前回、京都市内東山地域、鳥辺野にある大谷本廟や親鸞荼毘所跡をご紹介しました。

 

 六道珍皇寺や六波羅蜜寺のあるあたりは京都を代表する葬地でもある鳥辺野の周縁部分になります。

 

 あの世の入口の伝説など不思議な内容が多い地域です。

 

 そこで「幽霊子育て飴」なる飴があるのをご存じですか。

 

 

 

 上の写真はあの世の入口伝説のある六道珍皇寺から近いところにある幽霊子育飴です。

 

 

 

 

 これは昔からの飴屋なのですが、独特の風格があります。

 

 この飴には伝承があります。

 

 昔々のこと、夜毎に女性が飴を買いに来ました。その女性が飴を買った翌日には銭箱に必ず木の葉が一枚入っていました。不思議に思った主人が女性の後を追うと、女性は鳥辺野墓地周辺で姿を消しました。すると土中から赤ん坊の声が。そこは身ごもったまま亡くなった女性の墓。掘り返すと、中には飴を口にしている赤ん坊がいたのです。おそらく土の運気で子供が生まれ、女性は幽霊となって赤ん坊のために飴を買いに来ていたのでした。その言い伝えにより、今でも「幽霊子育て飴」として販売されているのでした。子を思う母の愛は偉大ですね。

 

 

 

 

 店内ではこのように一包み500円で販売されています。

 

 

 

 

 「命をつないだ飴 幽霊子育て飴」

  なかなかいいフレーズですね。

 

 

 

 

  店頭には京都らしい風情の飾りが。

 

 

 

 

 帰宅してから包装を解いてみました。

 素朴な雰囲気の飴が。

 

 口に入れてみると非常に温かみを感じる甘さが。

 

 最近の添加物たっぷりの毒々しいキャンディーとは違います。

 

 これなら赤ん坊も喜ぶかもと思うようなやさしい味です。

 

 また京都に行ったら買ってみたいと思います。