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フリーライター・角舘有理

ライティングを生業としています。好きな食べ物は大福。

さあ、今回からはクイズ形式ですよ~!

日本語検定では文法についての記述はありません。

 

代わりに文法を網羅しているかどうかの

出題がたんまり出ます(苦笑)

 

ですので、クイズにしてサクッとおさらいしていきましょう。

 

■ことともの

 

「ことともの」とは、「~のこと」「~もの」など、

抽象的な意味をもつ便利な言葉のことです(←これも 笑)。

 

内容を説明する時によく使いますが、

使い方にも暗黙のルールがあります。

 

では、早速クイズです!

 

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次のア~コの分の表現内容を考えて、( )の中に「こと」か「もの」のどちらか適切なほうを入れてください。「こと」ならA、「もの」ならBで答えてください。

 

ア あなたとした( )が、つまらないミスを犯しましたね。

イ 君がそんなにいやなら、さっさと断る( )だ。

ウ 社会人になったら挨拶くらいする( )だとわきまえよう。

エ 営業職は結果さえ出せばそれでいいという( )ではないよ。

オ あの幼児の才能は、計り知れない( )がある。

カ ( )ここに至っては、もう隠し通すことはできない。

キ ( )は相談だが、君が説得してくれないか?

ク 彼とは若い子どよく一緒に酒を飲んだ( )だ。

ケ 食事だけでダイエットするという( )は、口でいうほど簡単ではないよ。

コ 病気という( )は、かかった人でないとその辛さがわからない。

 

参考:日本語検定公式テキストp58 検定問題・2級

 

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どうでした?

「こと」と「もの」って、

意外とどちらでも使えそうですが、

当てはめてみると違和感があったりしますよね。

 

それでは正解です!

 

ア:A イ:A ウ:B エ:B オ:B

カ:A キ:B ク:B ケ:A コ:B

 

解説~~

 

ア:「~としたことが」

似つかわしくない意や予想に反するという慣用的な表現です。

 

イ:「~ことだ」

命令や勧告の意を含む使い方です。

 

ウ:「~ものだ」

社会的慣習としてそうすべきだという事例として示しています。

 

エ:「~というものだ」

それが当然という意味で使う表現を否定した形です。

 

オ:「~ものがある」

経験によって確かめられるときなどに使う表現です。

 

カ:「こと・に至っては~」

「事・に至っては~」「事・に及んでは~」は、

慣用句のひとつです。

「こと・に至っては~」は、ある状況に至って、どうにも変更使用のない事態になることを指します。

 

キ:「物は相談」も相手に呼びかける時の慣用句ですね。

ク:「~したものだ」は過去の反復的な経験を表します。

 

ケ:「~ということは」

「こと」は行為そのものを表しています。

 

コ:「~というもの」

「もの」は「~という」の対象となる事柄を強調しています。

 

「こと」「もの」は、便利なので使いがちですが、

一文の中で多用すると稚拙な印象を与えてしまう場合があるので、注意しましょう。