私が機械工学に興味を持ったきっかけは、

子どもの頃父と見た『できるかな』なんです、

とホセ君は言った。


その頃はそれが日本の番組だとは

全然知らなかったけど、

ノッポさんがモノを作ることの楽しさを教えてくれた、

日本語クラスの優等生は語る。



毎週日曜日の朝8時、

紙とハサミとダンボールを用意して、

ワクワクしながらノッポさんとゴン太君の登場を

待っていた男の子は今年大学を卒業し、

メカニックエンジニアとしての道を歩み出した。




ホセ君と同じクラスで日本語を学ぶ

中国人女性シンキーさんはマカオ出身。

英国留学後、メデジンの大学で

ビジネスを教えている才媛だ。

自然で滑らかな日本語を話す彼女に

どこで会話の練習をしたのか聞いてみると

爽やかな笑顔で答えてくれた。

「毎日日本のアニメを見ていますから!

特に名探偵コナンが好きです」。



人口約260万、首都ボゴタに次ぐ第二の都市である

メデジンで日本語を教え始めて2年ちょっと経つが、

学生のほとんどはアニメやゲームなど

日本のポップカルチャーの洗礼を受けている。



海外で日本語を学ぶ学生はおおまかにいうと

就職、留学などを目指す現実派と

アニメ派に分けられるが、

コロンビアの学生は圧倒的に後者だろう。



先月末、学生の一人が主催する「ちょっと特別」な

ハロウィンパーティーに招待され、行ってみた。

大きなコンベンションセンターを貸切にして

行われたこのイベントは

セーラームーン、ナルトから

バイオハザードなどのゲームキャラ、

その他名前を聞いてもわからない

様々なキャラクターが溢れかえる大コスプレ大会。



私も、一緒に行った日本人の友人も

仮装はして行かなかったが、

「日本人」の天然コスプレということで

会場を一歩進むごとにコスプレイヤー達から

記念写真を頼まれるハメになった。



日本経済が順風満帆とは言えない今のような時期でも、

世界中の「オタク」の皆さんは

景気や経済の動向に左右されることなく、

各地で日本にエールを送り続けている。



国際社会において、

これからの日本を本気で心配し、

草の根で支えてくれるのは、

彼らをおいて他にない。



注:この記事は2010年11月に

北海道新聞コラム『どさんこ世界から』掲載用に書いたものです。



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