「はい…。」
 
「うん…。でも俺はもう答えは分かっているよ…。」
 
「えっ……?」
 
「断られると分かっているのに告白したから。無理に考えさせちゃってごめんね。」
 
「そんなことは…っ。」
 
「フラれる前に自分で言っちゃったのは、無理させた上言わせるのは酷だと思った……訳じゃなくてただの自己防衛本能だよ。気にしないでっ。」
 
「…すみません……。」
 
「俺は特に気にしない性格だから、これからも仲良くしてくれると嬉しいな。こんな事で関係が壊れるっていうのも嫌だし。難しいかな?」
 
「私も同じ事を考えてました…。なんで男女間に友情は無いんだろうって。」
 
「ホントホント。男女の関係ってすぐそうなるから面倒だよね~。って、面倒起こしたのは俺かっ!あははっ。こんな事社長の前では言えないけど。」
 
「えっ。そうなんですか?敦賀さんとキョーコの時とか楽しそうだったからてっきり……。」
 
「他人の恋愛は面白いと思ってるよ。まあ…社長は俺の性格見抜いてるけどねっ。琴南さんの事好きだし、珍しく頑張ってみようと思ったんだ。飛鷹さんが琴南さんに告白するだろうって分かっていたからね。軽い気持ちだった訳じゃないけど、どっちにせよ壊れる関係ならと思って駄目元で言っちゃったんだ。だからホントに気にしないでね。」
 
「分かりました…。気にしない方が罪滅ぼしになるならそうします。告白…嬉しかったです。ありがとうございました。」
 
「こちらこそ考えてくれてありがとねっ。」
  
 
※※※※※
 
 
明日はバレンタインデー。
キョーコに教えて貰いながら、一緒にチョコレートケーキを焼いている。自炊はするが、お菓子を作ったのは人生で2度目だった。太る原因になる物を何故わざわざ作らなければならないのか。しかも買った方が時間もかからず美味しい。
初めての時も飛鷹君に渡したのだが、『一生涯最初で最後の手作りチョコ』と喋り立てた気がする。もう作る事は無いと思っていたが、自分でも不思議な事につい彼女に頼んでしまったのだった。
 
「モー子さんっ。次はこれにこれを入れて、さっくり混ぜてねっ。」
 
「はいはい、これね…。どう?」
 
「上出来!!じゃあ後は焼くだけね。その間お茶にしましょう!準備するからっ。」
 
「そう?じゃ、宜しく。」
 
彼女は手際良くハーブティを淹れ、家で焼いてきたという可愛い形をしたお菓子を並べた。テーブルに着きながら彼女の楽しそうな様子を眺める。
 
「さ、召し上がれ~。お菓子は砂糖使って無くて豆乳とおからで作ったの。」
 
「へぇ。よく聞くダイエットお菓子だけどこんなに美味しいものだと思わなかったわ。アンタが作ったからなんでしょうけど。」
 
「やだ!!モー子さんったら褒め過ぎよ~。でも嬉しい~~!!」
 
この子はすぐ付け上がって、隙有らば抱き付いてくる。少し褒めただけで子犬のようにじゃれついてくるのは鬱陶しいが、決して嫌では無い。敦賀さんの前でそうやってくる時は嫌がりながらも敢えて受け入れ、彼の反応を見て優越感に浸りながら楽しんでいるくらいだ。
 
「モー子さん何だか元気無い?」
 
「え…?別にそんな事無いわ。」
 
ドキリとした。普通に振舞っていたのに、この子は何故気付いてしまうんだろう。
 
「折角飛鷹君に渡してお付き合い始めるっていうのにウキウキとかワクワクとかテカテカとかしないの?」
 
「ウキウキワクワクは分かるけどテカテカって何よ?」
 
「この前アイドルの子に教えて貰ったのよ。よく分からないけど最近の言い方だとテカテカもするらしいわ。」
 
「はぁ……秋○原系用語っぽいからもう言うの止めなさい。…って、思わず別の事に突っ込んじゃったけど…飛鷹君と付き合わないわよ?」
 
「えぇぇぇぇぇぇぇーーーーっ!!!!??」
 
「もーーー!!!声が大きい!近所迷惑になるでしょう!!?」
 
案の定驚かれた。その後も慌てふためく彼女から何故何故攻撃を受けたが、適当にかわした。ケーキ作りが終わり帰るまで納得していない様子で、ずっと渋い顔をしていた。
 
飛鷹君に『選ぶ事は出来ない』と告げ、結果2人共断ると決めた。社さんとは同じ事務所で気まずい思いをするのもさせるのも嫌だったのだが、思った以上にサバサバした性格の持ち主だったようで安心している。どうやら彼もラブミー部に所属してもいいくらいの人種だったみたいだ。彼も私が飛鷹君を受け入れると思っているに違いない。
 
『未成年というのがネック。せめて20歳だったら悩まなかったかもしれない。』
 
『仕事も順調な今、恋愛をしている暇は無い。』
  
様々な言い訳を思い付いた。しかし、多分…では無く確実に私は飛鷹君の事が好きだ。断る必要は無いんじゃないか?と感じるが、社さんを断ってすぐに飛鷹君と付き合い始めるというのが何だか割り切れなかった。

そしてもう一つの理由は……自信が無い。いざ付き合ったら幻滅されてしまうのでは無いか…と色々考えてしまう。彼に嫌われてしまうのだけは嫌だ。本当に6年間も想って貰う要素が私にあるのだろうか…?

  
今回バレンタインのチョコレートをまた作ろうと思ったのは、飛鷹君にありがとうの気持ちを伝えたかったからだった。
本当に…ただ…それだけだった…。