【第79回春の院展のお知らせ】
◼️会期
2024.03.27(水)~ 2024.04.08(月)
◼️開催時間
午前10時~午後7時 *ご入場は各日終了30分前まで *最終日は、午後5時終了
◼️会場
日本橋三越本店 本館7階催物会場
◼️入場料
一般: 800円/大学・高校生: 600円 *中学生以下無料・税込
◼️主催
日本美術院
※特記事項
○ギャラリー・トーク
*各日午後2時~、会場内にて開催
*ギャラリートークご参加には入場券が必要となります。
3月27日(水) 那波多目功一同人・代表理事
3月30日(土) 手塚雄二同人・業務執行理事
4月 6日(土) 村上裕二同人・評議員
※私事ながら、第79回春の院展に、拙作『残されし夢』が29回目の入選をいたしました。
有難うございますm(_ _)m。
搬入の朝の状態の画像と動画になります。
茨城県土浦市今泉の法泉寺境内裏の樹齢600年の椎(スダジイ)を描いた作品です。
このスダジイがある法泉寺は室町時代に小田氏の支城として、現つくば市の東方の守りのため築かれた今泉城の跡で、この椎がこの地に芽吹いた600年前は城郭の中だったと思われます。
今は城は地形だけを残し跡形もありませんが、椎の木は残った。夢破れて山河あり。題名の『残されし夢』はそこからつけたものです。
スダジイと言うのは、実が生でも食べられる椎で、まだこの国が日本と呼ばれるずっと以前、1万年以上に及ぶ縄文時代、稲作が伝わるまで主食だったそうです。
その後の時代にも飢饉のたびに人々の命を支えてきた樹であり、今でも樹齢300年から千年近い多くのスダジイが人里に残されています。
巨樹を描いて25年、私が最も多く描いて来た樹種です。
今回は、かなり以前に写生したものから描きました。
写生当時はこの樹が埋もれていた竹藪が切り開かれて、それまで見る事ができなかった角度からも見られるようになったばかりで、後にもこの樹を見に行きましたが、樹形が変わるくらいに大枝は切り払われ、代わりに若い枝が伸び放題の葉っぱだらけで主幹は殆ど見えなくなっていました。
偶然ながらも一番良い時に写生したんだなあと思います。
今までに描いて来た巨樹の多くの樹勢がその後衰え、樹形が変わっています。巨樹にとっても著しい環境の変化は厳しいものなのかもしれません。