川にアユがいない、ということを考えた。

今年は13年ぶりに発生した黒潮の大蛇行が、居座っている。
黒潮大蛇行1年、沿岸漁業に打撃 (産経新聞) - goo ニュース
写真は、三重県のHPから見ることのできるNOAAの衛星画像。
 三重県科学技術振興センター水産研究部より

 長良川にアユがいないことに、黒潮大蛇行による伊勢湾の水温低下を関連図づけることは、実情に合わないことは、ブログ
ボラ騒ぎ ボラの大量遡上を考える
で述べた。

 このボラがいて、アユがいないことについて、もう少し情報を集めるつもりでいるのだが、ひとつの原因として、昨年のゲート操作が要因となって、長良川河口堰上流の水の流れがゆっくりになった可能性については検証をしたいと思っている。
 参照 ブログ記録的不漁の原因

 ただ、原因はどうであれ、アユがいない川というのは、とても、いびつな川だ。

何百万匹という大群で、遡上して夏の間だけ川にいるさかな。
4ヶ月で体重が30倍にもなるさかな。
最盛期には、体重の1.3倍もの餌、(藻類)を食べるさかな。

ある季節のあいだ、アユは川の皇帝として君臨する。

 そんな、アユのことを。愛媛大の水野信彦名誉教授は
「アユは清流の魚ではない。清流を作る魚だ」といった。
 
 アユがいなくなった長良川をみると、その言葉の真実がよく理解される。
漁師さんが指摘する水質分析では表現できない川の汚れ、それは、アユにより利用され、人間の営みの中で、川から取り除いてきた栄養素。それらが川に飽和して引き起こしているように思われる。

 今年の長良川は、
 皇帝のいない八月を迎える…。

 ニイムラ