今私は、モントリオールの三つのグループに、ZOOM絵本読み聞かせのボランティアをしています。

 

一つ目は、「子供クラブ」という、メンバー制の児童館の様な集まりの皆さん。

お子様は、未就学児です。

 

二つ目は、私が担任をしている、モントリオール日本語センターのクラスの生徒さん。

こちらは、日本語を「継承語」として学んでいる生徒さんです。

 

三つ目は、息子も通う、モントリオール日本語補修校の生徒さん。

こちらは、日本の文科省のカリキュラムに沿って、日本語を勉強している生徒さんです。

 

どのお子さんも、本当に可愛くて、わざわざ時間を作り、ZOOMをセッティングしてくださる親御様にも、感謝でいっぱいです。

 

で、絵本選びが、一番難しいのが、二つ目のグループです。

このグループのお子さんは、一日のほとんどを英語やフランス語で過ごしています。

となると、日本語の理解力、語彙力が、日本で暮らす同年代の子供と比べると、どうしても低いのです。

 

でも、精神的には、もう小学生。いつまでも、「くまちゃんと、ウサギちゃんが、、、」みたいな話をするわけにはいきません。

 

個人的には、日本に帰る予定がないのならば、日本の偏差値教育とも無縁なのだから、無理に文科省のカリキュラムに沿った勉強をする必要はないと思っています。

でも、しっかり継承語を学ぶカリキュラムがないので、「継承語」が、「文科省のカリキュラムの簡易版」の様な位置づけになっているのは、とても残念です。

 

言葉を継承するのって、そんな簡単なことじゃありません。

小学生になったとき、日本語を「継承語」として学ぶのか、日本人の「国語」と同じ様に学ぶのか、予め決める必要はないと思います。

でも、どちらにしても、お母様と一緒にいる時間が長い、未就学の間に、毎日たくさんの絵本を読んであげることって、とってもとっても大切だと思います。

他に日本語に接する機会がない海外にいると、尚更、それは貴重な時間になるはずです。

 

多くの単語、日本語ならではの言い回し、、それらをシャワーの様に、お母様の口から、浴びせてあげて欲しいのです。

 

それが、「第二外国語」とは違う、「継承語」の学び方だと思っています。

絵本の読み聞かせが、私の生活の中に占める割合が大きくなってきてる今日この頃です。

数週間前、今日は何読もうかな〜と、高い本棚に納まった絵本を眺めていた時、「そういえば、典型的な日本昔話って、あんまり持っていなぁ」と、今更ながらに気づきました。

そんなわけで、日本で保母さんをしてる従姉妹にお勧めを聞き、日本昔話系絵本をまとめてオーダーしました。

そして一昨日、ごそっと荷物が到着!

もも太郎、一寸法師、浦島太郎、舌切り雀、さるかに、、、早速、パラパラとめくってみました。
懐かしい〜、と同時に久しぶりに見て思ったのは、昔話って、結構、気軽に残酷だなってこと。

一番びっくりしたのが、『かちかちやま』。
タヌキは、お婆さんを殺した上に、お婆さんを入れた鍋を作ってお爺さんに食べさせるって、皆さん覚えていましたか?
「何も、そこまでしなくても、、、」と、果てしなく残酷なことを考えつく人間の想像力に溜息が出てしまいます。

でも、『かちかちやま』のお話は、昔の日本の子どもなら、誰でも、どこかで聞かされてる筈。
こんなに残酷でも、誰の反対もなく、語り継がれてきたのですね。
子供の私も、「ゲゲ、ひどい!」と思いながら、喜んで聞いていたのでしょうね。

驚くほど残酷なこともあるのが、この世の中。その残酷さも含めて、日本人の文化を伝承すべきなのか、、、悩むところです。
正直、今の時点では、多感な幼児に、これを読む勇気がありません。

その他、悪いことをしたら命を奪われて当然!とばかりの「勧善懲悪」ベースの話、幸せの象徴が「お金持ちになる」ことである話など、「これからの時代に、その価値観ってどうなの??」と思ってしまうものも沢山あります。

「何百年も日本人が語り継いできたものなんだから、伝えていかないと」と頭で考える一方、今この時代の転換期において、伝えなくてもいい伝統もあるのかなと、感じております。

伝統も、取捨選択される時期に来ているのかもしれませんね。

夏至直前の週末、息子はモントリオールの小学校を卒業しました。
三年生の時からお世話になったThe Priory Schoolは、一学年一クラスの小さな小さな、まるで家族みたいな私立の小学校。
Happy Children Lean Best のモットーの通り、いつも子供達の幸せを最優先する温かい学校でした。

まだまだロックダウン下で、9月まで通学が許されないモントリオール 。
どこの小学校も、卒業式だけは、例外として、マスクをし、ソーシャルディスタンスを保ちながら、行った様です。

息子の学校も、そんな予定だったのですが、10日前に急遽変更!
「3日間かけて、生徒の家を一軒ずつ周り、家の前で、スペシャル卒業式をする」と連絡がありました。サプライズ企画なので、詳細は知らされません。
え? at-home ceremony ?? 校長先生がウチまでいらっしゃるの???

 

とりあえず盛装し、何がなんだかわからないまま待っていると、木曜日のお昼ごろ、校長先生初め、担任の先生方がやってきました。

そして、マンションの外の鉢植えの上に、おもむろに看板を設置し、手持ちのカセットテープでセレモニーの音楽をかけ、息子のためだけのスペシャルセレモニーが始まったのです!

 

通りの人に見られて、ちょっと恥ずかしそうな息子、、、

そんな中、校長先生の心のこもったスピーチ、卒業の帽子を投げる儀式などなど、トータル20分程の卒業式が、無事に終わりました。

息子は、もう大喜び!

 

こんな手間がかかることを、生徒一人一人にやろうと考えた先生方の気持ちを考えたら、もう感動して、涙がこみ上げてきました。

本当に、この学校に入れて良かった。。。ご縁に感謝です。

 

今では、日本語センターの担任をしている私。

教師としても、学ぶことが沢山あった、思い出に残る、とってもSweetな卒業式でした。

「スイミー」のお話、知っていますか?

海の中で、小さな魚たちが大きな魚の脅威に怯えてたとき、小さな黒い魚のスイミーが、沢山の小さな赤い魚に勇気をあたえ、皆んなで大きな魚のふりをして泳ごう!僕が目のなろう!と提案し、団結した小さな魚たちが、海の中を自由に泳げる様になる話です。

今は、小学校二年生の教科書にも載っていますね。

挿絵の素晴らしさも印象的です。

 

これ、私はずっと、「みんなで力を合わせれば、怖くない」「スイミー賢い!」程度の感想しか持っていなかったのですが、実はもっともっと深い意味がある事に、とある方が気づかせてくれました。

 

ポイントは、「スイミーが恐怖を煽って上に立ち、赤い魚たちを力尽くで泳がせているのではない」という事です。

それぞれの魚は、自発的に持ち場を守り、互いに必要とされ、上下関係はありません。

トップダウンのピラミッド構造ではないのです。

では、この魚達が団結しているエネルギーは、一体何なのでしょうか?

 

今の世の中には、「家庭」「クラブ」「学校」「会社」「組合」、、、、沢山のコミュニティがあります。ひいては「国家」だって!

あなたが所属するコミュニティを作りあげてるエネルギーは、トップダウン型でしょうか?それとも、スイミー型でしょうか?

 

今、大きく社会の構造が変わろうとしているのを感じている人、多いと思います。

これから、どうなっちゃうんだろう?と、不安に思った時、スイミーを思い出してみると、新しい時代を生きるヒントが見えてくるかもしれません。

一昨年から、「モントリオール 日本語センター」というところで、3年生のクラスを担任しています。

「モントリオール日本センター」は、文科省の管轄にある「モントリオール日本語補修校」とは異なり、継承語としての日本語を教えるところで、毎週土曜日の午前中、2時間の授業があります。

 

モントリオールもコロナの影響は大きく、話し合いの結果、今年度の1学期は、とりあえず休講となりました。

その間の家庭学習のサポートになればと、今まで毎週、教材を送ってきましたが、いよいよ先週の土曜日、初のZOOM授業を行いました。

二学期からの授業がZOOMになる方針が決まったため、その練習がしたかったのです。

 

リアルで一度も会ったことのない子供たち。日本語がどのくらい話せるのかも、よく分からず、、、ドキドキ。

でも、画面にずらりと並んだ子供達の顔を見た時、もう可愛くて、画面を抱きしめそうになりまいた(笑)

私のクラスに来てくれてありがとう!このご縁にありがとう!

去年の初日に思ったのと同じ感情が、湧いてきました。

 

恥ずかしがり屋さんがいる可能性大なので、いきなり自己紹介は、やめておきました。

先ずは、質問型の絵本「ねえ、どっちがいい?」を読んで、ウォーミングアップ。

その後「今日は、これについてやります。これなーんだ」と聞くと、「梅干し!」と元気な声。

そう、テーマは、梅干し。

梅干しは、何からできてる?

うめのみは、いつ採れる?今だよ!だから、つゆって、梅雨って書くんだね。

うめのみって何色?緑だけど青梅って言うんだよ。

、、、そして、仕上げは、昔ながらの言葉の響きが暖かい、紙芝居「うめぼし」。

 

最後は、漢字ビンゴで、盛り上がり、無事に終わりました。

楽しかった!

ZOOMでもリアルでも、生徒とのコミュニケーションに一番大切なのは、やっぱり「愛」だな〜って、再確認した初ZOOM授業でした。