前回、水間鉄道をご紹介しましたが、水間鉄道のある貝塚は本来、寺内町として栄えた町でした。

 

 今回は貝塚寺内町の中心願泉寺をご紹介します。

 

 

 

 

 寺内町とは戦国時代から近世初期にかけて寺院の境内町として栄えた町のことです。真宗寺院が多く、大阪では富田林,大ヶ塚(河南町),八尾、久宝寺(八尾市),招提(枚方市),富田(高槻市)などの寺内町がありました。,

 

 

 

 

 貝塚寺内町は浄土真宗願泉寺を中心に栄えた町でした。南海電鉄貝塚駅の北側300m程度のところにあります。

 

 

 

 

 願泉寺は元々無住の草庵に紀州根来寺から卜半斎了珍を迎えたことから、一向宗の町としての歴史がはじまりました。石山本願寺の有力な傘下として町は栄え、天正5年(1577年)には織田信長との戦いで町は消失してしまいました。天正11(1583)年から2年間、紀州鷺の森から顕如上人を迎え本願寺御堂となりました。江戸時代には代々卜半家が住職を勤めたのでした。現在でも泉州地域を代表する寺院のひとつとして法灯が受け継がれています。山門は延宝6年(1678)年に建立されたものです。

 

 

 

 

 山門をくぐると真正面に本堂があります。現在の本堂は江戸時代の寛文3年(1663)の建立で本尊は阿弥陀如来です。

 

 

 

 

 境内の隅には太鼓櫓も設けられていました。ここの上からなら町中を眺めることができたでしょうね。もし泉州に来られることがあれば、寺内町散策などいかがでしょうか。