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就業規則を作成するときの注意点

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■就業規則の作成・届出義務


 労働基準法で就業規則の作成・届出の義務が規定されているのは、常時10人以上の労働者を使用する事業所のみです。従業員の人数をカウントする場合は、アルバイトやパートタイマー等もカウントします。また、この10人という労働者の数は、事業所ごとの人数です。仮に、従業員が100人いる会社でも、多数の支店があって、個々の支店ごとに数えて所属している従業員が全て10人未満であれば、法律的には就業規則の作成・届出義務はありません。

 しかし、法律的に作成義務がなくても、「業績を上げるために」働き方や組織の一員としての行動指針・考え方を共有することは非常に重要であり、10人未満の会社であっても、ぜひ作成することをお勧めします。

 上記の該当する事業所は就業規則を作成し、従業員の過半数を代表する者か従業員の過半数で組織する労働組合(以下、従業員代表者という)の意見を聞いた上で、労働基準監督署に届け出なければなりません。また、就業規則の一部を変更する場合も同様です。就業規則を届け出るときは、従業員代表者の意見が表明してある「意見書」が添付されていれば受理されます。この労基法の規定は、労働者に就業規則の内容について従業員側の意見の反映の機会を与えることを主旨としているので、従業員との協議や同意までは必要としていませんし、仮に反対意見が意見書に記載されていたとしても受理されます。しかし、このような就業規則では従業員が生産的な仕事をするとは思えません。

 そこで、就業規則を作成または変更した場合、「就業規則説明会」を開催し、疑問点などはその場で解決してもらうことが非常に重要です。


■就業規則に定めておかなければならない事項


 就業規則には、絶対に定めておかなければならない事項(絶対的記載事項)と、そのような規定を設けるのかどうかは自由だが、設けた場合は必ず記載しなければならない事項(相対的記載事項)が、労働基準法により定められています。


1.絶対的記載事項

【労働時間関係】
①始業・就業時刻
②休憩時間
③休日
④休暇
⑤交替制で就業させる場合には就業時転換に関する事項

【賃金関係】
①賃金の決定・計算の方法
②賃金の支払いの方法
③賃金の締め切り・支払いの時期
④昇給に関する事項
退職関係 ①退職の事由とその手続き
②解雇の事由等


2.相対的記載事項

①退職手当に関する事項
(適用労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払いの方法・支払い時期)
②臨時の賃金等(退職手当を除きます。)、最低賃金額
③食費、作業用品、その他の負担
④安全・衛生
⑤職業訓練
⑥災害補償、業務外の傷病扶助
⑦表彰・制裁の種類・程度
⑧その他全員に適用されるもの(旅費・福利厚生等)


3.任意に記載する事項
上記以外
(就業規則の制定趣旨、経営理念など)


■就業規則は公開しなければ意味がない


 せっかく立派な就業規則を作成しても、従業員に公開しない経営者の方も多く見受けられます。しかし、これで

は全く意味がありません。労働基準法では就業規則を労働者に周知し、いつでも見られる状態にしておくことが必要であると定められています。周知の方法としては、次のいずれかの方法で行うこととなっています。


【就業規則の周知方法】
 ①常に各作業場の見やすい場所に掲示または備え付ける。
 ②各労働者に書面でわたしておく。
 ③磁気テープ、磁気ディスクなどに記録し、各作業場に労働者がいつでも確認できる機器を設置する。


 就業規則を公開・周知しなかった場合、就業規則の効力はどうなるのでしょうか。判例では、就業規則が効力を有するためには、就業規則の適用を受ける事業場の社員に周知される手続きが取られていることを要する、と判断しています(フジ興産事件・最2小判平成15年10月10日)


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