あれはまだ、超常連だった書店が閉店する前。
いつも通りラノベコーナーへ行ってみると、
平積みのコーナーに一冊だけ、立てて置いてある本がありました。
その本の題名を見て、慌てて手にとって内容を確かめ、
素早く会計を済ませて帰宅し、すぐに読みはじめ、読了しました。
その本にはわたしにとっての理想がこれでもかと詰まっていました。
こんなにわたし好みのお話が存在したなんて!
しばらくしてからおなじ書店に行くと、その本が平積みになっていたので、
これから長く続くかもしれないと、とてもうれしくなったことを覚えています。
その本の題名は、「えむえむっ!」。
題名で察せる通り、マゾヒストの男の子が主人公です。名前は砂戸太郎くん。
マゾなのに「サド」という名字なんですよね。
人に説明すると少し混乱される。
わたしはこの、マゾの男の子のお話を読むのが昔から好きで……。
ただ、そういうお話は、官能目的のものが多いので、
そうでないものも読みたかったんですよね。
MF文庫Jから出ているライトノベルなので、「えむえむっ!」は十八禁ではない。
ただ、まあ、太郎だけでなくて、登場人物は全員変態という内容なので、
ぎりぎりの線で勝負したお話なのでしょうが、それでもわたしは大好きです。
小説は大好きだけれど、それ以外の方法で表現された物語にはあまり興味がないので、
好きな小説が漫画やアニメ、ドラマ、映画になってもほとんど読んだり観たりしないのですが、「えむえむっ!」はコミカライズを雑誌の連載で読み、アニメも試聴して、DVDも買いました。
大好きな太郎くんが動いてしゃべっているところを見たかったから!
あ、もちろんアライブ限定のドラマCDも申し込みましたよ。通常版も買ったし。
それを購入するために、調子が悪くてもアニメイトまで行けたのは、
やっぱりすごく好きだったからだと思います。
このお話のいいところは、ギャグに笑えるだけでなく、しんみりと優しい気持ちになれるところ。太郎くんはマゾヒストだけど、とっても男らしくて優しくて、いい子なんですよ!
わたしとしては「男らしい」という言葉はあまり好きではないのですが(「女らしい」も)、
太郎くんを言い表そうとすると、どうしてもこの言葉になってしまうんですよね。
登場人物のあくの強さに辟易されるかもしれませんが、
古本屋さんならきっと安く手に入ると思うので、皆さんぜひ読んでみてください。
ただ、作者の松野秋鳴先生は若くして亡くなれてしまったので、未完の作品なのですが……。松野先生のデビュー作、「青葉くんとウチュウ・ジン」もおすすめです!