冬合宿2017年~2018年 飯豊連峰 西俣尾根~頼母木山~地神北峰

フルメンバー
HODAKA、NISI、ZAKI、TAMA、YASU記
1泊サポート
ひらっぺ、DOTA、SADA

2017年12月29日
 NISI宅集合6:00~奥川入山荘出発8:50~大曲10:20~西俣峰12:50~テントin14:00
2017年12月30日
 西俣峰出発9:20~オオドミ着13:20
2017年12月31日
 オオドミ発8:20~頼母木山10:20~地神北峰11:00~下山テント着13:00
2018年1月1日
 オオドミ発9:20~奥川入山荘着13:20



12月29日 晴れ

西俣に2缶。オオドミに7缶のデポを、それぞれに竹ペナントを上げている。
門内小屋にも少しのデポを置いている。
ひらっぺ、DOTA、SADAの強力なサポート隊も頼もしい。
この春にはK2へ挑むHODAKAにとっては稜線は当然、あわよくば門内岳、北股岳へと意欲満々。
慎重派の僕としてはとにかく隊を無事に下山させる事を心に、前方に広がる飯豊連峰に手を合わせて出発する。
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天気はいい。
大曲までの急登をひらっぺがどんどん引っ張ってくれる。
そこからはラッセルを交代しながら進む。
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時折、風による地吹雪はあるが、天気はいい。
それでも下山を考えて要所要所にペナントを結び進む。
12:50西俣峰に到着。
デポを回収し、V6とスタードームの2基を建てる。
楽しい宴会は続き。明日を考えよき頃にそれぞれのシュラフに潜り込む。



12月30日 吹雪

寝る前に1度、朝に1度、テント周りの除雪をしたが、飯豊にしてはたいした事ではない。
夜中、順番に除雪をし続けた年も何度もあった。
朝、天気は悪いが、視界が効いている。
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本日はオオドミまで伸ばせばいいだけなので、ゆっくりと出発。
途中まで、サポート隊が空身でラッセルをかって出てくれてありがたい。
サポート隊が引き返し、いよいよ5人になった。
それぞれにラッセルをがんばる。
が、例年に比べたら雪が深くない。順調に順調に進む。
枯松峰からオオドミへの雪原には竹を立てて進む。
急な登りをTAMAちゃんが頑張って、目指していた木にヒラタケのご褒美。
13:20オオドミに着く。
そこからデポ7箱を掘りだす事は大変だったし、強風の中、V6を張るのも難儀だった。
強風でテントポールのジョイントが曲がったりしたが、応急処置で問題なし。
テントに潜り込んで飲んだ。
天気予報は夜から明日の夕方まで回復する。バッチリのタイミングだ。
しかし、早くにテントに入れば当然飲む。当然飲めば当然酔っぱらう。

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そんなこんなで、HODAKAが足に火傷をしたり、なんだらかんだらで。。。
まあ、それはここでは書かない。


12月31日 晴れ

HODAKAの火傷が痛々しく、北股岳へのアタックは諦め、頼母木山を目指すこととし、ゆっくりと出発。

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HODAKAは靴を履いたら、そんなに痛みもなく「これなら、北股を目指せばよかったよ~」というくらいだ。
それはHODAKAの本心なのか、強がりなのか、僕らへの気遣いなのかは分らないが、僕としては一安心。
こうなってはみんなで稜線に出よう。こんなチャンスはない。
夜眠れずに、もっともテンションの低かった僕であるが、先頭でガンガンとラッセルを進む。
振り返れば朝日連峰、右手にはエブリサシ、正面には頼母木山が美しい。
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途中、スノーシュー&ストックをアイゼン&ピッケルに変えて進む。
HODAKAがどんどんと先頭でひっぱり、NISIとZAKIでペナントを貼り、出だしに飛ばし過ぎた僕はTAMAちゃんの後ろをついていくのがやっとだ。
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10:20頼母木山到着
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360度の全景だ。


こんなに天気のいい厳冬期の飯豊はそうそうない。
多分、向こう10年こんな冬合宿はないだろう。
HODAKA&YASUが飯豊の稜線に出るまでには3年かかった。
NISI&ZAKIも何年もチャレンジして今回、初めて飯豊の稜線に出れた。
TAMAだけが幸運にも今年、悠々と登頂できてしまった。なんだか悔しい。。。
さて、天気がいい。もっと進みたいというHODAKAのキラキラとした瞳にみんなしたがって、地神北峰を目指す。
地神北峰からは本山も見える。
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さあ、天気が崩れる前に下山しよう。
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13:00にテン場に到着し、天気がいいのでお外でお茶をし、日が陰るとテントに潜り込んで飲んだ。
そう、今日は大晦日なのだ。
ラジオで紅白を聞いて、24時まで飲んだ。



1月1日 曇り

朝方は風が強く、雪が積もっているかな~とは思ったが、夜中に除雪するほどではなかった。
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天気も悪いが視界もしっかりと開けている。下山に問題はない。
早く下ってお風呂に入りたいとか。まだ飯豊の中にいたいとか。思いそれぞれに下山する。
西俣のデポは全て回収した。
13:20無事に奥川入山荘に到着。
天気に恵まれて素晴らしい。冬合宿だった。


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※注意喚起
この記録を読んで、な~んだ冬の飯豊の稜線に出るのはそんなに大変じゃないみたいだな~なんて思っている方がいるなら、大間違えです。飯豊には準備と経験と体力。しっかりとしたメンバー構成で挑んでください。
今回は奇跡的に天気が良かっただけです。
運よく天気がよく稜線に出れたとして小屋にたどり着いても、ひとたび天気が荒れたら何日も小屋に閉じ込められます。
無理に下山をしても視界が聞かなければ即、遭難です。
それを防ぐために我々飯豊族はみな多くのデポを用意し、ペナントをしつこいくらいに張って慎重に進むわけです。
天気と体力のみで突っ込むのは自殺行為です。
また、冬山はどこでも同じですが、ラッセルはチームを越えて総合協力で進むものです。
今回、危ない登山者に遭遇しました。
注意はしましたが、我々がテントにもぐっているうちに姿がなく、上に登ってしまったようです。
当然、得ている情報や感想は奥川入山荘さんにご報告はしていますが、すごく危ないな~というのが率直な感想です。
安全第一でありたいものです。