新春浅草歌舞伎2024

若手歌舞伎俳優の登竜門として毎年正月に浅草公会堂で行われる公演だそうです。

歌舞伎初心者の私は、初めての観劇です。

 

千穐楽 生配信(2024/1/26) 決定!

 

 

 

■出演者(敬称略)

 尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、

 中村橋之助、中村莟玉

 中村歌六

 松也さん~隼人さんまでの7名は今年で一区切りだそうです。今年見に行ってよかったです。

 

    場所:浅草公会堂

    期間:2024年1月2日(火)~26日(金)

       第1部 午前11時~
       第2部 午後3時~

 

 

 

【演目】

■第一部
 お年玉 年始のご挨拶
 1.本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香

   幕間 25分間
  2..与話情浮名横櫛(よはなさけうきなのよこぐし) 源氏店

      幕間 20分間
  3..どんつく 神楽諷雲井曲鞠(かぐらうたくもいのきょくまり)
■第二部
 お年玉 年始ご挨拶
 1.熊谷陣屋(くまがいじんや)一谷嫩軍記

   幕間 15分間
 2. 流星(りゅうせい)

   幕間 20分間
  3.魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)新皿屋舗月雨暈

 

■詳細はこちら

新春浅草歌舞伎|浅草公会堂|歌舞伎美人 (kabuki-bito.jp)

 

  服装(初心者向け)

着物でも、おしゃれをしても、しなくても何でもよいと思います。私は長時間座っても大丈夫なようにワイドパンツで行くことが多いです。また劇場内は暖房が効いています。ヒートテックを着て行ってしまったので暑いくらいでした。

 

1/21は着物の日だそうです。私は着物は好きなのですが,長時間座っている自信がないので普通の日に行きました。

 

 

  イヤホンガイド

初心者には必須です。演目の背景やあらすじをわかりやすく説明してもらえるので、とても助かります。誰が演じているかの説明もあるのでとても分かりやすいです。説明がセリフに被ることもないです。

TVでみなさんが短期間で苦労して収録されている様子が放送されていました。それを800円で聞けるのは大変ありがたいです。幕間には出演者のメッセージがありました。第一部&第二部の新春セット1500円もあります。

 

 

  お弁当

浅草公会堂に入ってすぐのところでお弁当を売っています。

第一部の時は、せっかくなので「特製お好み弁当」(2100円)を買いました。今半の牛好き弁当など他のお弁当も売っていました。

第二部の時は、「特製お好み弁当」は売っていなかったようですが、他のお弁当の販売はありました。

 

  出演者

 (敬称略)

 尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、

 中村橋之助、中村莟玉

 中村歌六

橋之助さん、莟玉さん以外は今回で一区切り、ということで、今回見に行けてよかったと思います。

 

■1階席左手のロビーにあります。

 

  観劇レポート(初心者の感想)

ネタバレにならない範囲での初心者の個人的な感想です。すべて初めて見る演目でしたのであまり参考にならないかも。

 

 

  第一部

 

お年玉 ご挨拶

 私が見た回は橋之助さんでした。この後最初の演目の最初に登場するので短めの挨拶でということで短いご挨拶でした。

橋之助さんは三田寛子さんの息子さんだったのですね。と言うくらい無知な私です。

 

 

本朝廿四孝~十種香

初演は明和3年(1766年)だそうです。

米吉さんの八重垣姫がとにかく美しいお話でした。お人形さんかと思うほどの美しさ。あでやかな赤い打掛が印象的でした。

後で調べたら、「赤姫」というのですね。

  歌舞伎に登場するお姫様役を、その衣裳の色から「赤姫」と呼びます。鮮やかな赤の地色

  に花柄などをあしらった衣裳は、美しく華やかなお姫様の姿を象徴し、さらに激しい恋に

  燃える一途な情熱も表現しています。お姫様役をきちんと演じるには、演技力はもちろん

  のこと、永年にわたって培われた気品が備わっていることも大切な要素といわれていま

  す。

  赤姫の中でも特に代表的で難しいとされる役に、『本朝廿四孝』の八重垣姫、『金閣寺』の

  雪姫、『鎌倉三代記』の時姫があり、「三姫」と呼ばれています。

だそうです。

 

また、客席にお香の香りが漂ってきて、舞台と同じ世界にいるような気持ちになりました。

橋之助さんもちゃんと間に合ってました。

 

お話の内容は、長尾謙信じゃなくて長尾景虎じゃ?と思ったり、謙信は生涯独身だったのに娘?と思ったり、ちょっと混乱。

イヤホンガイドがなかったらわけが分からなかったかも。ありがとうイヤホンガイド。

 

米吉さんは昨年、雪姫を演じられたそうですが、見に行けばよかったです。

またいつか雪姫を演じられる時に見てみたいと思います。

 

 

幕間25分:

お弁当を食べましたが、食べるのが遅いので食べ終わったころには5分前のブザーが鳴りました。食べるのが遅い方は小さめのお弁当や助六寿司などの方がいいかもと思いました。

 

 

与話情浮名横櫛 源氏店

初演は嘉永6年(1853年)だそうです。

錦絵からそのまま飛び出してきたような、すべてが絵になる隼人さん。可憐なお姫様もお妾さんも見事に演じる米吉さん。隼人さんは仁左衛門さんから指導をうけたそうですが、このお二人は将来、仁左衛門さん&玉三郎さんのようになるのではと思わせる素晴らしい舞台でした。

 

劇中で米吉さんが隼人さんの手ぬぐいを使ってる!と思ったら、米吉さんのSNSによると、お富さんは、与三郎を務める役者のものを使う決まりがあるそうです。

隼人さんの手ぬぐいを販売したら買う人多いだろうな、と思いましたが、残念ながら売店では見当たらず。

 

また、お二人はもちろんですが、松也さんの芝居が良いと思いました。悪い事をやってるけど、どこか憎めないところがあって根は悪人ではないというキャラを見事に演じていました。

松也さん、隼人さん2人の花道の場面で、松也さんがお金を数えるところでお金を落としてしまい、隼人さんが「もう落とすんじゃねぇ」と言っていましたが、あればアドリブ?

 

「お富さん」という歌がこの話をモチーフにしているということを初めて知りました。

こちらも長く上演されている演目なので、何十年後かに隼人さん&米吉さんコンビの代表作になったところを見れるように長生きしたい、と思いました。

 

どんつく 神楽諷雲井曲鞠

初演は弘化3年(1846年)だそうです。

曲鞠は、私が見た回ではすべて上手くいって拍手喝采でした。出演者が一列になって踊る「どんつく」も見もので、新春にふさわしい晴れやかな演目でした。

背景の幟に「尾上~」「中村~」と書かれていましたが下の方までは見えず。

 

米吉さんの芸者と隼人さんの大工(大工は仮の姿で実は若旦那とか武士という裏設定があるのでは?と思ってしまうほどかっこいい)が2人で踊る場面も錦絵のようで、この場面の写真があったら買う人多いかも。

 

この日からずっと、私の頭の中で、「どんつく、どんつく、どんどんどん」がグルグル回ってます。

 

新春にふさわしい晴れやかな気持ちで、第一部終演となりました。

 

 

  第一部~第2部の間

 

この日は、第二部も鑑賞するので、一旦外にでてすぐ再入場。

1階の奥の方で浅草名物が販売されていたので、舟和の芋ようかんと、今半の福袋を買いました。会計待ちに多くの人が並んでいたので、会計を済ませたらもう第二部入場が始まっていました。

第二部向けにもお弁当を売っていました。

チャリティー羽子板も1階にありました。隼人さんの羽子板は見当たらず。

 

プログラム1700円、2枚組ポストカード:300円 を購入しました。

第一部の前に買っておけばよかったです。

 

 

  第二部

 

 

お年玉ご挨拶

隼人さんでした。

最初の格調高いご挨拶が終わると、マイクを持って「こんにちは~」と急に普段の口調に。

前の代のメンバーの時は2階席に5,6人しか観客がいなかった話を聞いて、現メンバーの初演の際はTVに出まくって宣伝したおかげでたくさんのお客さんが来てくれたそうです。

「歌舞伎を初めて見る人~」で手を挙げた一番前の列のお客さんにインタビューするため、客席へジャンプ。結構な高さがあって床が堅いので、隼人さんの足は大丈夫?と少し心配になりました。

手を挙げた最前列の人に対して「あなたの推しは?」との質問に「尾上松也さん」との答え。

隼人さんが舞台袖に向かって「松也兄さん~!」と声をかけた後、「僕を二番目の推しに」と言ってその人に手ぬぐいをあげていました。

その後、舞台に片手をついたかと思うと、ひょいと飛び乗って再び舞台上へ。

おお~、っと、どよめきの声が上がっていました。

これで隼人さんのファンがますます増えるだろうなと思うご挨拶でした。隼人さんファンにとっては、このご挨拶だけでチケット代分の価値があるかも、です。

 

 

熊谷陣屋

初演は宝暦元年(1751年)で、人形浄瑠璃の作品だったそうです。

「一谷嫩軍記」の三段目の切が「熊谷陣屋」。

熊谷直実と敦盛の史実は知っていましたが、この熊谷陣屋については、

全く予備知識もないまま、あらすじも何も知らずに見たので、衝撃が大きかったです。

江戸時代の人も、きっと私と同じ衝撃を受けたんだろうなと思うと、300年続く演目であるのも納得です。きっとこの先300年経っても、歌舞伎が続く限りずっと上演される演目の一つなのだろうと思います。それにしても、江戸時代の人は史実をわかった上でこのお芝居を見ていたのだと思うと、教養のレベルの高さに驚かされます。現代人は、直実と敦盛の逸話は歴史好きの人しか知らないのでは。

イヤホンガイドのおかげで「制札の見得」を見逃さずに見ることができました。

ただ、「一枝を伐らば、一指を剪るべし」がずっと頭に残っていて、たぶん桜を見るたびに思い出すと思います。

反戦の願いも込めた、すばらしい演目でした。

 

 

流星

初演は安政6年(1869年)だそうです。

種之助さんが1人で踊る演目で、四人の雷たちの騒動を、お面を使って1人で踊り分けていました。最後の方はものすごい速さでお面を付け替えていて、種之助さんはもちろんすごいけど、後見の方も間違えないようにあの速さで手渡すのは大変だろうなと思いました。

とても楽しい演目でした。

 

 

新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎

初演は明治16年(1883年)だそうです。

松也さんの舞台は初めてだったのですが、松也さんの宗五郎と新悟さんのおはまが息もぴったりに演じられていて、松也さんがこんなに上手な方だとは思わず、お芝居に引き込まれました。

米吉さんはここでも重要な役どころ。第一部、第二部とも全然違う役柄を見事に演じ分けされていました。(どれだけのセリフをおぼえていらっしゃるのでしょう。思わず他の演目のセリフを言いそうになったりしないのでしょうか。。??)

 

隼人さん扮するお殿様の登場場面では、あまりのカッコよさに客席がどよめきました。

妹を手打ちにしたひどい殿様ということを忘れるほど、主役のオーラを身にまとったような堂々としたお殿様でした。

 

 

  能登地震の募金活動

 

【情報追記】「新春浅草歌舞伎」募金活動のお知らせ | 歌舞伎 on the web (kabuki.ne.jp)

 

1/21 まで終演から10分間、出演俳優が日替わりで募金箱の前に立たれています。

お賽銭箱が2か所置かれています。

1つ目の方では松也さんと目が合い、2つ目の方では、隼人さんと目が合った(と信じている)上に、「ありがとうございます」とお声がけいただきました。

これだけで、今年一年頑張れそうです。

 

私の募金額は少ないですが、少しでも役立てていただければと思います。

 

 

  第一部/第二部の個人の感想

私個人の感想です。

第一部は、米吉さん、隼人さんを見て大満足

第二部は、歌舞伎らしいお話を見て大満足

かなぁと思います。

 

新春にふさわしい、大満足の観劇でした。

 

■おまけ:隼人さんのお花は紫、米吉さんはピンク、他の方は白でした。