母が入院をする前日。

急いで自宅を出ようとしている時、古くからの友人から小包が届いた。

封を開けてみたい気持ちになったものの、きちんと入院を見届けてからにしよう。

そう思い直して自宅を後にした。

 

疲れ果てて家に戻ってくると、小包が待っていた。

中にはお菓子の箱が一つ。おやつ?と思いながら開けていくと、次から次へと、マトリオーシカみたいに、次から次へと箱が入っている。

遊び心満点の彼女らしい。最後にこのミニ手毬(1つが2cmくらい)と籠が入っていた。

 

同封されていた手紙には、

「今頃になってしまいましたが、5月の転居祝いです」

「お誕生日の頃はバラが咲き誇っていたかしら?などと思いを馳せながら作っていました」*私の誕生日は5月末。

 

彼女は「今頃になってしまった」と書いていたけれど、この小さな薔薇の手毬が届く日が

木枯らし吹く今日でよかった。

 

物事を受け取るタイミングはいつも予期せぬ時にやってくる。

 

 

手毬には、「円満な家庭を築けるように」「何事も丸く収まりますように」という意味があるのだそう。

 

彼女にはゆっくりたっぷり時間をかけて手紙を書こう。