平成27年6月18日
<IMF準備資産人民元採用>(意見)
6月18日付産経新聞は、IMF副専務理事古沢満宏氏談として「ラガルドIMF専務理事も人民元がIMF準備通貨として入るか入らないではなく時期の問題と発言した。今年は駄目で2020年というのは考えづらい。――いろいろなアイデアが可能だと思う」と、報じられていました。私は、ラガルド専務理事も古沢副専務理事も、世界の通貨の番人として極めて無責任な発言であると思います。
第1に、2011年10月IMF理事会の大半の理事は、現SDRバスケットの選択基準は引き続き適切である。人民元は自由に便利に取引(Freely Usable Currency)ができない通貨」として見送った経緯があり、日本国にとってはその事態はますますひどい状態になってきているからです。それは、
(1)中國の経済全体が、国際的な会計基準で支えられていないこと
(2)中国共産党のための私的経済システムであること
(3) 中国が東支那海に加えて南支那海においても、近隣諸国との紛争を拡大していること(4)中国が日本の歴史を捏造して、日本国に対する中国民の憎悪を煽り激化させることを
国策としていること
等があり、恐ろしくて自由に便利に取引できない通貨であるからです。
第2に、国際収支の苦しい諸国に対し、人民元建て債券を発行させそれを引き受ける傍ら同額の定期預金を中国の銀行に作らせて、債権、債務を両建てさせる取引を数百億ドル単位で増やしている形跡があります。これらの諸国はこの人民元を米ドルの通貨として準備通貨に計上してIMFに報告する粉飾を行っており、同時に、IMFはこれを黙認している形跡があります。又、人民元を対価とした二国間スワップ協定枠を、準備通貨としている国があります。国際通貨体制の信用攪乱要因ですので、IMF当局の指導が望まれます。
第3に、各国の通貨状況把握のためにIMFは、中央銀行の決算書を点検する立場にあります。ところがその中央銀行の決算書に、監査役監査報告書並びに監査法人監査報告書に保留意見があり、監査報告書なきも同然のいいかげんのものまであります。中国の中央銀行の場合も同然のものではないでしょうか?
日本国政府としては、IMFが今まで世界通貨の健全性を主導し、根幹のところで世界経済の健全性を堅守してきた歴史を顧みるとき、短期に決済のつく貿易及び金融の量の大きさだけに目を奪われることなく、普遍性を重視して世界をリードしてきた米国と情報を良くすり合わせて、同調して行動すべきであると思料します。以上
平成27年6月18日
内閣官房、国家公安委員会・警察庁、金融庁、外務省、財務省、経済産業省、防衛省、会計検査院への送信依頼を受付ID:0000939043で受付ました。