関屋記念 シェンクで河内師重賞初V | 2008年 札幌記念・新潟記念 穴馬を探せ!徹底予想!

関屋記念 シェンクで河内師重賞初V

「関屋記念・G3」(新潟11R)


 素質馬の完全復活は、人馬にとって待ちに待った重賞Vとなった。直線大外から鋭く伸びた1番人気マルカシェンクが、05年デイリー杯2歳S以来、2年10カ月ぶりの重賞V。河内師は開業4年目で念願の初タイトルを手にした。昨年のカンパニーに続く関屋記念連覇となった福永も今年の重賞初V。デビュー翌年から続く、重賞勝ちを12年連続に伸ばした。


 究極の上がり勝負を、最後は力でねじ伏せた。直線大外から脅威の上がり3F32秒3の末脚を繰り出したマルカシェンク。実に2年10カ月ぶりの重賞制覇、福永にとってもレース連覇、12年連続となる今年の初重賞Vとなった。それでも開口一番、「ゴールした瞬間、まず河内さんの顔が思い浮かんだ」。その勝利は開業4年目の河内師にとって、30回目の挑戦で待ちに待った重賞初Vとなった。


 ジョッキー時代には134勝もの重賞勝ちを重ねた河内師だったが、調教師になってからは06年天皇賞・秋のアグネスアークなど重賞2着が6回を数え、産みの苦しみを味わった。「長かった。2着が多かったからなあ。きょうも最後は何かにやられるんとちゃうかと思って。これで厩舎のほかの馬も勢いに乗ってくれればいいけどな」とはにかむように笑った。


 その勝ちっぷりは、1馬身の着差以上の強さを感じさせる完勝劇。「やっぱりマイラーかな。今日は負けてもらっちゃ困る相手。かわし去ってからも遊んでいたからね」と福永は余力残しでの勝利を強調する。


 デビュー直後はダービー候補と騒がれた逸材だったが、2度の骨折に加え、一歩間違えば命を落としかねない腸捻転(ねんてん)による手術も経験した。「ここまではツキがなかった馬やけど、今日の内容なら完全復活やろ」とトレーナー。課題だった賞金加算も成功、この後は厩舎に置いたまま、天皇賞・秋(11月2日・東京)、マイルCS(同23日・京都)を視野に調整される。苦難を乗り越えて、復活を果たした素質馬が秋の大舞台を見据える。


出典:デイリースポーツ