新春のお慶びを申し上げます。
今年もどうぞ宜しくお願い致します、平成癸巳。
平成の御代も四半世紀、早くも、25年を迎えました。
絵師天山、今年は年男。・・・・・還暦を迎えます。
年齢など忘れて精進せねば、絵の道はこれから! ですから・・・
若い者には及びもつかない熟練の技がいよいよ本格的に登場いたします!!
今年は、伊勢神宮
式年遷宮年であります。
この佳き年を記念して、秋には伊勢神宮
奉納記念個展を開催致します。
第62回伊勢神宮
式年遷宮を期に、【日本神代絵巻】、並びに 【式年遷宮絵巻】を対とした、20メートルを超える絵巻物2点を、伊勢神宮
に奉納させていただくべく、準備を始めたのがちょうど5年前のことでした、【常若】、(とこわか)、の心こそ、日本の心であり、今日本人が忘れかけている日本を取り戻す縁となれば・・・・との思いで、取り組んで参りました。
幸いに、神宮側も、私の拙い熱意をお認め下さって、奉納のお許しを頂き、目下本制作のために、下図、及び習作、を重ね、ようやく諸準備が整い、いよいよ新春早々より、取りかかることとなります。
昨年の院展に出品した【火之迦具土神】も、この為の習作でしたし、ここ数年の出品作品はすべて、この対なる奉納絵巻のための準備であったわけであります。
ついでに申し上げれば、天山という雅号を戴いたのも、実は、この事のためでありました。
凡そ、我が肇国は天照坐皇大御神が神勅を天孫瓊瓊杵尊に授け給うて、豊葦原の瑞穂の国に天降り給える時に存します。
天照坐皇大御神はこの神勅によって君臣の大義を定められ、我が国の祭祀と政治と教育の根本をお示しになられました。
我が国はこのような悠久深遠な肇国の事実に始まった神話
に基づく国であります。
伊勢の神宮は神話の時代より御創建あらせられ、ご神体として石凝姥命(いしこりどめのみこと) の鋳された八咫鏡(やたのかがみ)を御奉斎せらる日本の本宗であります。
神鏡奉斎の神勅によると、八咫鏡は天照坐皇大御神の御霊代(みつえしろ)として皇孫に授けられ、歴代天皇
はこれを受け継ぎ、斎き奉ることで、常に天照坐皇大御神と共にあらせられるという大御心であります。
これは即ち天照坐皇大御神は御鏡と共に今におわします、つまり過去も未来
も今に於いて一つになると言うことです。
これは将に、神宮の式年遷宮に見られる、常若の生命と言えるでしょう。
わが日本の歴史は永遠の今の展開であり、日本の歴史の根底にはいつも永遠の今が流れているのです。
私は日本画家として謹んで日本神代絵巻と伊勢神宮
式年遷宮絵巻を対巻として描くことで、御皇室の弥栄を請祈み奉ると共に、わが日本国民は天孫降臨によって神々と固く結びついた神裔であるということを、些かでも日本国民に呼び覚ますことが出来ることを切に願うものであります。
わがヒーロー菱田春草を語り継ぎながら、折々にこの奉納絵巻の進捗状況もお伝えして参りたいと思います。今年も又、どうぞ宜しく、お付き合いください。