ようこそ！
『 日 本 語 を 楽 し も う !! 』 へ
また、読みに来てくれたんですね…！
………………。
二葉亭四迷さんが
特に好きな作家だ
という訳ではないのですが
少し
『浮雲』を
取り上げさせて頂きます。
………………。
漢字の読みを問題にした本や
面白おかしくクイズにしたような本は
最近でも
多く出版されていますね。
その中の
ある本を読んでいると
“文豪が使った言葉”
というのが
書いてありました。
こういうのは
好きなんです。
要するに
当て字であり
義訓ですね。
（“義訓”は
下の方でリンクさせていますが…
以前の記事の
“緊と”の読みの説明に
書いているのですが…。）
以前
義訓を説明するときに…
“高名な知識人が
用いたものが多い”
と書いたのですが…
その殆どは
文豪と呼ばれるような
著名な作家なんですね。
………………。
二葉亭四迷は
45年間ある明治時代の
42年に45歳で亡くなっていますから
明治を生きた文豪と言えますね。
………………。
さて
クイズです。
『浮雲』の文中に出て来る
次の
四つの言葉を…
実際のルビ通りに読んでください。
…というか
想像してください。
“ ”内の言葉です。
①
それは課長の方が或は不条理かも知れぬが、
しかし“苟も”長官たる者に向って
抵抗を試みるなぞというなア、馬鹿の骨頂だ。
②
文三は覚えずも“莞然”、
「それは至極好(ｲ)い事(ｺﾂ)だ」ト言ッてまた“莞然”。
③
文三はお勢よりは気まりを悪がッて口数をきかず、
この夏の事務の“鞅掌さ”、
暑中休暇も取れぬので匆々(ｿｳｿｳ)に出勤する。
④
意(ｺｺﾛ)を注(ﾄﾄﾞ)めて能(ﾖ)く見れば、
壁に写ッた影法師が、
“慄然と”ばかり震えている。
以上
青空文庫より。
………………。
それでは…
………………。
………………。
Thinking Time です…。
………………。
………………。
以下正解です。
①
“苟も”
いやしくも
これは義訓ではないですが
クイズにしました。
“苟”(ｺ･ｸ)は
かりそめ
いやしくもする
という意味の助字ですね。
②
“莞然”
にっこり
“莞然”(ｶﾝｾﾞﾝ)は
にっこり笑うさまを表わす言葉です。
“莞爾”(ｶﾝｼﾞ)も
同じ意味です。
漢語ですね。
他に
“莞爾と”
“莞爾した”を
にこっと
にっこりした
と読ませています。
一般に
“莞爾”を使う場合の方が
多いのではないか
と思います。
“嫣然”(ｴﾝｾﾞﾝ)も
にこやかに笑う
艶やかに笑う
という似た意味で
同じ浮雲の中で
“にっこり”
と読ませています。
③
“鞅掌さ”
いそがしさ
“鞅掌”(ｵｳｼｮｳ)は
休む暇のない程
忙しく働くことです。
鞅は
馬に付ける“むながい”のことですが
重みを担って奔走する
という意味があります。
つまり
“鞅掌”は
重いものを背負って
更に
手にも捧げ持っているため
かなり
忙しいという意味ですね。
④
“慄然と”
ぶるぶると
慄然(ﾘﾂｾﾞﾝ)は
怖ろしさのあまり
震えおののく（慄く・戦く）さま
のこと。
二葉亭四迷の作品の中に
あるかどうか判りませんが
他に
“慄然とする”と書いて
“ぞっとする”
と読ませている場合があります。
………………。
『浮雲』の原稿には
ルビや注が沢山書き込まれていると
言われています。
文豪が書くと…
また
その小説が売れると…
有名になると…
もし可也
無理矢理な形で
読ませているものがあっても
辞書や字典に載るような
言葉になってしまうんですね。
………………。
副詞の訓読みです。
『雅子は雅美を“緊と”抱き締めた！』
（クイズ）
読んで楽しむ当て字・難読語の辞典
漢字博士養成ドリル
ツワブキ 浮雲錦
エッセイ・随筆
坪内逍遥 二葉亭四迷集
『本も映画も文具も、いいものはいい！』
『ブログ三昧！楽しいブログを探して 旅に出ましょう！』
『心に残る映像探し/おもしろ動画おまとめSite』
時間があったら、見てね！
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