
リュウキュウアユのたまご。目が出来て、動き出す頃。
この写真はもう、16年くらい前、リュウキュウアユの撮影に行ったときに写したもの。
水が濁っていて産卵シーンそのものは撮影できなくて、受精卵を宿に持って帰って、撮影した。
今回のリュウキュウアユ産卵床改善プロジェクト(=リバーリバイバル)で生まれた卵も、1週間くらいでこんな風になる。
大きさは、1mmくらい、肉眼では少し厳しいが、目玉が動くのが見える。
石にくっついている部分がバネのようになっていて、流れで震えるので表面の泥が落ちるんだぁ。
この写真は、学術書の表紙になった。

水生生物の卵サイズー生活史の変異・種分化の生物学
日本魚類学会のHPより
編 者:
後藤晃(北海道大学大学院水産学研究科)
井口恵一朗(水産庁中央水産研究所)
発 行: 2001年4月20日
体 裁: A5判・並製本・272頁
定 価: 3,150円(本体3,000円+税)
ISBN: 4-905930-76-6 C3045 Y3000E
読 者: 水生動物の生活史進化・生態学に関心のある学生,教師,研究者
水中の生物の「たまご」は,わりと小さい。それでも,種や個体によって変異があり,その一粒一粒に子の将来を約束する糧が詰まっています。何と,その大きさを決めるレシピは進化の匙かげん。長い歴史にきたえられた証が読みとれます。そんな卵と向き合った研究者は,想像をめぐらし,調べて調べて,そして納得する。これぞ卵学ことはじめ。
味わい方は十人十色でも,取り組む姿勢はみな真剣そのもの。実践派,理論家,はたまた両刀つかいがしたためた11篇の話が,生態学的・進化学的たまご論を展開。どこから読んでも面白く,新しい発見がある書です。