丸岡城:
出典:坂井市
経緯:
福井県坂井市は、丸岡城天守の創建が寛永年間・1624年以降と推定されることを明らかにした。
国宝指定に向け、建築時期を特定する必要性から調査を行い、天守の多くの木材や構造上で重要な通し柱も天正期築城からの増改築ではなく、寛永年間新築の可能性が高いとした。
寛永元年 丸岡藩誕生時に天守造営が計画され、寛永年間に整備されたとする。ただ天守台が野面積みの石垣で、木材の一部伐採から慶長以前にも天守があった可能性もある。
市は「当時の文献がほとんどないだけに、科学的根拠だけで結論付けるのは残念。新たな資料の発見に期待したい」という。
通説が覆ると国宝松本城の天守が1590年代建造とされ、現存する最古となる可能性が浮上する。
寛永年間以前に建てられた天守は、1590年代・松本城、1601年・犬山城、1606年・彦根城と続く。
丸岡城天守:
天正4年 織田信長重臣・柴田勝家のおい勝豊が築城し、建築時期の根拠は、柴田勝家公始末記「丸岡城者天正四丙子年築之、霞ケ城ト云」の記述のみ。
松本城天守:
石川数正・康長親子が1593〜94年、5棟の天守群のうち大天守・渡櫓・乾小天守を完成させ、木を多く伐採したなどの古文書記述を公式見解とし、科学的調査は行なっていない。
雑感:
松本城を巡っては、天守は江戸時代に入ってから造られたなど様々な見解がある一方、犬山城にも1537年、現存する天守の二階部分までが完成したとの説がある。
慎重に 歴史・記録は 変わるもの
ab.nan