ある朝、人懐こい笑みを浮かべた、背の高い、ハンプティダンプティのようなお腹の、

 

背の高い白人男性が、ゆさゆさと体を揺らしながら、私の前に現れました。

 

私の所属していた英会話学校の講師に応募に来たのでした。

 

彼のにっこり顔を見た瞬間、なぜか私は

 

"Hola! ¿Cómo está?"(スペイン語でこんにちは)

 

と声をかけていました。

 

なぜ初対面の彼に、いきなりスペイン語で話しかけたのかは自分でもわかりませんあんぐり

 

スペイン語で挨拶されたジョーも驚いた様子でこう返しました。

 

「どうして僕がスペイン語を話すことがわかったの? こんなことは初めてだよ」笑

 

ジョーは、南米のチリ(公用語はスペイン語)の出身で、小学生の頃に家族でオーストラリアに移住したとのことでした。

 

オーストラリアで小学校の教員をしていた彼は、日本人女性と結婚し、

奥様の実家のある新潟で暮らすことに決めて、移住してきたばかりでした。

 

このような出会いで、わたしはジョーといろいろな話をするようになりました。

 

彼の朗らかな笑顔のせいなのか、私は自分の考えを彼に打ち明けました。

 

・実はこの英会話学校を辞めて、メキシコに留学を考えていること。

 

・ゆくゆくは自分の英会話教室を持ちたいと思っていること。

 

・同時に、不満はあるものの、今の慣れ親しんだ仕事を辞めてしまうことに抵抗もあること。

 

・メキシコに留学したからと行って、未来がどうなるか分からず、不安もあること。

 

・そして、メキシコの大学選びが難航していること。

 

それを聞いてジョーは、私の決断と迷いをとても嬉しそうに聞いてくれました。

 

きっと君ならいい先生になれるよ。

ぼくもスペイン語が母国語だからわかる。

 

英語を学び始めた時の大変さ。どこで間違い、どこが難しいのか。

 

でも、その経験がオーストラリアでの教員生活でとても役にたったんだ。今もそうだよ。

 

君も、日本人として努力や苦労をしながら英語を学び、僕とこうしていろんな話をすることのできる語学力を持っているよね。

 

そんな君だからこそできることがあるんじゃないかな。

 

大丈夫、どうにかなるよ!

ひとつのドアが閉まったとき、また別の扉が開くから!

 

When one door closes, another door opens!

 

そして彼は続けて、

 

きっとメキシコよりも、もっと広い大陸に行った方がいいよ。

例えばぼくの故郷、チリなんてどう?

 

僕は幼い時にしか住んだことがないけれど、とても良い国だったよ。

 

南米にはパタゴニアもある。

 

君の好きな写真や自然を満喫するには良い国だと思う。

 

🇨🇱

南米情熱大陸?!智利? 何も浮かんでこなーい!

 

でも私の直感が「そうだ、そっちだ!」と叫んでいる気がしました。キューンキラキラ

 

私の中で何かが弾け飛んだ瞬間でした。