カノヤザクラ飛躍の夏 北九州記念(G3)  | 2008年 札幌記念・新潟記念 穴馬を探せ!徹底予想!

カノヤザクラ飛躍の夏 北九州記念(G3) 

 サマースプリントシリーズも今週の「北九州記念」(G3、17日・小倉、芝千二百メートル)で折り返し点。戦いはいよいよ佳境に入ってくる。注目はやはり、現在シリーズトップタイを走るカノヤザクラだ。前走アイビスSDは、課題のゲートをクリアして持ち前の速力をフルに発揮、念願の初タイトルをゲットした。勢いに乗ってここも制すれば、夏の王座獲得へ向け、王手がかかる。


 昨年の中日スポーツ賞ファルコンSで2着。その時に示したスプリンターとしての資質は、約1年5カ月の歳月を積み重ねて今や完全に開花。父サクラバクシンオー×母の父ウッドマンから天性のスピードとパワーを受け継いだカノヤザクラ。サマースプリントシリーズ第2戦、アイビスSDで念願の重賞初Vを飾り、待ちに待った飛躍の時を迎えた。


 その前走が味な内容だった。「初の直線競馬で追走は手いっぱいだったけど、エンジンがかかってからはしっかり伸びてくれた」と橋口調教師。大外枠から終始、外ラチ沿いをスムーズに追走できたのは大きかったが、追いだしてからの速力はさすが。課題とされていたスタートを五分に切れたところにも、成長がうかがえた。


 今回は千二百メートルに戻るものの、「この距離の方が追走はラクになるからね」と指揮官。「今回もスタートがポイントだけど、差しの利く馬場にさえなってくれれば楽しみ」と自信を隠さない。中3週ながら中間の調整も順調だ。「前走後、新潟に輸送したこともあって体は一度減ったけど、今は戻っている。仕上がりは上々だよ」。そのトレーナーの言葉通り、1週前にはハロー前の坂路で楽な手応えのまま、半マイル52秒5を計時。「夏は牝馬」の格言をあらためて思い起こさせる動きだった。


 今回、橋口きゅう舎はもう1枚の大駒、スリープレスナイトもスタンバイ。とはいえ、サマーチャンプの座へ向けては、カノヤが最短距離にいるのは事実。ここは勝って一気に王手をかけたいところだ。


出典:中日スポーツ