東南アジアの補習校を辞めた担任です。

 

担任の退職日は、突然、やってきました。

 

事務局リーダーと、これから新リーダーになる二人から、

「次の担任見つかったから、安心して辞めて!!」

 

担任は、冷や汗が出て、震えが止まりません。

確かに事務局とぶつかってきた、でも、お互いに「生徒のため」と願う気持ちは同じのはず。

だから、がんばっている担任を辞めさせることはないだろうと。

 

最後の授業時間、声も震えます。

涙が溢れてきます。

担任は、授業を止めました。

そして、中学3年生の2名だけ、呼びました。

 

先生は、今日で補習校を辞めることになりました。

本当は、教師としてこんなことを言うのは、間違っていると思います。

でも、先生は以前に、言われた言葉が忘れられないのです。

じゃ、また来週ね!と言って別れたのに、理由も告げずに辞めること。

それがあなたたちをどれだけ傷つけ、約束を守らないことに私は耐えられないからです。

 

先生は、昨年、5年生のクラスで起きたいじめをなくしたいと思いました。

しかし、いじめをしていた生徒は反省せず、お母さんは担任のことを事務局に

訴え、ずっと1年以上、日本人に悪いうわさが流れると責任を追求されてきました。

それは、担任と事務局との間に、決定的な溝を作り、その他にもいろいろあって、

今日、辞めてくれと言われました。

本当に、申し訳なく思っています。

 

その後、担任は中学部の生徒達と泣きました。

「先生は、いつか戻ってこれますか?」「たぶん、無理だと思います」

「先生、僕たちが、何か言えること、やれることがあれば言ってください」

「いいえ、あなた達は自分のやるべき勉強をしっかりやってください。

 それが、それだけが、先生のお願いです。」

 

私のとった行動は、賛否両論かもしれません。

でも、女子生徒から言われた言葉が、胸にあり、もし、私までが同じように理由も告げず、

いなくなったら、彼女はどうなってしまうのだろうと、ものすごく心配しました。

だから、この2人には本当のことを伝えました。

3人だけの「約束」だということで。

 

担任は、あれほど懸命に教えてきた補習校を去るとき、なぜか校舎がとても

白く、薄く、見えました。もう、担任は、補習校の先生では、なくなったからです。