東南アジアの補習校元担任の最終日になりました。

いくつかの思い出のシーンをお届けします。

 

小学部低学年のクラスにて。

担任初日、授業で話し続けの担任は水を飲みました。そしたら生徒たちが、

「いーけないんだぁ、いけないんだぁ。先生のくせに授業中に勝手に水飲んで、

 いけないんだぁ」と大合唱。「先生、初めてなのでどうしたらいいか教えてください」

「手を上げて、水を飲んでもいいですか?って許可してもらうんだよ」と生徒達。

「皆さん、水を飲んでもいいですか?」「はい、先生、どうぞ!」 だって。

 

「先生、おやつ食べたい。お腹がすいた」と生徒達、ブウブウ言います。

「この時間まで一生懸命勉強したら、食べましょう」「大丈夫?人が覗くかもの!」

勉強を集中し終えて、「せーの!」で、一斉に教壇の下に集まり、潜りこみ、

みんなで分けあって食べました。みんなニコニコ・・でも、これ違反ですから、たまにね。

 

小学部高学年のクラスにて。

他のクラスの男性教師に「廊下を走るなーーー!」と泣くほど怒鳴られた生徒達。

「そうですよ、廊下は走ってはいけません。競歩で、急いであるくのです。」と教えました。

 

3月に入ると、新学期のことで生徒達の心がざわつきます。

「次も先生が担任になってほしい」「先生がいい、担任は先生じゃなきゃ嫌だ」

授業中、何度も聞こえる声に担任。「先生だって、来年もこれからもみんなと一緒がいいよ。

でも、クラスが違ったらおしまいなの?クラスが変わっても私たちは仲間だよ。先生はいつも

そばにいるんだよ!」・・・この7ヵ月後、辞めることになるとは知りもしませんでした。

 

中学部のクラスにて。

いじめっ子だと噂がたびたび耳に入る男子生徒。

中学部になったとき、担任はできるだけ、短くてもひとりひとりの生徒と二人で話す時間を

作りました。ある日、「先生、僕は小学生の時、いじめを受けていて、ずっと受けていて、

どうにもならなくなって、相手を殴ってしまいました。それからずっとつらくて・・・ごめんなさい」

話を聞き終えて、「もう2度と、人に暴力はしないですね、約束ですよ。でも、苦しんできたことは忘れないでください。いろんなことを乗り越えてきた人は先生は、幸せになると思いますよ」

「先生、僕は幸せになれますか」

「なりますとも。頑張ってきた人が幸せにならない社会であってはいけないと思います。

 先生は、あなたがこれからもその気持ちを忘れずにがんばったなら、きっと、必ず幸せになる  と信じています」

この男子生徒が、担任が辞めた時に、最後まで「先生、帰ってきてくれ」「戻れ!!」と

言い続けていた生徒です。

そして、最後のメッセージで、「先生に言いたいことがたくさんある」と書いてありました。

 

いつか、じっくりと話し合う時間ができたら、言いたいことを何時間でも

聞きましょう。約束します。

 

真の教師から見たら、担任のやってきたことはおかしいと言うかもしれません。

でも、担任は生徒達と共に、確かに歩んできました。

思いっきり全力で、一緒に生きてきたことは、真実です。