秋の風物詩
曝書:
出典:いずれも足利市
経緯:
栃木県足利市にある国史跡・足利学校で江戸期以来の伝統行事・曝書が行われている。
曝書は、収蔵庫から運ばれた古書をきり箱から取り出して敷き紙の上に並べ、ぺ-ジを一枚ずつめくって状態を確認していく。
所蔵の古書は、国宝4種・七十七冊、重要文化財8種・九十八冊を含む一万七千冊、今年の曝書は千冊が目標で、1日の作業は5種・七十六冊が対象。
作業では、国宝・礼記正義、国指定文化財・附釈音毛詩註疏など貴重な古書がずらりと並んだ、礼記正義には、寄進者で足利学校を再興した室町中期の武将で関東管領・上杉憲実の自筆が残る。
作業の実施条件は、雨が降っておらず、湿度が40〜70%で実施するかどうかは当日朝に決まるという。
曝書・ばくしょ/虫干し:
和装本の紙を食べる害虫の紙魚・しみを追い出すため、風を通して湿気をとり、荷重によるストレスを緩和すること。
雑感:
曝書と一般参観が、10月・7日間、11月・11日間行われる予定で、良好な保存には一冊一冊に手間を掛け、緻密な作業が必要であり、保存の大変さを痛感する。
ab.nan