今回は写真家の五味彬さんへ賞状を送らせて頂きました。


五味さんは日本のヘアヌード写真の礎を築いた、
日本人男性にとっては恩人です。
五味さんは出版業界がヘアヌードの露出規制にあった
1989年から1991年にかけて10~20代の日本人女性の体型を、
同じポーズ・同アングルで標本のように記録したシリーズを制作。
1991年にはこのシリーズを集めた写真集「Yellows」を発刊予定でした。
しかし当時の時代背景には勝てず規制により中止。
同年、写真家篠山紀信さんらの活躍により事実上ヘアヌード写真は「解禁」され、
1993年には日本初のCD-ROMによる写真集「YELLOWS」を発表。
その後「YELLOWS2.0」「AMERICANS」「YELLOWS3.0」などの
名作シリーズを立て続けに発表し、単なる「有名女優が脱いだ」
という写真集などに囚われない作品を多く残しました。

私も世代的にはタイムリーでは無いながらも、
後に出た文庫版などを買って、その無機質かつ、
「標本的に女性の肉体が扱われるエロさ」に酔いしれました。
性癖というものは、単純に可愛い女性が豊満な肉体を
直に晒している分だけ比例して性欲を感じる、というものでは無く、
もっと本当は状況的な刺激を求めるものです。
それはすでにAVで示されているようなものだけでは決して無く、
YELLOWSが示した
「生命や身体的データ、その人生をも単なる情報として扱う」ような
標本化された肉体が次々現れる凄まじさこそが、
まさに根源的に人間が求めているエロスの一つでした。
日本におけるヘアヌードの黎明期である時期に、
すでに現代の若者の食傷気味のエロスをも夢中にさせる可能性のある
エロスの方向性を示していた事。
それはまさにエロスを正しい方向性へ誘導する
一つの大きな旗振り役を果たしてくれました。
女性たちの肉体が顕になり、それが機械的に並べられていくYELLOWS。
まるで人体製造工場を目撃してしまったような、
私たちは「性欲の結晶として生まれてきた生物たち」に過ぎない
当然の宿命を見るような凄まじいエロスがありました。

そんな、ヘアヌードの凄さをいち早くカメラに収めた姿と、
21世紀を飛び越え22世紀へ行ってしまったような
エロスの凄さを提供してくれた五味彬さん。
そんな五味さんへ「エロスのドアのキーマン賞」を送らせていただきました。
この文章を書きながらまたムラムラしてきた私は、また近いうちに
五味さんの写真集を買ってしまうでしょう。
五味さん!21世紀の今だからできる、物凄いエロスを見せて、
私たちを勃たせて「生きてて良かった」を感じさせてくださいね!