熱帯多発のシガテラ中毒、本州でも…魚食べ発症(読売新聞) - goo ニュース
先日行われていた日本水産学会のシンポジウムについての報道がネットにあった。
別のシンポジウムを聞いていて、この毒に関する講演は聴いていないのだが、講演要旨に「ハコフグのなかに毒のある個体がいる。」という内容があって、オヤ?と思っていた。
ハコフグはほぼ毒のないフグで、食べる地方もある。ボクは背中の肉のプリプリといっぱい詰まった肝臓が大好きだから、遭遇する機会があれば食べることにしている。
最初にハコフグを食べた時のこと思い出した。
愛媛県に御荘湾という湾があってその中に室手湾という小さな湾がある。そこで大学時代潜っていた。このことについては、今回は割愛する。
ある時、元愛媛大学教授のYさんたちと何人かで潜っていたとき、たしか、世間的教養人氏だと思うが、ハコフグを連れてきた。体型がよく似ているのでペットにするのかと思ったが、食べるという。
Yさんは、京都大学で長いこと生物の研究をしていて、和歌山県で潜っていたがハコフグを食べたことはないという。毒があるかもしれないから調べてみろという。
そこで、図鑑を調べてみたが、その時あった図鑑にはハコフグに関しての記載は無かった。
採集した教養人は毒はないと自信を持って言っている。しかし、彼はシビレエイを捕まえてきて、こうして触ると危ないとか言いながら、アタマと尾びれの先を両手で摘んで、感電して腰を抜かしているような人物なのだった。
しかし、ハコフグの身体は魅力的だった。堅い身体を割ってみると、背中には透明感のある白い筋肉が発達していた。
トラフグだって、血が混ざってなかったら大丈夫とその白身を薄くひいて食べたら、これが、うまい。
つぎに、目についたのは、肝臓だ。ハコフグの中身はほとんど肝臓(肝)、肝の缶詰と言っていいような構成になっている。これは食べずばなるまい。毒があったら痺れるだろう。そんなことを言って、少しかじってみたが、これが生でもクセが無くて上品な油分が口の中に広がる。
結局、ハコフグは身は薄造りに、肝はおすましになって、みんなのおなかに入った。
もちろん、Yさんも一緒に食べて、ハコフグの味覚を堪能したのだった。そして、潜水調査の疲れもあって、全員が昼寝してしまったのだが、Yさんが目覚めて言ったことがふるっている。
「良かった、生きている!」
☆テキスト版
熱帯多発のシガテラ中毒、本州でも…魚食べ発症
2008年4月12日(土)14:34
* 読売新聞
熱帯や亜熱帯地域で魚を食べると発症し、被害者数では世界最大規模の食中毒と言われるシガテラ中毒。
日本でも沖縄や奄美大島などでは昔から知られているが、近年、本州でも発生するようになった。理由ははっきりしないが、魚を毒化するプランクトンの生息域が海水温上昇などで広がった可能性も指摘されている。中毒の「北上」に、温暖化などが影を落としていると言えそうだ。
シガテラ中毒の原因となるプランクトンの分布や生態は謎に包まれたままだが、水温上昇や沿岸開発でサンゴが死滅した後、大量発生することが分かっている。このプランクトンの毒が食物連鎖で魚に蓄積して「毒魚」となり、バラフエダイやオニカマスなど数百種にも及ぶという。こうした魚の多くは市場価値がなく、ほとんど出回らないが、漁師や釣り人が口にすることがある。
日本では2002年以降、18件のシガテラ中毒が報告されたが、ほとんどは沖縄県内で、本州ではあまり知られていない。しかし、一昨年に茨城県で、昨年には大阪府で報告された。18件には入っていないが、神奈川県でも昨年、診断例がある。こうした状況を受け、静岡市で先月開かれた日本水産学会では「原因プランクトンの生息域拡大の可能性がある」として緊急シンポジウムが行われた。シンポジウム世話人の四国大短大の西尾幸郎教授は「温暖化などとの関連に確証はないが、温帯域への広がりは懸念される」と指摘する。
福代康夫・東大アジア生物資源環境研究センター教授は「海藻に付着して流れてきたり、船のタンクにためる海水に混じって運ばれたりし、地球温暖化による海水温上昇で定着したなどの可能性は考えられる。しかし、プランクトンの分布調査などが進まないと、断定するのは難しい」と話す。
先日行われていた日本水産学会のシンポジウムについての報道がネットにあった。
別のシンポジウムを聞いていて、この毒に関する講演は聴いていないのだが、講演要旨に「ハコフグのなかに毒のある個体がいる。」という内容があって、オヤ?と思っていた。
ハコフグはほぼ毒のないフグで、食べる地方もある。ボクは背中の肉のプリプリといっぱい詰まった肝臓が大好きだから、遭遇する機会があれば食べることにしている。
最初にハコフグを食べた時のこと思い出した。
愛媛県に御荘湾という湾があってその中に室手湾という小さな湾がある。そこで大学時代潜っていた。このことについては、今回は割愛する。
ある時、元愛媛大学教授のYさんたちと何人かで潜っていたとき、たしか、世間的教養人氏だと思うが、ハコフグを連れてきた。体型がよく似ているのでペットにするのかと思ったが、食べるという。
Yさんは、京都大学で長いこと生物の研究をしていて、和歌山県で潜っていたがハコフグを食べたことはないという。毒があるかもしれないから調べてみろという。
そこで、図鑑を調べてみたが、その時あった図鑑にはハコフグに関しての記載は無かった。
採集した教養人は毒はないと自信を持って言っている。しかし、彼はシビレエイを捕まえてきて、こうして触ると危ないとか言いながら、アタマと尾びれの先を両手で摘んで、感電して腰を抜かしているような人物なのだった。
しかし、ハコフグの身体は魅力的だった。堅い身体を割ってみると、背中には透明感のある白い筋肉が発達していた。
トラフグだって、血が混ざってなかったら大丈夫とその白身を薄くひいて食べたら、これが、うまい。
つぎに、目についたのは、肝臓だ。ハコフグの中身はほとんど肝臓(肝)、肝の缶詰と言っていいような構成になっている。これは食べずばなるまい。毒があったら痺れるだろう。そんなことを言って、少しかじってみたが、これが生でもクセが無くて上品な油分が口の中に広がる。
結局、ハコフグは身は薄造りに、肝はおすましになって、みんなのおなかに入った。
もちろん、Yさんも一緒に食べて、ハコフグの味覚を堪能したのだった。そして、潜水調査の疲れもあって、全員が昼寝してしまったのだが、Yさんが目覚めて言ったことがふるっている。
「良かった、生きている!」
☆テキスト版
熱帯多発のシガテラ中毒、本州でも…魚食べ発症
2008年4月12日(土)14:34
* 読売新聞
熱帯や亜熱帯地域で魚を食べると発症し、被害者数では世界最大規模の食中毒と言われるシガテラ中毒。
日本でも沖縄や奄美大島などでは昔から知られているが、近年、本州でも発生するようになった。理由ははっきりしないが、魚を毒化するプランクトンの生息域が海水温上昇などで広がった可能性も指摘されている。中毒の「北上」に、温暖化などが影を落としていると言えそうだ。
シガテラ中毒の原因となるプランクトンの分布や生態は謎に包まれたままだが、水温上昇や沿岸開発でサンゴが死滅した後、大量発生することが分かっている。このプランクトンの毒が食物連鎖で魚に蓄積して「毒魚」となり、バラフエダイやオニカマスなど数百種にも及ぶという。こうした魚の多くは市場価値がなく、ほとんど出回らないが、漁師や釣り人が口にすることがある。
日本では2002年以降、18件のシガテラ中毒が報告されたが、ほとんどは沖縄県内で、本州ではあまり知られていない。しかし、一昨年に茨城県で、昨年には大阪府で報告された。18件には入っていないが、神奈川県でも昨年、診断例がある。こうした状況を受け、静岡市で先月開かれた日本水産学会では「原因プランクトンの生息域拡大の可能性がある」として緊急シンポジウムが行われた。シンポジウム世話人の四国大短大の西尾幸郎教授は「温暖化などとの関連に確証はないが、温帯域への広がりは懸念される」と指摘する。
福代康夫・東大アジア生物資源環境研究センター教授は「海藻に付着して流れてきたり、船のタンクにためる海水に混じって運ばれたりし、地球温暖化による海水温上昇で定着したなどの可能性は考えられる。しかし、プランクトンの分布調査などが進まないと、断定するのは難しい」と話す。