
サツキマスは何処へ行ったか。
塩焼きにして食べてしまったのだが、少し事情を話さなくてはならない。
何度となく書いてきたことだが、今年のサツキマス漁は今までにない不漁となっている。
数も少ないのだが、捕れる魚も、とても小さなものだ。
この小さなサツキマスがどういう由来のものか、つまり、ホントに海にまで下ったものかどうか、調べてみようと、手を尽くして、魚を集めている。
ボクが必要なのは、大きさと写真、そして、頭である。
サツキマスの頭の中には、耳石という堅い骨のようなものがある。耳石には一日に一回り大きくなる日輪(年輪は1年)があって、そいつをとても高価な装置で分析すると海に行ったかどうかが分かる。
そこで、釣り人に、食べた後、頭を下さいとお願いしてまわっている。
その結果、時々は、身のほうもボクのものになるというわけである。
以前、一度にたくさんのサンプルを手に入れようと、料亭にもらいに行こうかと考えたことがあって、漁師さんに相談した。
にいむらさん。たのむで それだけはやめてくれ。
このようなお願いをしてまわるのは、かなり、哀れに思われるもののようでもある。
にいむら