先日、大阪・阿倍野の近鉄アート館で「ヌーのコインロッカーは使用禁止」という舞台劇を観賞しました。

 

 



 大阪を拠点に活躍する「映像劇団 テンアンツ」(上西雄大代表)の公演でした。テンアンツは舞台劇と劇場映画の両方で創作活動を展開している熱い劇団でもあります。

 これは、今年公開された同名映画をさらに発展させた舞台です。ヌーとはこの主人公の名前で「ぬ5515」番のコインロッカーに捨てられていたことからついています。




 親から捨てられ、その上、発達障害を抱えていますが、絵に関しては天才的な能力をもっています。不幸な境涯に見えますが、天真爛漫さから施設や地域の人々に愛されています。

 彼女の絵のすごさに気づいた男が彼女を利用しようと近づきますが、そこから予想を超えた展開が始まります。

 

 



 この舞台を見て感じたのは人と人との触れあいの大切さです。表面的には彼女は障害を抱えています。周囲の人々から助けられていますが、決して一方的に与えられるだけの存在ではありません。天使のような在り方が周囲の人の気持ちを明るくし、存在そのものが宝物みたいになっています。与えられた以上の愛を人々に返し、精神的に互いに支え合う関係になっています。

 

 



 生まれがどうであれ、どういう人々とかかわり生きて行くか大切ですね。ヌーは不幸な産まれながら、周囲の人々から愛され、能力ではなくその存在そのものが人々を癒やす存在になっています。

 

 



 主人公のヌーを劇団の看板女優である古川藍さんと徳竹未夏さんがダブルキャストで、ヌーに近づく男(黒迫)を上西雄大さんが演じ、その他多彩な俳優が脇を支えています。

 



 

 

 前作である児童虐待を主題にした「ひとくず」同様に、人との関係の大事さを考えさせてくれます。現在、生かされていることに感謝するとともに。支えてくださった人々にも感謝したい気分です。

 12月3日(日)まで近鉄アート館で公開中です。

#テンアンツ #ヌーのコインロッカーは使用禁止 #ひとくず