コロナ禍という言い方はあまり好きではないのだけど、
こんな時だからこそ、
自分の今在る足元を見つめ直す時だと思います。
私達にとっては生まれ育ってきた日本。
海外から訪れている方々には、ひょっとしたら第2の故郷かもしれない日本。
そこにどんな文化があるのか、
どんな美意識が流れてきたのか、
知らずして暮らすにはもったいない。
そうして企画したのが、今回のイベントです。
こんな時に日本にいてくれてありがとう、を伝えたい。
ただの展覧会やワークショップではなく、
日本画を描く上で大切にしている『日本人的感覚』を、
日本人だけでなく在福外国人の方にも知ってもらいたい。
そして『日本ってこんなところだよ』を語る時に、
いろんな日本文化と言われるものの中に
『日本画』というものを加えて、
ちょっとだけでも誇りをプラスしてもらいたい。
「日本画の人って、日本画を背負い過ぎ」って、以前、海外でも活動されてるアーティストの方に言われたことがあります。
私自身、日本画を抜け出よう、アートとして捉えようと葛藤がありましたが、どうしても拭い去れないもの、それはむしろ強みにしていくべきなのではないかと。
だって日本画が好きだもの。
この感覚や描き方や、岩絵具も膠も和紙も箔もこんなにおもしろい。
茶道や花道や、剣道や、歌舞伎に俳句に日本家屋にも同じものが流れている。
作家によって表現の仕方は違っても、同じ文化から生まれたものは共通した感覚がある。
だから、もっと知ってほしい。
私の作品だけじゃなく、日本画そのものを。
Encounter =出逢い
私は日本画に出逢い、人生が変わりました。
あなたにもその出逢いを。
…そんな思いです。