好きなもの、影響を受けたものについて書いてみよう、の第2回目です。

ぼく個人としては、邦楽は洋楽以上にメジャーなものからアングラまで幅広く聴いてるつもりなので、まず何を取り上げようかとほんとうに迷ったんですが、前回のキングクリムゾンの『宮殿』に匹敵するぐらい、人生の転機となったアルバムを紹介しましょう、ということで今回は、
はっぴいえんどの1st『はっぴいえんど』です。通称ゆでめん、ですね。
かの有名な『風街ろまん』ではなくこちらの1stを選んだのは、単純にこのアルバムで初めてはっぴいえんどを聴いて、当時中学生のぼくはぶっ飛んでしまったからです。そしてぼくは "自分のバンドを作ったら絶対に日本語で歌う!" と、それはそれは強い決心をしたのでした。その誓いは今でも守っています。えらい。

1.春よ来い

毎年、1月1日の0時には必ず聴いています。
ドロッとヘヴィなロックサウンドと日本的な世界観を強く打ち出した歌詞の融合ってのが個人的にかなりツボで、同じようなことを同時代の村八分なんかにも感じるわけですが、この手法は自分のバンドの曲でもよくやらせてもろてます。

あとはまあ、ギターがとにかくすごい。当時、鈴木さんはまだ10代ですよね…。はあ。

2.かくれんぼ
自分の曲の歌詞では「お茶」という言葉がよく登場するのですが、それはこの曲の「♪ぼくは熱いお茶を飲んでる〜」という歌詞に影響を受けてのことなんです。なんだかしみじみとした趣を感じさせてくれる一節で、もうずっと惚れっぱなしです。

3.しんしんしん
細野さんの音楽はぼくの人生にかなりでかい影響を与えているのですが、このはっぴいえんどの1stに入ってる細野さんの曲って、以降のキャリアをふまえるとけっこう "らしくない" 曲が多い気がしてて、それも楽しみのひとつかなと思ったり。

4.飛べない空
あまり目立ってない気がしますがアルバムの中でも上位で好きな曲です。コード進行が複雑でおもろいですね。変なコード進行ってところに関しては、このアルバムから細野さんは一貫してますねえ。


5.敵タナトスを想起せよ!
サビのギターがマジでかっこいいんだ。当時、鈴木さんはまだ10代ですよね…。はあ。(Reprise)

6.あやか市の動物園
言葉遊びが楽しい曲。ぼくはこの曲のベースがたまらなく好きです。

7.12月の雨の日
マジな話、人生でいちばん衝撃を受けた曲です。中2のときにYouTubeでシングルver. のほうを聴いたのが最初で、情緒あふれる詞・メロディとそれに絡まるサイケな音像という構図に、めまいがするほど度肝を抜かれたことを今でもおぼえています。
当時、洋楽を中心に聴いてたぼくはこれをきっかけにだんだんと邦楽のロック・ポップスに夢中になっていくのでした。

8.いらいら

はじめて聴いたとき、あまりに唐突な曲の終わりかたに、プレーヤーがぶち壊れたのでは、と思った記憶が。
いかにも大瀧さん作詞作曲って感じですね。
細野さんは次作の『風街ろまん』で完全にオリジナリティが花開いたように感じるのですが、大瀧さんはこの1stですでに自分のスタイルを確立しちゃってて、それがすごい。

9.朝

徹夜で朝をむかえた日には高確率で聴く曲です。
これは編成がシンプルですが、コード進行がえらくややこしい…。でもそこから紡がれる透き通ったようなメロディがめちゃくちゃに美しくて素敵です。

10.はっぴいえんど
細野さんの作曲ですが大瀧さんが歌ってますよね。なぜなのでしょう。
歌詞が風街ろまん以降の松本さんとは違ってやや説明的な感じですが、これはこれですごくいいですよね。

11.続はっぴ-いいえ-んど
不気味すぎる。
ぼくはこのアルバムに対して全体的にサイケな印象をもっているのですが、なかでもこの曲はサイケみがひときわ強いですね。
うーん、やっぱり、不気味すぎる。

 

はっぴいえんどについては、いずれ『風街ろまん』と『HAPPY END』も取り上げようと思っております。ので。

 

ではでは~。