越後屋は本当に極悪商人なのか!? | 日本史エンターテイメント

越後屋は本当に極悪商人なのか!?

>「越後屋、おぬしもワルよのう。」「いえいえ、お代官様ほどではございません。」
「ガーハッハッハ」「イーヒッヒッヒ


はい、悪巧みからスタートしてまいりました。異様な雰囲気の今日の記事でございます。

それにしても、これほど有名な悪巧みシーンもないでしょう。時代劇にあまり馴染みのない人でもこのやり取りは知っているのではないでしょうか?
まあ、実際に時代劇を見ていると、別の屋号の悪徳商人も登場するんですが、やっぱりよく知られているのは「越後屋」ですよね。

では、ここでハテナポイント!

越後屋というのは、それほど極悪な商人だったのか?


■実はたくさんあった越後屋

これほど、悪役として浸透した越後屋ですから、相当筋金入りだろうと思うかもしれませんが、結論から言うと、別にそういうわけではないんですね。

そもそも「越後屋」という屋号の商店は実はたくさんあったのです。ですから、時代劇に登場する極悪商人「越後屋」は別に特定の一店をモデルにしているというわけではないようです。

では、なんで「越後屋」がそんなにたくさんあったのか、ということになるわけですが、これは、当時の屋号の決め方からそうなったと言えそうです。

当時は、屋号を決めるとき、出身地の国名をつけることが多かったそうですが、越後はことに江戸に出稼ぎに行く人が多い国だったのです。
それというのも、越後は冬場は雪深い地。冬になれば農作業もままなりません。となれば、生活が苦しい人ほど、出稼ぎに行くしかないわけです。

というわけで、江戸に出稼ぎに来た越後出身者たちが、やがて店を持つことになったので、みんな「出身国だから」と言って、「越後屋」を屋号としたんだそうです。だから、「越後屋」は商家の屋号の代表格なんですね。


よって、「越後屋」だから悪徳商人というわけではないようです。まあ時代劇はそもそもがフィクションなんですが、悪徳商人のイメージが定着してしまっている越後屋さんはちょっと気の毒ですね。