こんにちわ。
日本投資機構株式会社
アナリストの
Kanonです。

もし私の記事を読んでいただいて
少しでも株式投資に興味をもっていただけたり、
関心をもっていただければ「いいね!」お願いします。

 

■日経平均株価最高値更新

2024年2月22日
日経平均株価は
1989年の史上最高値
3万8915円を更新し、
前人未到と言われた4万円を
2024年3月4日に突破しました。
 
そして2024年3月7日
日経平均株価は
4万472円を付け、
現在に至ります。
 
この歴史的瞬間に立ち会えたことは、投資に携わるものとして大変うれしく思っています。
1989年と言えばいわゆるバブル全盛期。
翌年の1990年からバブルは崩壊し日本経済はスブスブと低迷していきます。
 
2024年2月22日以降、当時の好景気を経験した人は声を揃えてこういいます。
 
「好景気と感じない。むしろ苦しい」
 
これはとどまる事をしらない円安進行による、物価上昇が大きく起因しています。
 
そして、物価上昇に対して、賃金の引き上げが追い付いていないことが大きいと思っています。

■なぜ円安になると物価があがるの?

最近、コンビニやスーパーなどで買い物をしているときに思ったことはありませんか?
 
『なんか・・・支払額がいつもより多くなっている気がする。』
 
日本は生活に必要な物資(食材など)やエネルギー関連(石油など)を海外からの輸入に頼っています。
必然的に円が安くなることで、輸入コストが上昇しますよね。
 
輸入商品を扱う会社は、商品の値上げをしないと存続することが出来ません。
企業も泣く泣く値上げを実施します。
加えて、世界的半導体不足により電化製品など半導体が必要な商品の値上げ、品薄などが発生。
家電商品などの値上げもニュースになりました。
 
円が安いから海外からの旅行者が増え、訪日外国人により日本の商品がバカ売れします。
 
メイドインジャパンは言わずと知れた高品質。
 
品質の高いものを特価で買えるとなれば、外国からたくさんの方が流れ込み、爆買いしていきます。
 
企業としても、値段を想定以上に上げても、外国人は自国で買うよりもまだ格段に格安で購入できるわけですから迷いはありません。
 
例えば、
日本の“たばこ”はひと箱約500円ですが、これがヨーロッパですと一箱約2000円。
日本で食べるラーメンの値段は平均一杯平均800円、これがアメリカですと一杯平均3000円
 
どれだけ日本が安いのかわかりますね。
 
そして相場の世界ではこんな面白い指標もあるんですよ。
 
≪ビックマック指数≫
 
2023年の調べでは日本は
世界44位で450円
世界1位はスイス
値段はなんと1098円
 
ファーストフードのハンバーガー一つの値段が
 
まさかの1000円オーバーです。
 
ビックマック愛好家のスイス人からすれば、日本は夢の国ですよね。
 
なので、爆安かつ高品質で長持ちする日本の商品は外国人が好んで買ってくれています。
 
なので儲かっている(厳密には売上高が上がっている企業がたくさんある)
 
だから日経平均株価は上昇をし続け、景気がものすごく良いように見える。

■インバウンド価格って何?

インバウンド価格という言葉を耳にするようになりました。
 
これは、訪日外国人に向けた商品価格を指します。
 
外国人はたくさんお金を使ってくれるのだから、商品の値段を上げて販売すれば儲かるじゃん?値段を上げたとしても自国で食べたり、買いモノするよりも格段に安いんだから。
 
たしかに、その通り。
企業・商売としては自然の利であり鉄則です。
 
しかし、これには犠牲が伴ってしまっているってことも大事なところです。
 
それは、インバウンド需要により、日本国民の消費が追い付けないスピードで物価が上がってしまっていることなんです。
 
例えば最近のニュースで
 
日本の海鮮食の人気から、2000円の海鮮丼がインバウンド価格として8000円などに値上げされたことに対する意見でちょっとした炎上案件となりました。
昨日まで2000円で食べれていたものが、今日いきなり8000円になっていたら、現在のご時世を理解していたとしても、注文・・・躊躇しちゃいますよね。
 
だって、私のお財布事情は昨日と今日ではまったく変わっていないのだから
 
日本人価格:2000円
外国人価格:8000円
 
なんてことは、当然できないわけで・・・。
 
インバウンド需要が薄れたとき、このお店がどのような対応をとっていくのか。
 
果たして、今回の値上げにより失った日本人常連客は戻ってきてくれるのか。
 
はたまた、成功し続けるのか。
 
気になるところです。

■日経平均騰がってるのになんで生活水準は平行線なの?

ここから本題となります。
 
結論からいいますと
 
一般労働者の賃金(給与)上昇スピードと物価上昇スピードに乖離があるからだと思っています。
それに加えて、訪日外国人散財にて、物価上昇スピードがここにきて更に加速しています。
 
このままでは、日本に住む日本人でありながら、今まで当たり前に使用してきた日本の商品を買うことがかなわず、海外の劣化製品や鮮度の落ちる食事で生活するしかなくなる日本人が現段階でも実際に増えつつある。これが当たり前な社会・・になってしまうと予想しています。
 
こうなると、生活基盤を海外に移す人も間違いなく増加します。
 
ではなぜ、
 
こんなに業績が良くなっているのに、賃金は業績に比例して上がっていかないのか?を考察していきます。
 
簡単です。
売上は伸びていても、利益は言うほど伸びていないからです。
 
前述してきたように、輸入大国である日本は、たくさんの食材や何かを作るための材料、エネルギー関係を輸入に頼っています。
 
インバウンドも重なって、大きく値上げされている商品が目立ちますが、円安により材料コストがかかっているので値上げは当然である話を前述してきました。
 
すなわち
 
値段が上がっている分、例え前年と同じ販売個数や、前年よりも少ない販売個数だったとしても売上金額は前年よりも大きく見える場合が多い。
前年度よりも売上という数字が増えていれば
企業が成長しているように見える。
 
しかし、
利益や業績も比例して大きく伸びているのか?は全くの別問題
 
例えば
今まで100円で買えていた商品が150円になりました。
 
100円で販売していた当時、この商品の原価は50円でした。
輸入コストの関係で現価が100円かかるようになってしまったので、泣く泣く150円で販売せざるを得なかったとします。
 
現価50円の商品を100円で販売。
100個売れて10000円の売り上げがありました。
利益は5000円でした。(粗利)
 
今年は商品コストが上がって
現価が100円になってしまった商品を150円に値上げして販売。
同じく100個売れて15000円の売り上げがありました。
利益は5000円です。(粗利)
 
前年比で
売上+50%上昇
利益率に変動ありませんでした。
 
このような現象が起きております。利益率は前年度と変わっていないのだから従業員のお給料を増やしてあげるということは経営判断としては難しいところですよね。
 
又は
現価50円の商品を100円で販売。
100個売れて10000円の売り上げがありました。
利益は5000円でした。(粗利)
 
今年は商品コストが上がって
現価が100円になってしまった商品を150円に値上げして販売。
80個売れて12000円の売り上げがありました。
利益は4000円です。(粗利)
 
前年比で
売上+20%上昇
利益率は▲20%となりました。
 
このように売上額は前年を上回ったものの、利益率が減少してしまった上に販売個数も減少というケースもあります。
これは100円なら買うけど150円なら買わない!っていう方が増えたということです。
つまり客離れ。
利益率は前年度よりも下がっているのだから従業員のお給料を増やしてあげるということは経営判断としてはかなり難しいところですよね。
 
このようなからくりの元、日本人の給料は日経平均株価と比例してアップするものではないということです。
 
科学や企業は進化進歩すればするほど
我々の生活や商品はより良く便利になっていきます。
 
しかし、物価が上がったのであれば、せめて同じだけ給料も上がってくれないと、生活水準を維持していくことは不可能ですよね。
特に年齢が高齢になれば病院代や薬代、毎日の食事にも制限が入るなどで安価なものを食することが難しくなってきます。
 
便利な世の中=高齢者が生き易い世の中
 
ではないということにもなりそうです。

■まとめ

上々株式会社は株主に対して、
 
①業績を数字として良く見せたい
②安心してもらいたい
③もっと株を買ってほしい
 
と思っていますので、当然に、伸びた売上を前面に公開してきます。
 
去年よりも
売り上げが
なんと、なんと、なんと!
20%
アップしたましたー!!!
利益は減ったけど。。。
 
このように聞けば、一般の投資家や株主は
 
「お!順調に業績伸ばしてるなぁ」
 
と、勘違いしてしまう方が多くいます。
 
しかし、蓋を開けたら
「あれ?売上は伸びてるけどこれ商品単価が上がって伸びただけで、実は去年とあんま変わってなくね?」
 
と気付くのです。
 
これが決算で業績が良く見えるのに株価が一時的に急上昇したり駄々下がったりする謎の一つでもあります。
 
しかし、
 
現実として日経平均株価は確かに上昇しており、新NISA制度開始も相まって2024年は市場が非常に過熱感を帯びています。
呼応するかのように
多くの企業が右肩上がりに業績を伸ばしてきています。
 
海外投資家の目は今、日本の市場に向いています。
 
円安
メイドインジャパンは安心
治安がいい
仕事の丁寧さと勤勉さ
むっちゃ働く
 
これらが再評価されているものだと思っています。
 
まだまだ、日経平均株価は上昇していくだろうと言う算段が、アナリスト界隈でも言われているのをご存知でしょうか。
 
しかし、これは日本人による資金で上昇しているのではない
 
つまり日本の企業が
頑張って頑張って頑張って
株主に還元したとしても、その多くは日本人株主ではなく、海外の大株主へ流れていく。
 
ようするに、過去のバブルは目の前でみんなのお金があっちいったりこっちいったりして大きく膨らんでたくさんの人に需要と供給が過剰に生まれて、目線の上でとんでもないお金が宙を舞っていましたが、今ははるか天空のかなた、まさに雲の上でお金が飛び交っているので一般人である我々の目線では捉えることができませんよね。
 
これでは、日経平均株価が最高値更新!!!
 
いこーる
 
ばぶりーーーー!!!
 
とはなかなか感じないですよね。。。
 
まだまだ
物価は上がるよどこまでも
 
なんてことにならないことを祈ります。