先日、偶然に最寄り駅で

以前勤めていた職場で同僚だったH子さんに会いました

 

H子さんは私と仲良しのF氏と結婚

11年前の私の真夜中の緊急手術時には

小学生だった子どもたちを預かってもらい

2年前にはF氏と一緒に野球観戦に行く等

前の職場を退職して21年も経つのに

長く懇意にさせてもらっています

 

そのH子さんからの話・・・

「春に某障害者施設で虐待致死事件って

あったこと知ってはります?」

 

「あの事件の被害者って・・・

Mくんだったんですよ」

 

「Mくんは長くうち(私の前の職場)の

通所にいたんやけど、家族が介護できず

某施設に入所してすぐの事件やったんです」

 

 

1993年私が障がい福祉の仕事に就いて

初めて担当した4人のうちの1人がMくん

 

言葉を話すことはできなくても

「ん~アセアセ」「ん~ルンルン」「んっ!!」「ん~ムカムカ

幾種類かの「ん」で気持ちを表現できました

「コンバットマーチ」が好きで

音楽に合わせて「ん~ルンルン音符の声と

両手でリズムを取るのが印象的でした拍手

 

食事も排泄も少しの介助で何とかできます

体幹機能にも障がいがあるので

歩行もゆっくりで不安定で

段差があると介助がいるものの

少しだけフォローがあれば自分でできます

 

 

私が担当したのは1993年だけ

前の職場を離れて21年

Mくんも50才になり

少しの介助とはいえ家族では

できなくなってきたことも想像できます

 

あらためて事件のニュースを検索しました

犯人曰く・・・

「何度言っても言うことを聞かず

イライラして殴ってしまった」

 

・・・信じられませんショボーン

当時の彼とは心身ともに違うとは思うけど

そもそも「言うことに従わせる」不適切さ

 

 

 

でも、私の前の職場も通所はともかくも

入所施設は虐待が起こりうる環境でした

 

職員の少なさ

閉鎖的な環境

入居者のストレス

 

それでもほとんどの職員は懸命に

介護や支援に向き合っています

 

Mくんなんて穏やかで楽しくて

確かに介護は必要だったけど

虐待被害に遭ったことが

今でも信じられない・・・

 

施設の虐待被害で多いのは

職員や他の入居者に暴力を振るう人

(過剰防衛や衝動的にやり返すケース)

職員を付け回したり執着する人

(何度も何度も同じ話をし続けるなど)

 

私もこれらの特性のある入居者さんには

かなり困りました、悩みましたチュー

 

急な他害行為を止める時などは

やはり体で制止せざるを得なかったですショボーン

 

身体障害のある人で発言できる人は

「入所施設をなくせ」と訴える人もいます

参議院議員の木村英子さんは施設入所者でした

施設での当時者目線での暮らしの話は

身につまされるものがあります

 

 

だからといって、施設をなくして

家族介護に委ね続けるのも非現実的です

 

私は今の職場に変わるにあたっては

グループホームなど小規模の生活の場

を作って、重い障害のある人を

地域の中で生活できるようにしたい

という思いでやってきました

 

何とかですが実現しています

でも、グループホームはずっと赤字です

 

 

感染拡大時にはえらいことになりました

今でも人手の「穴」が空いた時には

数時間から半日程度の応援に入ってます

 

 

Mくんのことは今でも信じられないですが

こうした犠牲者が出ないように

施設のあり方や職員のあり方

いい加減 変えていってほしいですし

自分にももっとできることがある・・・

そんな思いがあります

 

もうすぐ相模原市やまゆり園事件から

8年が経とうとしています(7/26)

障がい福祉に携わる者は

人ごとではない事件に

今年もまた思いを寄せたいと思います