みなさんはどこで本を買いますか?
今年に入って2度、引越しをしました。
家移りする時に困るもの・・・・わたしにとってそれは蔵書です。
最初は春先の引越。
全ての本を持っていくことは難しかったため、随分と迷ってかなりの冊数の本とお別れしました。
次の引越しは夏の初め。現在の住まいに移りました。
書籍を置く場所が限られているので、厳選した本だけを持ち込みました。
読みたい本がある時、普段はまず図書館に足を運びます。
幸い、近くに公営の大きな図書館がふたつあり(県立と市立)、とても重宝しています。
そして「これだ!」というような、側に置いて何度も読み返したいような本に出会った時、購入します。
熱帯雨林でポチッとすれば、いとも簡単に本を手にいれることはできます。
とても便利。時間がない時は、どんなにありがたいことか!
でも同時にどこか物足りなさも感じます。
その正体は何なのかしら?
先日、東京で出会った、神楽坂駅を出てすぐのところにある小さな本屋さん
「かもめブックス」。
その本屋さんはカフェを併設していて、くつろぎながら本を読む人たちの姿がガラス越しに見えます。
どれどれ、と入店。
店内には、小さな本の「島」があって、いろいろな本が置かれています。
それぞれの島は、よくある「文学」「社会学」「医学」といったようなジャンル別になってはおらず、何だかバラバラ。
ところがよく見ると、でたらめに置かれているわけでもなく、なにか規則性があるみたい。
ここにはこのテーマで、今回はどんな本を置こうか、と考えているお店側の人の意図がチラチラ見え隠れします。
それを想像しながら「島」から「島」を巡るのがとても楽しい。
本はいろいろな場所で買うことができます。もちろん、オンラインでも。
なのに、公共交通手段を使っての旅の途中、東京の本屋さんで、わざわざ荷物が重くなるものを買う必要があるのだろうか?
それでもわたしは、「本を買う」という行為自体を、楽しいと思える場所で買いたいと思います。
欲しかった本はもちろん、私の本棚にこれまで存在しなかった類の本を、つい買わせてしまう本屋に出会いたい。
本棚のひとつひとつを丹念に眺め、自分の今の気持ちに呼応してくれる本はないか、確かめながら棚と棚の間を何往復もしたいのです。
本に出会うこと、本を買うということ、本屋さんの佇まい、店員さんなど、
わたしにとって思っていた以上に大切なものであったということを、再認識させる本屋さんなのでした。
ブックカバーつける派ではないのですが、かもめブックスでは店員さんに
聞かれるよりも先に、「ブックカバーをお願いします!」と言っている自分がいます。
なんだ私、つけるんかい!