今日は仕事であったことを書きます


私の職場は社会福祉関係で、高齢者や障がいのある方への介護や支援などいろいろやっているところです


今日はいくつかの事業所の主任さんたちと話す機会がありました



私: 「今年度から、有給休暇の計画的取得を進めないといけないので、職場のみなさんの希望も聞いて、同じ時期に偏ったら取れないので年間計画を作ってもらいたいんです」


主任さんA: 「そういえば新聞で見たんですが、有給休暇のうち5日間は必ず取らないといけないようになる・・・ってホントですか?」 (私も入院した時に数年ぶりだったもんね,有休使ったの。これで休みを増やせるかな?)


主任さんB: 「うちだけでなく多くの会社がサービス残業横行しているのに、経営層が断固として休ませる!残業させない!という発信をしていないのに、こんなのいくら計画作っても、画に描いた餅ですよ!」

(…そこまで言うか?)


主任さんC: 「休み増えるのはいいのですが、辞めた人の後任がまだ埋まっていないので、実質休めないですよ汗。休みって買い取りできないですか?」 (おい、そう言わんと休んでくれよん)


主任さんD: 「そういえば、メンタルヘルスチェックも義務になりますもんね・・・心の病対策も必要ですよね」(そうなんです…人相手の仕事って心もしんどくなる人いますからね)



ちなみに、私も管理層の一部ですので、耳の痛い発言もあり、現場の辛さもよくわかります…



介護や福祉の仕事は、高齢化にともなってどんどん求人は増加しています




でも、いわゆる介護報酬という事業所に入る収入根拠は政府が決めますので、時として、増えたり減ったりしまして、ここのところ減少傾向です


原資は介護保険料や税金ですので、どんどん増えると財政上厳しいというもっともな理由です


ですが、そうなるとただでも他の業界より少ないと言われる給料、他方でキツイと言われる仕事内容と相まって人手不足が深刻になります


まあ、もともと介護や保育は「母親の家事労働」とみなされ、社会的評価(男社会から見た評価のことです)が低く、それが福祉業界の低賃金の原因でもあります


人手不足なので、いい人いれば「奪い合い」になり、ちょっとでも条件のいいところに移っていかれるケースもあり、欠員が埋まらないこともひんぱんです


なかには他の業界から「介護ならできるかも」と安易に転職されるケースもあって、言葉遣いや態度などが問題あっても、妥協して採用することもありますし、そうなると「虐待事件起こされたら困る」からと指導に追われます


虐待などの問題がなかったとしても、人と接する仕事をしたことない中高年の方の(特に男性)転職は、介護技術とか以上に「ことばづかい」「コミュニケーション」でハードルが高いケースも多いです


また、24時間稼働の部門もあるので、不規則勤務で身体を壊しやむなく離職されたり、資格を取ると夜勤がない仕事に移る傾向があります


私も障害者施設で働いた経験がありますが、かな~~りキツかったです





そんな中、労働基準法の一部改正案が国会に上程されています


有給休暇の計画取得や5日取得義務などが盛り込まれているのは、「ブラック企業」対策みたいなところもあるのでしょう。いや、そもそも国際比較でも長い労働時間、少ない休暇取得などが指摘されていて、まわりまわって少子化の遠因でもあるので、改善を図るのは必要なことでしょう


でも


でも、福祉の職場の状況をそのままに?


もちろん、これで休みが全体的には増えるかと思います


でも、労働市場が今のままなら、給与が安くて人が来ないなら


そのしわ寄せは「今いる人、特に中堅・主任クラスの人」にいき、休むに休めない状況に追い込まれる可能性があります


だから、「有給って買い取りしてくれるのか?」が出てくるんですね


たしかに、こんなニュースもあります。選挙前ですんでね

保育士給与、2%増を表明=介護士も月1万円引き上げへ―安倍首相


でも、世間相場より大幅に低い業界なので、これでもじゅうぶんとはいえないですし、やっかいなことに、これまでもこんな施策はあったんですが、だいたいこんな時は不正防止のためとして、特別な加算などの制度を作るため、それを取得しようとしたら、やたらめたらと事務作業が増えるんです


結局、給料増やすために仕事も増やすという、スパイラルです


去年の報酬改定なんか、本体の価格は下げたのに、処遇改善加算といって「給料改善のために使う加算」だけ大幅増にしたのです


たとえで、以前の報酬が10で、処遇改善加算が2の、合計12あったとしたら


去年の改定では、報酬を7に下げて、処遇改善加算を倍の4にしている世界です

(たとえです。実際はこんな比率ではないですが、加算合計でも下がったのは同じです)


これで、給料を増やすために政府も努力しています、処遇加算を倍にしたよ!と、ドヤ顔されても・・・ドヤ顔


合計では減ってるやん!


しかも、加算取るためには事務作業がまた増えるのです


DA・KA・RA は大黒摩季さんなくらい、福祉職員の給料を上げますという報道にも「まゆつば」と思ってしまうのです



・・・ここまで批判ばかり書きました


ただ、管理職として、やはり自分の職場をできる努力もしないといけないというのも、また真実です


なるべく会議を短く、他の部門の休みの保証のためにも、お互いに応援できるうにしよう、管理職も現場のフォローしないとね、なんだったら高齢者や障がいのある人で短時間働ける人をもっと活用して、休憩や休日を保証したり、もちろん応募がもっと増えるように広報もがんばらないとね・・・がんば



ところで、ひそかに気になるのが



福祉職員の退職積立金も「外国株式」運用で△マイナス出てるんですね…トータルではそうなっていないにしても


いやいや・・・


大丈夫やろか?



労働者のみなさん。がんばって休みの取れる、働き続けられる職場づくりがんばりましょう!耳の痛いこというのもアリですよ(でも辞めないでね)


福祉経営者のみなしゃん。厳しい業界でも、人でしかできない価値ある仕事なので、いい仕事をしてもらえるようにやりくりがんばりましょう!


明日もがんばります